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note執筆にも通じるアイデアの整理方法|『知的生産の技術』を読む
『知的生産の技術』の魅力
思考を抽象化し、知的生産に活用するための方法論について、筆者本人が実践するやり方を含めて論じた著作です。
1969年の出版。世に出てから半世紀が経過していますが、未だに色あせない魅力があります。
書中で推奨されているのは、方法を抽象化した「考え方」そのものであるため、古くささを感じないのでしょう。
現代にも通じる知的生産のエッセンスを、私なりに抽出してご紹介したいと思います。
思考の抽象化
本書で解説されているのは、大きく分けて3つ。
文章化すること
規格化すること
俯瞰して考えること
1.文章化すること
筆者は、「忘れるために文章化する」ことを推奨しています。
新たな視点で情報を見て、つながりを見いだすためには、忘れることも重要なのです。
心置きなく忘却するためには、単語や心覚えのようなメモではなく、しっかりした文章に書き残すことが大切。
未来の自分は他人も同じなので、いつ見ても分かるように文章化することが不可欠です。
2.規格化すること
メモは統一したフォーマットにまとめる必要があります。
検索性と横断性を高めるためです。
メモを規格化する方法は、本が出版された1969年の技術で説明されているので、今読むとギャップを感じるでしょう。
記事を切り抜きしてスクラップすること、カードボックスを用いて整理すること、置き場所を定めることなど。
紹介されているのはワープロすら浸透していない時代のやり方なのですが、“資料は必ず立てて置くこと”のように、普遍的な内容も含まれるのが面白いところ。
市販品のカードでは行き届かないところが多いので、様式を自分でプロデュースすることも説いています。
梅棹のフォーマットは、京大式カードとして今も販売されています。
3.俯瞰して考えること
統一されたフォーマットに記された情報を俯瞰的に眺め、共通する要素や新たなつながりを見いだす作業が知的生産。
1や2で説明されている方法論は、アイデアを再構成する作業を極限まで制約しないための環境作りと言えます。
知的創造を妨げないために、雑多な要素を取り除き、徹底した規格化を行うということ。
完全に実践することは難しいかもしれませんが、心に留めておきたい考え方です。
自分のやり方を妨げない規格化の方法を見つけ出すことが、最も大切なのでしょう。
noteにも共通する要素
私は大学院時代、梅棹忠夫の流儀にあこがれて京大式カード術を取り入れてみたことがあります。
結果から言うと、自分のものにすることは出来ませんでした。
理由は明らかで、パソコンやオンラインストレージが発達している現代において、手書きで情報をカードに整理できるほど、私は根気強い人間ではなかったからです。
しかし、アイデアは考えついた時に文章化し、どこか(ノートあるいはオンラインストレージ)に保存して、忘れた頃に読み返してみるという方法は、形を変えながらも継続しています。
一定のフォーマットに沿って執筆する必要があるnoteに思考を書きとめることも、その最新の方法の一つです。
noteに執筆して、後にマガジンにまとめ、サイトマップを作成するという作業は、「思考の整理学」のデジタル時代の実践方法なのかもしれないと考えています。
▼サイトマップ作成について、わかりやすくまとめてくださっている記事はこちらです。