『飛ぶ星』
星に紛れて
夜を行く翼を見つけた
赤く
白く
プッ
プッ
と、
呼吸器のように
点滅を繰り返す
ふと眩い明星に目を取られた隙に
見失った
もしや
と
新しい星を見つける
でも
あれは煌めき
点滅ではなくて。
目を凝らすが
飛ぶ星は
もう見つからない
頭を逸らして
ぐるり見るわたしに
星々が囁く
くすくすと笑いながら
探してごらん
あの子は何処?
トラップがあるから
この夜(世)は面白い
まるでゲームね
生きるのもまた
見えない手で作られた世界を
人の手で作られた翼に乗ってわたしたちは飛ぶ
いくつもの小さな星になって
本当だ
これはわたしたちの人生そのものだ
呟くと
白い吐息が
夜空に残った
2025' 1/26