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被爆樹木と紡ぐ未来|祝ノーベル平和賞

イントロダクション


2024年、日本の被爆者団体「日本被団協」がノーベル平和賞を受賞しました。この賞は、被爆者たちの証言を通じて、核兵器の廃絶を目指す活動が評価されたものです。

被爆から79年以上が経過して、被爆体験を直接聞くことは、どんどん難しくなっています。
被爆樹木もまた、その歴史の一部であり、命の再生と希望の象徴として私たちに語りかけています。
これから語り部が少なくなる中で、被爆樹木が果たす役割はますます大きくなり、沈黙の証言者として未来へ向けたメッセージを託されています。

被爆樹木は、話をするわけでも、何かを見せてくれるわけでもありません。でも、被爆樹木が抱えてきた傷を見つけ、樹木を大切に守ってきた方々の思いに触れるとき、被爆樹木という存在から何かを感じ取っていただけるのではないかと思います。


生命を繋ぐ力強さと再生の象徴

被爆樹木とは

1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に投下された原爆により、都市の一部が一瞬にして破壊されました。その悲惨な状況の中で、多くの人命が失われましたが、一部の樹木は奇跡的に生き延びました。

被爆樹木とは、広島と長崎で原爆によって被災した際に奇跡的に生き残った樹木のことです。

被爆樹木は、その過酷な環境を乗り越え、今もなお生き続ける命の象徴としてその場に立っています。

例えば、幹に残る傷痕や、治療の跡を見ると、その木がどれだけの困難を乗り越えてきたのかがわかります。青々と茂る葉は、そんな痛々しい傷跡に対して、命の力強さを私たちに教えてくれている気がします。

再生のシンボル

長崎では、一瞬の閃光と共に、爆風と熱線、放射線が地上の全てを襲い、都市の1/3が消え去りました。

長崎の被爆樹木の中でも、特に有名なのが山王神社の大クスノキです。
このクスノキは爆発の直撃を受けながらも、その生命力で生き延びました。

長崎の人々は、このクスノキが新しい葉をつけるのを見て、生命の強さと再生の力に勇気をもらいました。


被爆樹木の証言

長崎市内には50本の被爆樹木が点在しています。
これらの木々は、爆心地からの距離やその後の環境によって、異なる形で生き延びています。

引用元:長崎クスノキプロジェクト(https://nagasaki.kusunoki-project.jp/page/index.html#tree)

被爆樹木を見学する際は、五感をフルに活用してその存在を感じて下さい。幹の色や質感、匂いを感じ、そしてその木が見てきた風景や時代を想像してみましょう。

未来への遺産

原爆が最後に投下されて80年弱、被爆体験をした方から直接お話を聞ける機会が少なくなっています。

被爆を体験した生き物が、被爆樹木だけになる日も遠くはありません。

この先この樹木たちは、沈黙の証言者としてその役割を果たすことになり、ますます貴重なものになっていきます。

現在、これらの被爆樹木は樹木医や地域の人々によって大切に守られています。年に一度のパトロールで、病害虫の有無や必要な治療が行われ、樹木の健康がチェックされています。


このようにして、被爆樹木は未来に向けて、出来るだけ長く現状維持されるように保護活動を続けられています。


終わりに

被爆樹木は、平和へのメッセージを静かに語り続けています。
その力強い姿は、命の再生と希望の象徴であり、過去の悲劇を忘れずに未来に向けて歩む私たちに多くのことを教えてくれます。

被爆樹木を通じて、平和と命の尊さを感じ、今ある当たり前の日常を改めて振り返る機会になれば嬉しいです。

                                      写真提供:(一社)長崎県観光連盟

【予告】今後のイベント

広島と長崎で被爆樹木を巡る旅

来年、広島と長崎で被爆樹木を巡る特別なイベントを予定しています。
同日に開催されるこのイベントでは、実際に被爆樹木を訪れ、平和や命の尊さはもちろん植物が持つ再生の力や生命を繋ぐ力強さを、直に感じる機会にできればと考えています。

被爆樹木の元で過ごす時間は、歴史に触れ、未来へと続く希望のメッセージを受け取る貴重な機会ですので、是非ご検討ください。

詳細については、開催決定しましたらお知らせいたします。
今後の告知に乞うご期待!(絶賛企画中)


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