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4月27日 リーディングスタイルあべの note店

家にこもりがちな生活が続いて、気づけばテレビやネットのニュースを漫然と追う時間が増えたように思います。すこしでも前向きな話題を見つけたいという無意識下の欲求なのかもしれません。結局は洪水のような「誰かの意見」に流されそうになったり抗いたくなったりして疲れることも多いのですが、同時に、自分の中で今まで先送りにしてきたことや、誰かが何とかしてくれると見ぬふりをしてきた事柄について考えるきっかけも増えたような気がします。さてさて、そんな時こそ本の出番ですよね。

最近はやはり、病や命や体というキーワードに気持ちが向くことが多いです。今日はいのちや体について考えるきっかけとなるような本をいくつかご紹介いたします。

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昨年の9月に出た本ですが当初、この本を誤解していました。かわいらしい表紙とポップなフォントに惑わされ、病をテーマにしたほのぼの系エッセイでしょと見くびってたのですが、読後はそんな自分を恥じるばかり。これは哲学者と人類学者が生きること/考え続けること/他者との関係性を問うこと等々について本気の言葉を投げ合う、全力投球のキャッチボールでした。病については、あくまできっかけに過ぎなかった。二人の学者としての知見も、言葉を発することで生じる責任をすべて引き受けるのだという覚悟も、すべて込められたその剛球から生じる衝撃波にただ圧倒されます。
魂のやり取りともいうべき交流の果てに読者が目にする景色がいかなるものか、ぜひ確かめてださい。


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病を得ることで生き方ががらりと変わった著者の記録。時に突き放したようにすら思える、自分の肉体に対する客観性の保ちかたは、もしもの時に参考にしたいと思うので常に手元に置いておきたい一冊です。

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ホスピスで過ごす人々が選ぶ食事と、そこに紐付いた思い出の数々。
食という行為にあまり執着はない自分でも、なにかの拍子にふと思い出す味というのはやっぱり有って。人が生きるうえでの様々な営為、その中でも「食」というのは自覚している過去の記憶と深く結びついているようです。
思い出せる味があるということは幸せなことだとも思います。


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いのちとはつまるところ、いったい誰のものなのか。病や命をめぐる議論の中で、タブー視されることの多い安楽死について真正面から挑んだ渾身のルポ。こういう作品に出合うたび、世の中には(当然ですが)知らないことのほう多いという事実、自分の物差しで世の中の全てを測ろうとする驕り、ノンフィクションというジャンルの書籍が存在する意義について認識を新たにさせられます。

マルノウチ店のスタッフによるレビューはこちらから。


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AIDS患者たちに接するホームヘルパーの物語を収めた短編集。装飾を極力排したシンプルな文章が、心の底からじわり湧き出るような悲しさを呼び起こします。だが決して泣けるだけの物語ではありません。先に確実な別れが待つ短い交流のなかで彼らが互いに贈りあう「かけがえのないもの」、その尊さが強く強く胸を打ちます。


未完ですが、こちら ヴァージニア・ウルフ「病気になるということ」新訳も気になります 発売するころには店が開いてますように。


リーディングスタイルあべのは、近鉄の阿倍野橋駅からすぐHoop6階にございます。営業再開後のご来店お待ちしております

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