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理学療法で大切な「体幹」って?—動きを支える土台を強くする方法

「体幹を鍛えるといい」とはよく聞くけれど、そもそも体幹って何? どんな役割があるの? と思う人も多いのではないでしょうか。

体幹は お腹・背中・腰まわり を指し、 身体の中心を支える土台 です。たとえば、サッカー選手が相手に当たられてもバランスを崩さないのは、体幹がしっかりしているから。逆に、体幹が弱いと、ちょっとした段差でつまずいたり、姿勢が崩れやすくなります。


日常生活でも、 「寝返りがうまく打てない」「長時間座ると腰が痛くなる」「歩いているとフラつく」 という悩みは、体幹の筋力低下が関係していることが多いんです。

では、 体幹を強くするためにはどうすればいいのか? この記事では、 理学療法の視点から「体幹の役割」と「効果的なアプローチ方法」 をわかりやすく解説していきます!


1. 体幹とバランスの関係


体幹は、身体全体の 48% を占める大きな部分。上半身と下半身をつなぐ役割があり、バランスを取るうえで欠かせません。

たとえば、
• 「転びそうになったとき、とっさに踏ん張れるか」
• 「電車で揺れたとき、バランスを崩さず立っていられるか」


これらは 体幹の強さ によって決まります。

最近では、スポーツ選手だけでなく、一般の人にも 「体幹トレーニング」 が注目されるようになりました。特に 高齢者では、体幹の筋力低下が転倒のリスクを高める ため、早めのケアが大切です。


▼ 体幹が弱るとどうなる?
• 歩いているときにフラつきやすくなる
• 長時間の座り姿勢がつらくなる
• 立ち上がるときに踏ん張れなくなる


2. 体幹を強くするメリット


体幹を鍛えると、こんな良いことがあります!

バランスが良くなり、転倒しにくくなる
姿勢が安定し、腰痛や肩こりの予防になる
歩く・立ち上がるといった動作がスムーズになる

実際に、 体幹トレーニングを3ヶ月続けた高齢者の転倒率が約40%減少した というデータもあります(※研究データより)。


3. 理学療法での体幹アプローチ


では、 理学療法ではどのように体幹を鍛えるのか? ここでは、具体的な方法を紹介します!

① 軽いトレーニングから始める

まずは 寝たままでもできる簡単な動き から取り入れます。

ドローイン(腹式呼吸)
お腹を膨らませたり、へこませたりして 深い呼吸 を意識するだけでも、体幹のインナーマッスルが鍛えられます。

足上げ運動(レッグレイズ)
仰向けに寝て、 片足ずつ持ち上げる 動作。足を上げるときに腹筋がしっかり使われ、体幹が安定します。

\ポイント/
「毎日10回ずつ」を目標にしてみましょう!無理なく続けることが大事です。

② 座位や立位でバランスを取る練習

座った状態や立った状態で 重心をコントロールする ことも、体幹を鍛えるポイントです。

座ったまま骨盤を前後に動かす
長時間座ると猫背になりやすいですが、 骨盤を立てる練習 をすることで、姿勢が改善します。

立ったまま片足立ち(バランストレーニング)
片足立ちを 10秒キープ×3セット するだけでも、体幹の安定性がアップ!

③ 歩行時の体幹の使い方を改善

実は、 歩くときにも体幹の筋肉が大きく関わっています!
理学療法では、患者さんの歩き方を見ながら、 正しい姿勢や重心移動の仕方 を指導していきます。

「骨盤の動き」を意識する
歩くときに 骨盤を左右に適度に動かす ことで、スムーズな歩行ができます。
逆に、骨盤がうまく動かないと、 足の動きがぎこちなくなり、転びやすくなる ことも。

\実践しよう!/
「大きな歩幅で歩く」「腕をしっかり振る」だけでも、体幹が自然と使われるので、意識してみましょう。


4. まとめ


体幹は、 身体を支える土台 であり、 日常の動作やバランス維持に大きく関わる 重要な部分です。

\こんな人は、体幹を鍛えると変わるかも!/
すぐにフラついてしまう
長時間座ると腰が痛くなる
歩くときにバランスが悪いと感じる

日常生活に ちょっとしたトレーニングを取り入れるだけ で、 転倒予防・姿勢改善・動作の安定 に大きくつながります。

「なんだか最近、体のバランスが悪いかも?」と思ったら、 今日から簡単な体幹トレーニングを始めてみませんか?

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この記事の参考文献
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