【AI】情報収集だけでは価値がない
AIについての情報洪水
いつの日からか、私たちの周りは情報洪水が当たり前になってしまった。もはや洪水状態が当たり前になっている。洪水とは文字通り、一定以上の量で溢れている状態。情報は溢れてしまっている。インターネットが普及し、スマホが生活必需品になって、我々は24時間、いつどこにいても情報に接することが可能になった。つまり、言い方を変えると情報に追われているし、情報は既に飽和している。ゴミクズのような情報も含めての洪水だから。
そんな中で、メタバースに続いて、AI(特にchatGPT)が世間のバズワードとして届き始めて数ヶ月。仕事柄、数年前からAIの進化については見聞きしていたが、今回のchatGPTのブレイクによって、情報が一気に増えて、一般的には整理する間もなく、洪水に巻き込まれた状態だ。
「AIについてどのぐらい知ってる?」と聞かれて、「chatGPTとかですよね?便利だけど精度がまだイマイチかと思います」というもっともらしい回答をしている人がいたら、その人の言うことは今後も真に受けない方が良さそうだ。情報洪水で一番多く見かける「可もなく不可もないことしか言えない人」だからだ。メタバースも同様で、ネット記事のサマリーを読んでるだけの人は「この人はヤフーニュースのタイトルを知らせてくれる人」程度の認識でいるのが安全だ。
もしあなたが、(とりあえずネタとして可もなく不可もない会話をするのが目的ではなく)AIについてしっかりと自分にとって有益な活用をしたいと考えているのならば、大事なことは3点。
とにかく使いまくっている人の話を聞こう
成功例と失敗例を持っている人の話を聞こう
で、あなたもとにかく使おう
大事なのは、上記以外の人の話を鵜呑みにしないことだ。「こうこう、こうなんだよね~」という言い方は、サクッと突っ込んでみるのも楽しいかもしれないが、それ以降の手間を考えたら「そうなんですね~ありがとうございま~す」で聞き流す程度が対処としては最適だ。
先日のchat-GPTセミナーにて
私はエンジニアではないので、技術的なことに関しては上述してきたようなサマリー的なネタ程度しか持ち合わせていない。APIを使ってサービス化しているわけでもないし、プロンプトを何千も持っているわけでもない。私はマーケティング領域で生活するもの(あえて誤解を招く「マーケター」という言い方は避ける)として、一般的に人々が活用して、仕事や生活に役立つ目線でしか興味がない。それが叶う環境にたまたまいるので、自ら実践してアウトプットを持ち合わせているに過ぎない。
そんな背景もあって先日、とあるビジネスセミナーでchatGPTに関する講演を依頼された。そこでの大失敗を反省材料として共有したくて、このnoteを書いている事情もある。私は「参加者の役に立つ」ことにしか興味が無いので、名前を聞いたことがある程度の方々に、「今すぐ役立つプロンプト」を提供して、参加者が劇的にその日から業務を効率化して、生活を豊かにするとは思えない。なぜなら、私が講演をした場所はオンラインでも丸の内でも恵比寿でもなく、福岡だからだ。数年前から移住をしていて、肌感覚でビジネス感度は3~5年の遅れがある。単なる情報洪水患者でしかない可能性が高い。そこに「これがスゴいよ」と情報だけ投げても、その場で名刺交換をして「これはすごいね~」と感じて、会場を出たら終わってしまうものだ。これでは参加者の方々にとって何のメリットもないのと同じだ。プロンプトの例など、ネットで検索すればいくらでも出てくる。そんなことを提供する講演など何の価値もないと考えているので、私は、危機感を煽ることを主題としたかった。が、主催者からはベタな活用事例を示すことをメインとしてほしいと依頼があり、私的には失敗に終わった。。
最新情報の落とし穴
繰り返しになるが、最新情報はネット上でいくらでも落ちている。しかし、情報洪水だ。いくらでも落ちている中からあなたにとって最適なものを探し出す、つまり必要なものだけをチョイスしてくれる、それが私が講演したようなビジネスセミナーのほとんどの例だ。つまり、中身は薄々。超薄いことが多い。SNSの広告を見ていると、今はAI活用セミナーの類がめちゃくちゃたくさん出てくる。一つでもクリックして詳細ページを見ると、つぎから次へと似たようなセミナー開催が届く。これらの大半は、ネット上で探せるような最新情報のサマリーを伝えてくれるだけのことが多い。
なぜなら、AIは今この瞬間も技術的な進化が続いているからだ。ゴールに到達していないので、常に進化し続けている。なので、興味があると思った人は、まずは自分で触れてみて、触り倒して、アップデートし続けることが最適だ。そのためには、chatGPTを始めとするAIのテクノロジーが、我々の今後の生活において大きく貢献すること、触れずにいると大きな損失となること、これを本気で覚悟した上で「自分で触れてみて、触り倒し」が重要なのだ。最新情報は聞くだけでいいけれど、AIについては、そういう訳にはいかない。
急がなくてもいいけれど…
誰もが今すぐに「自分で触れてみて、触り倒し」をする必要があるのかというとそういうことでもない。なぜなら、過去の例からも分かる通り、今は「そんなの無くても死にはしない」段階だからだ。
人力車や馬車が日常の移動手段だった時代、お金がなければ徒歩で何十日も移動をした時代、海の向こうで自動車が誕生した。今、東京から広島へ移動する際に徒歩を選択肢に入れる人はいない。自動車の上を行く、様々な移動手段が既に存在している。これが技術による世の中の変化。
スマホが誕生した時も全く同様。持ってる人は「見栄を張ってカッコつけてるだけ」と影で言われていたのがホンの10数年前。今ではスマホがないと生活も困難になりつつある。これが技術による世の中の変化。AIはこれと同様だ。私が今、キーボードをカチカチと打って入力しているこの作業も、近いうちにAIが代替する。スマホに向かって口頭でゴニョゴニョと呪文のように指示を出すと、AIが文章構成を考え、文章案を提案し、私が判断・チョイスすると記事が完成することになる。世の中の「作業」と言われることの全てが遠くない未来にAIが代替する。我々がやるのはAI作業の後の判断、そして後の責任を取ること。あなたの今の日常の「作業」にあたる時間を取り除くと、多くの別のことができるようになる。これが技術による世の中の変化。
より豊かな生活のために
私は子供の頃から変わり者と呼ばれるジャンルの人なので、最新テクノロジーは誰よりも早く使い、慣れ、良かったことも悪かったことも周りにシェアすることが好きだ。スマホも、リモートワークも、DXも、地方移住も、メタバースも。これは私の単なる嗜好なので、良いとも悪いとも思わず、人の勧めるでもなく、「私はこうしたよ」というだけのこと。
AIは今後、上述のように間違いなく世の中を変えていく。その結果、私たちの生活は大きく変わり始める。変わってから追いかけるか、少し早めに準備を始めた方がいいか、とにかく早めにトライアンドエラーをしておくべきだ。それは人によって様々だ。でも、変わることはもう間違いない。すると、これを煽って、情報商材的なセミナーが山のように出てきてしまうのも現代の常だ。なので、ネットでいくらでも出ているような情報収集をするよりも、自分で試して、慣れて、使い倒していく、これが私からはオススメのAI活用法だ。変化の過程なので、何もかもがドンドン変化するのだから。
最後におまけ
今回はAIの活かし方を、AI開発を行なう会社に所属している私なりに解釈してみた。最後まで読んでいただいた奇特な方におまけ。
上記のように、私が持っている情報は特定企業の資産でもあるので機密の問題もあり当然公開はできない。ただ、最新の市場動向や今後の予測は立てやすい立場にあるので、「こういう接し方がいいんじゃない?」というような緩いアドバイスがし易い環境にある。
6月3日にも福岡市でメタバースのセミナーを開催するので、福岡の方がいたらぜひお越しください。無料なので。