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決算資料を読むことによる当事者意識の変化と組織という透明な箱の話

先週、当社の本決算の発表でした。

2022年12月期 決算説明会資料

本決算の中で、DXついても触れられており、改めて気持ちを引き締しめて、一丸となりがんばります。

話は少し変わりまして、タイトルにあります

決算資料を読むことと当事者意識について

小林製薬に入社して初めての決算発表でしたが、私自身が社会人として初めて決算資料というのもを意識し始めた頃のことをふと思い出しまして、せっかくなのでnote書いてみました。

あくまで原体験ですので、何かのメソッドとかではなく、何かの参考になる方がいらしたら嬉しいな、と思ってます。

私は20代の頃は営業のプレイヤーとしてお客様に提案したり、受注をすることを目標に仕事していました。当時の上司からお客様に訪問する前に決算資料やニュースリリースを見たり、お客様のサービスを利用してからお客様と話すように指導してもらっていたので、お客様の決算が発表されたら見ることを習慣にしていました。

初めてマネジメント職(グループマネージャー)に就いた時、当時は目先の成果やグループとしての存在意義を出すこと、自身としてのマネジメント能力の向上に日々奮闘していましたが、当時の上司(子会社の社長)から自社の決算発表があるとそれを少し咀嚼して管轄のメンバーへ共有をしてくれました。次第に私自身もグループや部門に対してやるようになりました。

最初は自社の決算説明会の資料を読んでも自分ごとのように捉えられなかったり、自分がやっている仕事の範囲とだいぶ距離がある感覚がありました。

ただ、決算発表がされる度に読むようにして、以下のように考察するような意識するようにしていました。

  • なぜ今回はこの数字になっているか?

  • 決算を見て自分の所属部門の貢献度はどこにあるか?

  • 自分の業務範囲やマネジメントしているグループという枠組みだけではなく、自身の所属事業部は会社に対してどれくらいの貢献度があるのか?(一つか二つ上の視点で)

  • 全体の業績の伸びの推移に対して、自分の管轄領域はそれを超える推移での結果を出せているか?

  • 会社の今後の戦略に対して、自分や自分のグループは、今後どのような活動をすると良いのか?

  • 自分が社長や自分の上司だったら自分のグループをどう運営するか?

  • 投資家さんやメディアさんからはどんな質問が来て、どう回答しているのか?

私は営業時代は出来損ないで、マネージャー時代もたいして大きな成果を出すような人間ではありませんでしたが、決算資料を自分なりに上記のような観点で考察して毎回読んだり、上司と話したりを繰り返していると、上司や子会社社長、本体の役員と話が少しづつ噛み合うようになってきたように感じましたし、成果も比較的コンスタントに出るようになりました。

営業であると数字貢献はわかりやすいですが、私は営業部門以外のコンサルティンググループやシステム開発なども見ていたので、一般的には営業などの数字責任がある部門と比べると定量的に経営とアラインするのは少し難しいこともありますが、普段から決算資料を読んでいることにより、どんな職域や職責でも経営との目線合わせがしやすい状態を作れると思ってます

真面目に日々与えられた仕事をすることも大事ですが、このように視界や視座が変わってくると、主体的に経営とピントを合わせる事が可能になり、自ら何をすべきか、それが上司や会社が求めているものの目線とあった提言や行動経営方針にあった言動になっていきます。

実際の言動に関しては、例えば、「所属グループ」や「所属部門」という会社運営をしやすくするための「組織という名の透明な箱」は壁もフェンスも何もないので、その透明な箱の枠組みに囚われず、所属グループやひいては会社という枠組みを超えた言動になってくると思います。ちなみに自社の決算発表だけではなく、他部署や他グループの方針発表なんかも自ら情報を取りに行くなど自然と行動も変わってきます。更には同業界や他業界の決算発表も気になってきて、市場動向も意識し始めます。

経営と主体的にピントが合わせれるようになってくると、自グループや時部門の山ほどある施策ややらなければいけないことの優先順位や時間軸もより鮮明になってきます。

自分の会社は縦割りだというのをいろんな会社から聞きます。実は無意識のうちに自分が縦割りを作っている一員というのを気付いてなかったりします。何故なら、他部門の動きや経営の動きを自ら取りに行っておらず、グループ、部門などの透明な箱の中で自分が動いてしまっているだけですので。

マネージャーであれば、基本的に日々の仕事やメンバーと向き合うことが仕事ではありますし、メンバーだと自分の担当領域の仕事をしっかりやるこのが仕事ですが、一歩二歩上の視点や横の組織に関わりを持つことも大事かと。

メンバーであれば、"自分は管理職ではないから"など、勝手な境界線を引いてしまうのも勿体ないです。

ちなみに、私は社長でもなければ財務担当役員でもなければ、営業担当役員でもないですが、決算資料を見て、社長だったらどう考えるか、財務担当役員だったら、営業担当役員や他役員だったら、と、上・斜め上・横関係なく、それぞれの立場にも置き換えて決算資料を見たり、思考すると、自分としての行動にも変化が出てきます。

当事者意識を持ったメンバーやマネージャーというのは他のメンバーやマネージャーよりも視界や視座が異なり、成果の出し方、経営陣や幹部との会話の質が異なります。

よく、現場から経営の方向性がわからないとか、透明性が無いとか聞くことがいろんな会社でありますが、先述しましたが、自ら決算資料を読んで、上司や幹部にわからないことを聞いたら良いと思います。最初は質問すら出ないかもしれませんが、その繰り返しで、自ら会社の方向性を掴めるようになり、経営透明性が無いなどという、やや受け身な発言もなくなってくると思ってます。

また、マネージャーや部長クラスで自社の決算を自分なりに咀嚼してメンバーに説明していない場合は、決算資料を読んで、自分ならどうやって部下に共有するか、最初は難しいかもしれませんが、繰り返していくうちに所属グループや部門が経営の方向性と更にピントがあってきますし、組織貢献度が高まりまると思います。事細かに全て理解したり、説明するのは難しいかもしれませんが、少なくとも関わりがありそうなところや、興味のあるところで、理解しきれなかったり不明点は上司や役員に聞いてみると理解が深まります。リーダー全員が経営の方針を説明したり経営の透明性を心掛けることが可能です。

幹部や役員に質問するのが緊張するかもしれませんが、それも一つの大事な成長プロセスだと思います。

メンバーであっても中間管理職であっても、自ら当事者意識は醸成でき、継続していけば経営者の視点が少しづつわかってきます。

それを地道に繰り返して、日々の仕事に活かしていくことで自身が所属企業における働く意義や価値を自ら醸成することも可能になります。

経営者を目指す人であれば、(これだけではありませんが)決算資料を読んで、わからない事は幹部や役員に聞いて、それを所属グループや部門に自分なりの言葉で決算発表のあとに共有することを繰り返していくことは経営者となるトレーニングの一つになると思います。

非上場企業であればまた話は違うかもしれませんし、金融業界の人は仕事上当たり前のように見ていらっしゃいますし、そもそも当たり前のように自社の決算発表のくらい見とるわい、という人もたくさんいると思います。

ただ、色々な会社の方と話をしていると、案外自社の決算発表の資料を見ていない人も多いようなので、一つのご参考として。

そういえば、10年前くらいにアメブロでブログを書いていたころ同じようなことを書いていました。

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