『純喫茶パオーン』
大好きな椰月美智子さんの作品
装丁からしてほんわか優しい雰囲気が出てて、書店で見つけて即決で買ったのに、まだ読んでいなかったのです。読むタイミングを探してました。そのタイミングが絶対にやってくると信じてたので。それが昨日の朝にやってきました。午前中に家事を済ませ午後から集中読書。
最初から面白くてのめり込んで読み終えました。椰月美智子さんが書く10代の男の子のお話は本当に良いです。そして必ず素敵な大人がそばに居ます。その大人たちにいつも憧れる。自分もそうでありたいと強く思わせてくれます。男の子の狭い世界の中で起きる出来事と、10代ならではの視点と感性は独特のもので、遠い昔の自分を振り返る。大人からみたらそんなもんでしょ、なんてことも真剣で一生懸命なのです。
そこに関わる大人によって若者のちょっと先の未来は変わってくるのではないかと思います。大人が若者に絶望を与えるのは簡単だと思う。でも光を与えるのは難しい。年を重ねることを嫌なこと怖いことだと思わせない大人が必ず出てくるのが素晴らしいのです。
小学生から始まってぐんぐんと成長し、大人になってゆく。そして変わらないままの、あたたかい大人たち。ほっこりする一冊でした。
またすぐに読みたくなると思います。