【エッセイ】VHS段階/忘れ者の日記7
思い出せるぎりぎりの記憶、日付けが記された大量のVHS、掠れた映像、それは平成の画質そのもの、叩けば直るでしょう?
人生は選択の連続。無限にも思える100通りの可能性、その中から選び取られたたった一つの選択、打ち捨てられた99の可能性……。その最初に位置するのは、名前ね。しかも、これだけは自分で決められない、物心ついたときには、すでに当たり前のものとして持たされているもの。打ち捨てられたもう一つの名前、わたしは最初「ソラ」になる予定だった。どんな漢字だったかは聞かされていな