嚥下反射惹起の仕組み
初めまして!
言語聴覚士の小笠原といいます。
私の記事では、若手のSTさん向けに
「そういえば、これってどういう意味?」
「わかっているようで意外と理解していないかも?」
と、当たり前にぶち当たるような悩みや問題を解決できるような
内容をお届けできればと思っております。
さて、「嚥下反射惹起遅延」
この用語は、摂食嚥下障害の患者さんを臨床で見ているSTの方には
お馴染みの用語かと思います。
私もつい最近担当した患者さんで、嚥下反射惹起遅延が顕著な方を見ました。
その時にふと思ったのです。
「嚥下反射惹起遅延」と、どの摂食嚥下障害の患者さんの時も使っている気がする…と。
脳梗塞により摂食嚥下障害を呈した患者さんだけでなく、廃用症候群の方、そして健常な高齢者の方でも起こりうる症状なのではないでしょうか?
しかし、その機序について詳しく説明しろと言われても、教科書にも
サラッとしか載っていないし、よくわからないな…とお恥ずかしい限りですが感じました。
この記事では、嚥下反射が惹起される仕組みについて
文献を参考にまとめてみました!
是非皆様の臨床に少しでもお役に立てれば幸いです(^▽^)
嚥下反射惹起に際して使われる機能
嚥下反射惹起の流れをざっくりと言うと、
食物や水分が咽頭に達した時に、咽頭でその刺激を感知することにより、
嚥下反射が惹起されます。
では、もう少し詳しく流れを復習してみましょう。
①咽頭での感知
三叉神経、舌咽神経、迷走神経の末梢神経端末で刺激が入力されます。
その情報を延髄の嚥下中枢へ伝えます。(求心性の神経回路)
②延髄の嚥下中枢(Central Pattern Generator:CPG)
で、三叉神経、舌咽神経、迷走神経、舌下神経核を経由して、反射的に筋収縮のタイミングなど順序の決まった発火パターンを送り出します。
ちなみにこの嚥下中枢は、
大脳皮質:一次体性感覚野、島皮質、前帯状回(→感覚領域)
一次体性運動野、補足運動野、帯状回運動野(→運動領域)
大脳基底核
などの制御を受けていることが分かっています。
③脊髄前角から嚥下筋群へ
嚥下中枢からの指令が伝わり、嚥下反射が惹起されます。(遠心性の神経回路)
①咽頭での感知に着眼!
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