映画『いぬやしき』感想
予告編
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毎日投稿を続けてぼちぼち一年……。
残りの映画感想文を全部、毎日投稿していこうってなると、あと二年くらいかかりそうなので笑。毎日投稿が「365日」に届いたら、毎日投稿すんのはやめようかなーと。
なので「365日」までの残りの間は、無作為に映画感想文を投稿していきますー。
よければどうぞー。
フラストレーションとストレス
主演のキャストを見れば納得ですが、この映画の予告編やTVスポットはありとあらゆるところで流れていました。僕のように原作を知らない人でも、そのブッ飛んだ映像に惹かれて劇場に足を運びたくなる。それぐらいの魅力が、予告編からだけでも伝わってくるのです。
それを期待していればいるほど、犬屋敷という主人公(木梨憲武)に、そしてこの物語自体に、不満や不快感が募ることでしょう。陽当たりの悪い家、自身に冷たい家族、会社でも冴えない存在で、その表情からも明るさなんて微塵も窺い知れず、陰鬱な空気が常に漂う……。
ようやく大きな転換点を迎えても、待ち望む瞬間はまだまだ訪れない。人によってはしんどいかもしれませんが、このフラストレーションは後々のブッ飛んだ映像をより楽しむための布石なのだと思ってしまえば良い気がします。
(上映時間のことも考慮してなんでしょうけど、)「現実にこんな力があったら」という描写がちょっと少なかったり、マスコミなどのメディアや警察などの国家機関の対応が大仰というかあまりにも嫌な奴らに描かれ過ぎな感じもしましたけど、それもまた同様に、観客の心にフラストレーションを募らせる手法の一つだったんじゃないかな?
だからこそ、ようやく訪れた “新感覚トリップ” に興奮できる。ジジイvs高校生の超アクションシーンは上下左右にカメラが目まぐるしく暴れ回り、瞬きする暇もない。そういうタイプの映画では「激し過ぎて何が起きているのかわからない」ということがたまにありますけど、本作は、新宿でのパニックシーンも同時に描きながらも、観客までが混乱するような落ち度は些かも無いように思えました。『アイアムアヒーロー』の時も思いましたけど、佐藤監督のパニックシーンって面白いです。
そんなこんなでエンドクレジットを迎えた瞬間、なんかヒロ(佐藤健)側の物語が丸投げになって消化不良のまま終わっちゃったなぁ、とか思ってしまいましたけど、最期の最後にちゃんと回収してくれる。短いシーンだし明瞭な終わり方じゃないから、完全に回収してくれているかどうかは、人それぞれになっちゃうかもしれませんが、ささやかながらも救いのようなシーンに見えるから嬉しい。……原作を読んでればもっとちゃんんと理解できたのかな?
ちょっとだけ個人的なことを言うと、ネット上のコメントとかが、いわゆる「2ちゃん」系をイメージするようなシーンばかりでしたが、ツイッターとかSNSを想像させてくれる方が好きだったなぁ、なんて。
あと、佐藤健さんの高校生役もそろそろ限界な気が……笑。