
糖尿病を世界一分かりやすく解説
今回はこれまでの”復習”と”糖が脂肪に変わるメカニズム”についてです。
「脂肪を抑えた食事をしてるのに全然痩せない」
「ウォーキングやランニングなどの有酸素運動をしているのになかなか体重が落ちない」
なぜでしょうか。
痩せないどころか、誤った知識や方法はあなたを恐ろしい病、「糖尿病」へと誘っているかもしれません。
代謝の知識があればあなたの痩せない理由が分かり、どうすれば良いかの解決策が見つかると思います。
糖は脂肪に変わる
結論からいうと糖は脂肪に変わります。詳しくは代謝経路から言えることですが、いくら脂肪を抑えた食事をしても糖を取りすぎると脂肪になるので一緒のことです。
そして、糖はウォーキングやランニングなどの比較的軽負荷の運動ではエネルギー源として使われません。脂肪が主に使われるので、糖は使われないままです。(詳しくは過去note参照)
余った糖(グルコース)はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられるか、中性脂肪として蓄えられます。それでも余った糖はどうなるのでしょう。
血液中に漂うしかありません。血液中に糖がたくさん漂っている状態…
はい、糖尿病です!!
糖尿病は他人事ではない
糖尿病と聞くと若い人には関係ないと思われがちです。しかし、代謝の本質を理解すると、いかに糖尿病が身近な病気かを気づかせてくれます。
太ってる方で「自分は膵臓も悪くないからインスリンがしっかり出てる。だからインスリンが血糖値を下げてくれるから大丈夫だ」なんて言ってると危ないです。
もちろん糖尿病の中でもⅠ型と言われるようなインスリンの分泌そのものの問題がある人は、インスリンを打たないといけません。しかし、今問題としてるのは生活習慣病との関わりが深いⅡ型糖尿病です。
今回はこのⅡ型糖尿病について、もう少し細かくみていきましょう。
糖尿病の本質
Ⅱ型糖尿病ではインスリンは分泌されています。なのに、どうして血糖値が高いままなのでしょう。
インスリンはGLUT4(グルコーストランスポーター)と呼ばれる糖の運び屋を細胞内に押し込んでくれる役割があります。その結果、細胞内にグルコースが入り込んでATPを作るための反応が始まります。
Ⅱ型糖尿病ではインスリンが出ているにも関わらず、細胞内に糖を取り込むことができません。いわゆる「インスリン抵抗性の増大」、「インスリン感受性低下」と呼ばれるやつです。インスリンが出てるにも関わらず、細胞がインスリンに対して鈍感になっているということですね。その明確な機序はまだ完全に解明されていないみたいですが、脂肪がインスリンの作用を邪魔してるのは事実なようです。
ここからは私の解釈ですが、細胞の膜は水に溶けないよう脂肪の2重構造で出来ています。Ⅱ型糖尿病など中性脂肪が溜まった状態では細胞の膜も分厚くなって、インスリンが出てるにも関わらず糖を取り込みにくい状態になってるというのが私のイメージです。
その結果、血液中に糖がたくさん漂う状態が続き、インスリンをより多く分泌しないと行けなくなってしまいます。その状態が続くとインスリンを分泌する膵臓も疲弊していき、インスリンの分泌そのものが悪くなります。そうすると血液中には、さらに多くの糖が…
そこから先は想像にお任せします。恐ろしい結末になりそうですね。
糖尿病の本当の恐ろしさは合併症にあるわけですが、今回は割愛します。
脅すわけではないですが、糖尿病は身近な誰にでも起こりうる疾患だ、ということを認識していただければ結構です。
では、どうすればいいのか?
これに対して我々がどうすればよいのか。これが一番知りたいところだとは思いますが、答えはもうすでに出ています。
現在、適正体重、基礎疾患がない方
・普段から脂っこい食事を避ける。有酸素運動などで適度な運動を取り入れる。
➡︎これだけでも基礎疾患がない、健康な人にとっては良いと思います。適度に運動することで余分な脂肪を溜めないことに繋がります。
もうすでに太っちゃってる人
・脂っこい食事を避けるのは当たり前
・糖を取りすぎると脂肪に変わるので普段の糖の摂取量を見直す(糖をゼロにするとインスリン自体が出にくくなる上、デメリット多いので注意)
・有酸素運動などの軽負荷の運動強度で糖は使われないため、筋トレや高強度インターバルトレーニング(HIIT)などを取り入れる(もちろん専門家の指導がベスト)
・アルコールを控える
➡︎脂肪を溜めないのはもちろん、高負荷トレーニングで糖を使う。糖の貯蔵場所は筋肉と肝臓しかありません。筋トレすることにより糖の貯蔵場所も増やせます。ただし、アルコールを摂取すると肝臓が解毒作用に使われ、糖の貯蔵能力は落ちてしまいます。
すでに糖尿病、基礎疾患のある方
・医師の指示に従う(間違いない)
まとめ
今回は、糖は脂肪に変わるという話と糖尿病について説明しました。糖と脂肪の特性を知ることでカラダの仕組みが見えてきたと思います。
もう少しメカニズムについて詳しく知りたいという方がいらっしゃれば、コメントいただければ幸いです。アセチルCoAについて詳しくお話しします。
それでは、また。