【超短編創作】連景小噺2/『しかく』
王家の伝統
ガイド「こちらはピラミッドから出土した、エジプト王家に代々伝わるペンダントでございます」
観光客1「はあ~、エメラルドですか。これが王家の資格ってわけですね」
観光客2「何言ってんだよ。ピラミッドは三角だろ」
駅前
占い師「アナタ、今月の運気めちゃくちゃ悪いね」
リーマン「やっぱりそうか~。どうすれば良いですかね?」
占い師「じゃあ、このブレスレットを買いなさい」
リーマン「売らないって言ったじゃないか!」
占い師「いらない?」
リーマン「いる~」
遠足
先生「これが東大寺の大仏です。しかと目に焼き付けるように」
生徒「鹿とですか?」
先生「……」
生徒「シカトですか」
ラーメン屋
客「こってりラーメン、あっさりラーメン、しっとりラーメン、やっぱりラーメン、しっぽりラーメン。メニューが豊富なんだなあ」
店員「ご注文はお決まりですか?」
客「う~ん、さっぱりだ」
店員「そのようなメニューはございません」
神様と天使
神様「ン?何かゴソゴソと音がするな。キッチンの方か。誰じゃ!神聖なわしのキッチンを荒らすのは!カチッ」
天使「か、神様!?」
神様「なんだ、天使か。勝手に、勝手に入ったらダメじゃないか」
天使「ごめんなさい。これからはキッチンとします」
神様「ところで、わしのキッチンで何をしておったんじゃ?」
天使「それが、ソノ……。毎日、朝食に出てくる味噌汁、通称「神の味噌汁」のレシピを知りたくてですね」
神様「それはならん。アレは神のみぞ知る」
しかく
人事部「なにか資格はお持ちですか?」
殺し屋「一応殺し屋検定一級の方を……」
人事部「なるほど。刺客としての資格をお持ちなんですね。特技はありますか?」
殺し屋「死角から狙うことです」
人事部「視覚外からの攻撃ということですね」
殺し屋「ハイ」
人事部「では合否の方なんですが……」
殺し屋「合格ですか?」
人事部「失格です」
暗転
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