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#14 下肢構造の謎、骨盤、大腿骨編

なんで骨ってこんな形してるんだろう?

その3 骨盤

 我々人間が他の動物と比べて、最も特徴的なのは、直立二足です。二足で立つ、歩く、走る。一時的に二足で立ったり、走ったりする動物はいますが、常時、直立二足で身体を支え、移動するのは人間だけです。

 安定感のある四足、六足ではなく、不安定な2本脚。人間は二本の脚で、どのように安定して身体を支えるのでしょうか?下肢を構造的に見ると、2本の棒で支える作りになっています。筋力に頼らず、2本の棒で身体を支えるには、どのような秘密があるのでしょうか?
 その秘密に迫るには、下肢の構造的な3つの謎を解き明かす必要があります。
3つの謎とは、
① 股関節の謎   ② 大腿骨の謎   ③ 膝の謎 になります。

 謎解きの前に、まずは下肢の要、骨盤の構造を見てみましょう。
骨盤は
寛骨(かんこつ)×2と仙骨(せんこつ)で構成されています。

 更に寛骨は、恥骨、坐骨、腸骨の3つの骨が結合してできています。
 この3つの骨の結合部位が寛骨臼。いわゆる股関節。大腿骨頭がはまる窪みになります。

 仙骨は、両サイドで寛骨とくっついています。
 この結合部を仙腸関節と言います。関節と言っても他の関節と違い、仙骨の外側面と寛骨の内側面が面上に合わさり、多くの強靭な靭帯で固定されているため、ほぼ動ない「半関節」という構造になっています。

 寛骨は、上肢でいうところの肩甲骨にあたります。
 上肢のトランスミッションである可動性の高い肩甲骨に対して可動性の低い構造になっています。
 可動性がないということは、逆を言うと支える力、「支持力」が高いと言えます。直立姿勢では、この支持力が物を言います。
 以上が、骨盤の構造になります。

では、3つの謎、①股関節の謎 ② 大腿骨の謎 ③ 膝の謎 とはどういうことでしょうか。

①     股関節の謎

 骨盤の両脇、下部にある窪みが寛骨臼です。
 大腿骨の球状になっている頭の部分が、はまり込んで作られているのが股関節。球(臼)関節と言って可動に優れた関節です。

股関節の謎、可動に優れた股関節、   
      なぜ斜めについているのでしょう?   なぜこんな風に真下でない?           

② 大腿骨の謎              
 人体最大の骨です。頭の部分は股関節を形成。   
 下端は、脛骨と膝関節を作ります。

大腿骨

☆頸体角(けいたいかく)と前捻角(ぜんねんかく)
 大腿骨には、特徴的な構造が二つあります。
 一つは「頸体角」もう一つは「前捻角」です。

頸体角                 

頸体角とは、
 大腿骨頭から伸びる首の部分と大腿骨本体がなす角度。
これを「頸体角」と言います。
 平均126°と言われています。

前捻角とは、
上から見ると・・・

             

 下(膝)の方が、内側にねじれています。  このねじれの角度を「前捻角」と言います。 平均12°と言われています。大腿骨は、なぜこのような構造をしているのでしょうか?
 大腿骨骨折の頻発部位は、頚体角をなす、大腿骨頸です。シンプルに真っすぐな棒状であれば、強度もあり、動きも分かりやすいのではないでしょうか?

次回は、膝の謎です。


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