お客様の一番近くで働くやりがいと誇り~お客様の声を聞き、商品の美味しさを届ける~(経営企画部 東郷祥子)
「お客様にゲノム編集を身近に感じて安心感を持っていただき、商品の良さや美味しさを感じていただけるよう、わかりやすく、おひとりおひとりの気持ちに寄り添った伝え方を大切にしています」。
そう話すのは、ワコールで下着のコンサルティング販売や広報、新規事業の立ち上げなど多種多様な経験を積んだのち、リージョナルフィッシュにて一般のお客様への商品販売業務を中心に幅広い活躍を見せる東郷祥子。
社員インタビュー第4弾では、リージョナルフィッシュでお客様とのコミュニケーションを一手に引き受ける東郷さんに、同社への参画理由や、販売業務における心構え、お客様と対面するからこそ感じる思いについて聞きました!
※取材当時の内容となるため現在の肩書・業務内容と異なる場合があります。
「強みはわかりにくい価値をお客様に合わせたわかりやすい表現にして伝えること」
ーーーよろしくお願いします!はじめに、リージョナルフィッシュに参画されるまでの東郷さんのご経歴を教えてください。
5歳の時にパジャマや下着を買ってもらってからワコールの商品が大好きだったので、「心からいいと思うものに携わりたい」と思い、大学卒業後ワコールに入社しました。
はじめは百貨店の婦人肌着売場で販売員としてコンサルティング販売をしました。10代~80代にわたる2万人以上のお客様と向き合って、こころとからだにフィットする下着選びの手伝いをした経験が、私のキャリアの盤となっています。
入社10年目に希望し異動した広報室では、社内報の制作に携わりました。新入社員から会長まで、のべ400人以上に取材をする中で会社の全体像や歴史、人、モノ、技術など、有形、無形のワコールの財産を知ったことが、さまざまな新規事業の立ち上げを担う仕事に携わる上で大きな財産となりました。
その後の海外新規参入国の事業開発の仕事では、下着のフィッティング技術を買われて商品評価や現地でのマーケティング調査、販売員の育成マニュアルの作成を担いました。新規チャネル開発の仕事では、対面コンサルティングが主流だったワコールの下着販売を、カタログやWEBなど2次元に落とし込んで表現し伝える手法の構築などを行いました。
そうそう、ワコールの京町家一棟貸の宿「京の温所」の立ち上げもしましたね。下着とは全く異なる業種の宿泊業でしたが、わずか一年で開業させ、開業後は軌道に乗せるための事業構築と運営(フロント、コンシェルジュ)を担いました。
こんな感じで、私が今まで手掛けてきた仕事は多岐に渡っています。縁あって私のもとにやって来た仕事はチャンスだと思い、楽しみながら全力投球でやりきってきた、という気持ちはありました。周りからも「ホント器用に何でもやるねぇ」と言われることも多かったのですが、「〇〇を長年やってきました」「私は〇〇の専門家なんです」と一言で自分の仕事や強みが説明できないもどかしさがずっとありました。
「私の強みはこれ!とうまく人に説明できるようになりたい」と漠然と思う中、キャリアコンサルタントという資格があることを知りました。自分自身のキャリア棚卸しという意味も兼ねて、資格勉強をしていくうちに、自分の強みが見えてきたように思います。多岐にわたる仕事の中でも私の強みとして一貫していたのは、「分かりにくい価値を、お客様に合わせたわかりやすい表現にすることで売上につなげていくこと」でした。
また、一つの会社を勤め上げる以外にも、新たな環境の中に身を置くからこそ形成できるキャリアもある、ということにも気付くことができました。そんなときにちょうど目に留まったのがリージョナルフィッシュになります。
「タンパク質クライシスという社会問題に、自分の強みで貢献したい」
ーーー幅広く経験を積まれているんですね!さまざまな選択肢がある中でリージョナルフィッシュを選んだ理由はなんでしょうか?
主な理由は2つあります。一つ目は「働くなら社会問題を解決する事業に貢献したい」という私にとって、「日本の水産業の縮小やタンパク質クライシスに関する社会問題に貢献する」というリージョナルフィッシュの企業目標に共感したことです。
「働くなら社会問題を解決する事業に貢献したい」と考えるようになったのは、「京の温所」の立ち上げに携わった経験が大きいですね。「京の温所」は、ワコールが「京都の街並みを次世代に残したい」という強い思いから、歴史ある「京町家」保全し、活用することによって地域共生をはかる社会課題解決事業です。思いに共感してくださった行政や企業、アーティスト、商店や飲食店、地域の皆さまなど、本当に多くの方々からお力をいただいて生まれ、思いに共感して宿泊してくださるお客様に育てていただきました。共感してくださることで広がり、深まり、成長していく社会課題解決事業ならではのやりがいと、仕事に対する誇りを強く感じることができました。
リージョナルフィッシュが取り組む、タンパク質クライシスや日本の水産業の縮小などは、自身の経験から非常に重要だと思う社会課題でした。それは私自身が動物性タンパク質の必要性を、身をもって理解したからです。
実は、私は10代のころから肉を食べないベジタリアンのような生活をしていました。ところが数年前、6週間で完治すると言われた骨折が4ヶ月経っても全く治らず検査を受けたところ、原因は「動物性タンパク質がかなり不足していること」だと分かりました。その後、少しづつ動物性タンパク質が食べられるようになると、骨折の完治はもちろん、劇的に体調が良くなって疲れにくくなり、自分でも驚くほど「動けるからだ」になったんです。動物性タンパク質の必要性を痛感している私としては、タンパク質クライシスは自分事として由々しき事態で「自分も第一線で課題解決に尽力したい!」と思ったことが大きいですね。
そしてもう一つの理由は、初めてリージョナルフィッシュのホームページを見たときに「難しい!よく読んでも分からない…」と感じたことです。
分からないということは、分からない人の気持ちが分かるということ。分からない人が理解していくプロセスを知ることは、お客様に分かりやすく説明する時にとても重要な経験になります。私の強みがより活かせるのではないかと考えました。
リージョナルフィッシュの募集要項には「ゲノム編集の研究や技術をこれから社会実装していく」とあったので、一般のお客様向けの販売を考えているなら、これまでの経験が役立つのではと思ったんです。
「マダイやフグが食卓に並ぶところまで、お客様が想像できるように伝える」
ーーー色々な思いを持ってリージョナルフィッシュに参画されたのですね。現在、東郷さんはどのようなお仕事をされていますか?
一般のお客様とのコミュニケーションやお問合せの対応などが主な業務になりますが、そのほか何でもやっていますね。ECサイトの運営や商標の管理、ユニフォームの制作から試食づくりなどなど、スタートアップ企業ならではの、目の前にある仕事を広範囲にこなしていっています。
中でも、店頭販売や展示会などで一般のお客様に説明をする仕事は、これまでの経験を活かせていると感じます。
ワコールの商品は、約4万5000人の女性のからだのデータをもとに、フィッティングや熟考を重ね、改良を繰り返し行うことで最適な「つけ心地」や造形性が実現できるように作られています。それをお客様に説明するときは「理屈っぽく説明するのではなく、目の前のひとりのお客様が自分のメリットとして感じられるように伝えること」を大切にしていました。また、扱う商品が下着なだけにセンシティブな女心を汲み取る必要がありますし、お客様が店頭に来られてからどの順番で何を見て、手に取り、どこを読み、その時々の表情から、お客様の気持ちを慮ってお声がけの言葉を決めています。
ワコールではごく当たり前のことで、自然にやっていたので意識をしたことがありませんでしたが、リージョナルフィッシュでは改めてどこに不安を感じ、興味を持ってくださっているのか「お客様の気持ちに寄り添ったお声がけをすること」の大切さを感じています。技術的な話はもちろんですが、料理をされたり、食卓で召し上がったり、といった実際の生活シーンをイメージされているお客様の気持ちや、思い描かれていることを汲み取りながらお伝えするようにしています。
私にとってワコールの下着も、リージョナルフィッシュのマダイやフグも、研究や技術によって生まれた商品である、という意味では同じもので、難しく分かりにくいことをお客様が想像しやすいように言葉をつくして、身近に感じて安心感を持っていただけるように心がけています。
―――実際にお客様と対面して販売をしている中で、どのような感想をいただきますか?
これまでに2,000人以上のお客様にご試食いただき、お話をしてきました。その中で感じたのは、ゲノム編集とは何なのか、具体的にどんなことをするのかを知ると、ほとんどの方がポジティブに受け入れてくださるんだな、ということです。
かつての私のように「ゲノム編集」という言葉を聞くのも初めてだったり、具体的にどんな技術なのか知る前のお客様は、「よく分からない得体のしれないもの」として漠然とした不安を持たれています。私も最初は知らない、分からない側だったので、その気持ちはよくわかります。
私自身がゲノム編集を知って理解が深まれば深まるほど安心することができ、今後一層必要とされる良い技術だと実感することができた経験に添って、分かりやすい言葉で、特に混同されがちな遺伝子組換えとの違いについては丁寧に説明しています。
ゲノム編集技術を理解して、安心して試食を口に運ばれたお客様の顔がほころんだり、「美味しい」「家で食べるのが楽しみだわ」とご購入くださるたびにとても嬉しくなりますね。
ゲノム編集がタンパク質クライシスなどの食糧問題や日本の水産業の縮小といった、社会問題の解決を担う技術でもあることにも興味を持ってくださったお客様は、「頑張ってね」「応援してるよ」といったお言葉をかけてくださいます。リージョナルフィッシュを代表してそのようなお言葉を受け取るたびに、ありがたく、温かい気持ちになりますね。
これからもひとりでも多くの方に、リージョナルフィッシュが生み出す魚介類の美味しさや技術の素晴らしさを感じてもらえるように、尽力していきたいです。
「商品の開発過程を間近で感じられるのがリージョナルフィッシュの強み」
―――販売する際に様々なことに配慮していることが分かりました!リージョナルフィッシュで働き始めてから約半年となりますが、いま東郷さんが感じるリージョナルフィッシュの強みはなんですか?
販売を担う自分も商品開発の現場と近い距離にあり、「開発過程を自分の目で見て感じ、納得したうえで商品を販売できる」ということでしょうか。
一般的な大企業だと、大勢の社員がいて、商品開発部門、販売部門とそれぞれ分かれているので、販売スタッフが商品開発の過程を生で見る機会はあまりないと思います。しかし、リージョナルフィッシュでは、研究員や養殖員とも距離が近く、飼育されている魚も実際に見ることができるので、商品により愛着がわきますね。
24時間365日、真摯に魚と向き合って、安心安全な美味しい魚にするために苦労しながら飼育している現場も見ていますし、魚たちが元気よく泳いでいる姿も見ています。そんな背景も知っているのでリージョナルフィッシュの魚介類は、まず私自身が安心できるもので、美味しくてもっと食べたくなるものなんです。販売するときには「私が心からおすすめできるもの」と自信をもつことができますし、言葉にすることはなくてもその気持ちはお客様に伝わっていると感じています。迷いなく商品をおすすめできる環境があると
いうことは、この会社のいいところだと思います。
また商品開発のみならず、社長ともデスクを並べて仕事しており、経営層の考えていることがスケルトン状態なので、どの方向に向かっていて、どうするべきかが分かりやすいので働きやすいと感じています。大企業であれば、経営層の考えを社員に共有して理解してもらうことに苦労して、予算や人員を割くこともよくあるので、今の環境はとても新鮮です。
さらに、会社や事業が急激に発展していく姿を、生で感じられるところも魅力です。ワコールでは創業から成長を遂げてく過程を社史として知ることしかできませんが、リージョナルフィッシュでは会社がどんどん成長していく過程に、今、実際に自分が携わることができていることがとても嬉しいです。「世界で初めてゲノム編集動物食品を試食販売した人」として、人に話すことができるのが私のプチ自慢ですね(笑)
ーーー東郷さんの販売におけるこだわりがうかがえる素敵なインタビューになりました!本日はありがとうございました。