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あきらめた恋が突然やってくる話/真野愛子

前回のわたしの記事で、わたしが憧れる「シン・世界三大美人」を発表しました。
その中のひとり、歌手の渚ゆう子さんについて今回は書きます。
わたしは、渚さんの曲『京都慕情』が大好きです。

▲渚ゆう子『京都慕情』(1970年12月リリース)
作曲 : ザ・ベンチャーズ、作詞 : 林春生、編曲 : 川口真

知ったきっかけは、親のカラオケです。
何回も聴いているうちに「これは名曲だ!」と思いました。
そして、渚さんの他の曲も聴くようになりました。
渚さんを一躍人気歌手に押しあげた曲が、『京都慕情』の前にリリースした『京都の恋』です。
オリコン第1位を獲得、86万枚を超える大ヒットとなった曲です。

▲渚ゆう子『京都の恋』(1970年5月リリース)
作曲 : ザ・ベンチャーズ、作詞 : 林春生、編曲 : 川口真

これまた名曲です。
とにかく渚さんの歌唱力が素晴らしく、艶っぽいのに品があります。

渚ゆう子さんは大阪生まれ。
お母さんが沖縄出身だったことから沖縄民謡を習い、その後、ハワイアンも習得します。
1967年、ハワイアン歌謡『早くキスして』でプロデビューしますが、3年間ヒットに恵まれず、その頃おつきあいしていた男性と結婚を決めて引退しようと考えていたそうです。

ところがそんな矢先にリリースした『京都の恋』が、あれよあれよという間に大ヒットとなっていきます。
スケジュールが埋まり、生活は激変しました。

その時のエピソードを、スポニチが「京都の恋/大ヒットで結婚できなくなった渚ゆう子 38年後に…」というタイトルで紹介しています(ちょっと長いですが、引用させてください)。

【京都の恋/渚ゆう子】

 これが最後、この曲を思い出にお嫁に行こう。24歳の歌手、渚ゆう子はそんな気持ちで大阪から再度上京し、レコーディングに臨んだ。それが有線放送から火が付き出し、夏の終わりごろからレコードも売れるようになり、秋にはスケジュールがびっしり。とても婚約、結婚とは行かない状況になり、結局男性と別れざるをえなくなった。

 70年5月発売の「京都の恋」は、米国でエレキブームを巻き起こした、インストグループ「ザ・ベンチャーズ」が日本の歌謡曲風の味付けをして作曲。イントロや途中に京琴を入れるなどの日本のそれとは違うアレンジが受けて気が付けばレコード売り上げ86万枚の大ヒットとなった。

(中略)

 芸能界入りしてから1年後に、和田弘とマイナスターズの前座を務めていた渚。和田らの勧めで上京し、作曲家の浜口庫之助の門弟となり、ここでハワイアンを学んだ。

 ハワイアン歌手として芸名も久葉真鶴(くば・まづる)から渚ゆう子に改名。「早くキスして」でデビューしたが鳴かず飛ばず。全国キャンペーンも展開したが不発に終わった。ハワイアンでのヒットをあきらめかけ、芸能界引退も考えていた時に来た話がベンチャーズサウンドでのこの曲。ハワイアンで鍛えた澄み切った高音とリズムの良さで大ヒットにつながった。「キャンペーンに行って待遇が変わった。ビールケースをステージ代わりに歌っていたのが、必ず即席でもステージを作ってくれた。自分の足で行動していたのに、最寄り駅に着けばお迎えも来てくれた。ヒット曲があるというのはこうも違うのかと思った」。

 恋人とも別れ、その後オフのない日々が3年近く続いた。「異常低血圧症」にもかかり、ステージに立つ前にはブランデーを酔わない程度に飲んで、血圧を上げないと歌えなかった。その後見合いを数回したが、縁がなかった。ヒットの代償はあまりにも大きかった。

 しかし、08年に38年前に別れた恋人と再会。老後を一緒にと約束しあった。ドラマのような人生である。

スポニチ 365日あの頃ヒット曲ランキング【1970年10月】編

これを最初に読んだ時は、めまいがしました。
渚さんは60歳を過ぎた頃に、スターとなった代償で別れざるをえなかった相手から再びプロポーズをされたというのです。

おい、マジかよ!?
めちゃめちゃシンデレラじゃん!!!

こんなことが人生で起こるなんて、きっと渚さんがかわいい心の持ち主だからだ、とわたしは思いました。
美人だし、美脚だし、男たちはほっとかなかったでしょう。
けど、運命の人と再会するまで結婚しなかったというのは、どこか密やかでカッコいい。
これはもう、わたしだけの「世界三大美人」入り、決定です。

ある時、ネット検索すると、渚さんと旦那さんがご夫婦で訪れた店で写真撮影に応じ、そのツーショットがご本人たちの許可を得て掲載されていたことがありました。
とてもお似合いの二人で、穏やかな暮らしをされている印象を受けました。
お幸せそうで素敵!

▲現在77歳の渚ゆう子さん

あるテレビ番組で、渚さんがこんなことを言っていたそうです。

「こういう人生ってあるんですよ。
だから、みなさん、あきらめちゃダメよ」

そっかー。
あきらめちゃダメなんですね!
けど、わたしの場合、数年前に別れた男が再び現れてプロポーズしてきたとしても、
「あんたなんかとは絶対にイヤッ!!!!」
とか言いそうだな(笑)。
あっははははははははっ……(やけくそ)!!!!!


【真野愛子 プロフィール】
フリーライター。『アンポータリズム』などにコラム掲載。超インドアですが、運動神経はよい方だと思ってる20代。料理と猫が好き。バイクも好き。将来の夢は、お嫁さんw


9月22日のWWEでのIYO SKY vs ASUKAの日本女子対決、よかった。
IYO SKYのトップロープからの技は神!


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