”問い”について考える3冊
昨日の記事でご紹介した「知的創造の条件」でも重要なポイントとして挙げられていた、”問い”について参考になりそうな本を3冊ご紹介。
仕事柄、ワークショップを企画したり、運営したりすることもあり、知人からの薦めで手に取ってみた。
ワークショップなどでは、”問い”の深さ、広さを段階に応じてどのように設計していくかによって、参加者同士の話の流れ方が大きく変わってくる。
全国各地でワークショップを数多くこなされてきた著者ならではのノウハウが詰まった本。豊富な事例と共に、ワークショップの各段階で具体的にどのような問いを立てていけばいいのかという例示もされていて、イメージしやすい。
本書の中で紹介されている手法の一つに「クエッション・バースト」というものがある。4分間の中でひたすら問いを立てまくるというものがある。
実際にやってみると結構楽しい。例えば「私はいい父親か」みたいな問いから、それに関連しそうな問いを立てていき、深めていくというものだ。
トヨタの5回”何故”を繰り返す、というものに近いかもしれない。
世界中の思想家や実業家、約200人あまりをインタビューした著者だからこそ、ビジネスをする上で、また生きていく上で適切な”問い”を立てることがいかに重要であり、大きな影響があるという主張には強い説得力がある。
こちらは英文だが、比較的分かり易い英語で書かれている。
構成としては、「意思決定」、「創造力の発揮」、「他者との関わり」、「リーダーシップ」という4つの側面で、どのような”問い”を立てることが有効なのか、具体的な事例とともに分析と紹介がされている。
例えば「リーダーシップ」の項目では、リーダーとして、あるいは上司として、チームメンバーのモチベーションを高め、良い方向に導いていくためには、どういった問いを投げかけていけばいいのか、といったことの考察がされており、コーチングや部下育成、メンタリング等の場面で役に立つ示唆が得られると思う。