人間関係リセット症候群 | エッセイ
ピロン…
ピロン…
スマホが告げるメッセージ受信のお知らせ
アイコンに添えられている未読通知数の数がまた一つ増える
どうせ開いたところで
全部、フォローしているお店やサービスからの通知だろう
せいぜい、会社関連の通知が含まれる程度
LINEグループなんてものに所属もしてないし
家族LINEグループすらない
友達とのLINEグループ?
過去にあった様な気がするけどもう稼働してない
溜まりに溜まってきた未読通知数
その現実にウンザリする
はぁ……
ため息をついたところで
通知が減るわけでもない
試しにアプリを開いてみても
やっぱり通知が来ていたのは
企業関連アカウントからだけ
稀に連絡をする事がある数少ない友人は
数多くの企業アカウントの下に埋もれている
余程のことがないか限り
連絡を取る事もないから当然と言えば当然
いっそ、もうSNSやめてしまおうか
リセットボタンに手をかける
誰からも来る事のないSNSに意味を見出せない
でも リセットしてしまったら
もう戻れない
偶に連絡をくれる人のことを思うと
リセットボタンは押せなかった
偶に連絡をとりたくなる自分のことも思うと
リセットボタンは押せなかった
ピロン…ピロン…
未読通知数のカウントが増える
私の心の中のリセットを押したくなる気持ちが
カウントダウンを始める
明日には私の心のカウントが終わってしまうだろうか
増える未読通知数
これをリセットしなければ
私の心のリセットカウントは減っていく
リセットボタンに手をかける
でもボタンを押す勇気はまだない
ボタンを押したい気持ちと
ボタンを押させる現実がせめぎ合う
それを嘲笑うかの様に増える未読通知数
リセット症候群は暫く治りそうも無い