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記紀(『古事記』と『日本書紀』)と史実との矛盾点。 記紀に納得しない人向けの書籍とは?

こんにちは。

トリリンガル讃岐PRオフィサーのモリヨシナリです。

今回は、記紀(『古事記』と『日本書紀』)と史実との矛盾点についてです。






記紀(『古事記』と『日本書紀』)と史実との矛盾点


記紀(『古事記』と『日本書紀』)と史実との矛盾点は、多岐にわたり、古代史研究における重要な論点となっています。

古事記は712年、日本書紀は720年に完成しました。両方とも奈良時代に編纂されたことになります。

以下に、記紀の主な矛盾点を挙げます。

1. 神話的要素と年代の矛盾:

  • 記紀の冒頭に記される神話部分は、科学的・歴史的に証明することが困難であり、史実とは異なる”物語”として扱われます。

  • 神武天皇の即位年(紀元前660年)など、初期天皇の年代は、中国の史書などとの比較から、大幅に遡りすぎている可能性が指摘されています。

2. 天皇の系譜と事績の矛盾:

  • 天皇の系譜において、実際の血縁関係とは異なる記述や、特定の天皇の事績の誇張・隠蔽が見られます。

  • 例えば、崇神天皇の事績は、後の時代の天皇の事績と混同されている可能性があります。

3. 氏族の系譜と事績の矛盾:

  • 特定の氏族(藤原氏など)の系譜や事績を、実際よりも有利に記述している可能性があります。

  • 蘇我氏など、特定の氏族を悪として描き、勢力争いを反映した記述が見られます。

4. 外交関係の矛盾:

  • 当時の国際情勢(朝鮮半島や中国との関係)と、記紀の記述との間に矛盾が見られます。

  • 例えば、倭国と百済との関係における記述には、百済側の史料との食い違いがみられます。

5. 考古学的成果との矛盾:

  • 古墳の分布や出土品など、考古学的な成果と記紀の記述が一致しない場合があります。

  • 例えば、古墳の築造年代と記紀に記された天皇の年代にずれがみられることがあります。

具体的な矛盾例:

  • 神武東征:

    • 神武天皇が日向から大和へ東征したという物語は、考古学的な裏付けが乏しく、創作された可能性が指摘されています。

  • 聖徳太子:

    • 聖徳太子(厩戸王)の業績として伝えられる「十七条憲法」や「冠位十二階」などは、後の時代の創作である可能性が指摘されています。

  • 大化の改新:

    • 大化の改新における蘇我氏滅亡の経緯など、記紀の記述には、藤原氏に有利な脚色が加えられている可能性があります。

記紀の役割:

これらの矛盾点がある一方で、記紀は古代日本の歴史や文化を知る上で貴重な史料であることに変わりはありません。記紀を批判的に読み解き、他の史料や考古学的な成果と照らし合わせることで、より客観的な古代史像に近づくことができます。



藤原鎌足の息子 藤原不比等の思惑で書かれた記紀


記紀(『古事記』と『日本書紀』)が藤原不比等の思惑によって書かれたという指摘は、古代史研究において重要な論点の一つです。

記紀には以下のような点から、史実と異なる捏造が疑われる要素があります。

1. 藤原氏の正当性:

  • 記紀は、藤原氏の祖である中臣鎌足(藤原鎌足)の功績を強調し、その子である藤原不比等の政権を正当化する意図があったと考えられています。

  • 特に『日本書紀』は、藤原氏が天皇家と密接な関係を持ち、国家の重要な役割を担ってきたことを強調する記述が多く見られます。

2. 天皇家の正統性:

  • 記紀は、天皇家の起源を神話に遡らせ、その神聖性と正統性を強調しています。

  • しかし、神話的な記述が多く、史実との整合性が取れない部分も存在します。

  • また、特定の天皇の業績を誇張したり、逆に不都合な事実を隠蔽したりしている可能性も指摘されています。

3. 氏族間の勢力争い:

  • 記紀は、特定の氏族(例えば、蘇我氏)を悪として描き、逆に別の氏族(例えば、藤原氏)を善として描くなど、氏族間の勢力争いを反映した記述が見られます。

  • そのため、記紀の記述を鵜呑みにすることはできず、他の史料や考古学的な成果と照らし合わせる必要があります。

  • ヤマト王権にまつろわぬ者たちを土蜘蛛、鬼、蝦夷(えみし)、隼人、熊襲などと卑称し、悪者扱いしている。

ヤマト王権の成り立ち:

記紀の記述には捏造や偏向がありますが、ヤマト王権の成り立ちを知る上で重要な史料であることに変わりはありません。記紀と他の史料、考古学的な成果などを総合的に考慮することで、より客観的なヤマト王権の姿が見えてきます。

  • 考古学的成果:

    • 古墳の分布や出土品などから、ヤマト王権の勢力拡大の過程や、当時の社会構造を推測することができます。

  • 中国や朝鮮の史書:

    • 『三国志』や『隋書』などの海外の史書には、当時の日本の様子が記述されており、記紀の記述を補完することができます。

  • 風土記やその他の史料:

    • 各地の風土記や、寺社に残された記録、古史古伝などにも、当時の情報が残されています。

これらの史料を総合的に検討することで、記紀の記述だけでは見えてこない、ヤマト王権の真の姿に迫ることができるでしょう。


記紀には納得しない人向けの書籍



・出雲旧家 富家の口伝と伝承


出雲王家の口伝書「出雲王国とヤマト政権」に記される古事記とは違う日本の歴史。

大和の支配者側でなく出雲王家側から見た隠された日本史。ヤマトの初代大王は徐福と出雲王家の血を引くアメノムラクモだった。



・紀元前2世紀、出雲族が奈良と長野へ移り住んだ理由と痕跡。 鴨都波遺跡、高鴨神社、諏訪大社、ダンノダイラの磐座、十二柱神社、鳥見山、出雲屋敷、富雄丸山古墳、登美ヶ丘、等彌神社、蜘蛛塚ほか


・出雲旧家の伝承「出雲散家の芸と大名」 サンカと忍者、山伏の正体。 サンカ出身の豊臣秀吉、斎藤道三、楠木正成、北条早雲、出雲の阿国。




・出雲旧家の口伝「出雲王国と天皇」。記紀では納得しない人向けの書籍




モリヨシナリのプロフィール


ビジネス英語講師、全国通訳案内士 (英語・中国語)、海外ビジネスコンサルタント


神戸市生まれ、香川県育ち。米国大学経営学部留学マーケティング専攻。


職歴:

  • 大手エレクトロニクス企業にて海外営業職に20年間従事 (北京オフィス所長)

  • 香港、中国にて外資系商社設立に参画、副社長を経て顧問

海外滞在歴:

  • アメリカ: 2年

  • シンガポール: 2年

  • 中国: 12年

  • ベルギー: 1ヵ月

現在の活動:

  • Bizconsul Office 代表

  • ビジネス英語講師、全国通訳案内士 (英語・中国語)、海外ビジネスコンサルタント

  • 観光庁インバウンド研修認定講師

  • 四国遍路通訳ガイド協会 会員

  • トリリンガル讃岐PRオフィサー

保有資格:

  • 英語: 全国通訳案内士、英検1級、TOEIC L&R: 965点 (L満点)、TESOL (英語教授法)、国連英検A級、ビジネス英検A級

  • 中国語: 全国通訳案内士、香川せとうち地域通訳案内士、HSK6級

  • ツーリズム: 総合旅行業務取扱管理者、国内旅行業務取扱管理者、国内旅程管理主任者、せとうち島旅ガイド

メディア実績:

  • 香川県広報誌「THEかがわ」インタビュー記事掲載

  • 瀬戸内海放送 (KSB) ニュース番組コメント

  • 岡山放送 (OHK) ニュース番組コメント

研修/コンサルティング実績:

  • 観光庁インバウンド研修認定講師として登壇 (香川県善通寺市役所、愛媛県西予市宿泊施設、他)

  • 四国運輸局事業 (訪日外国人観光客向けレンタカー利用調査、アドベンチャーツーリズム他) コンサルタント

  • 香川県主催 瀬戸内国際芸術祭オフィシャルツアー公式ガイド

  • 香川せとうち地域通訳案内士インバウンド研修講師認定試験 面接官

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