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映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』感想
予告編
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過去の感想文を投稿する記事【67】
不朽の名作小説として名高い『星の王子さま』。
本日6月29日は、『星の王子さま』の原作者であるサン・テグジュペリの誕生日。
あと、「星の王子さまの日」という記念日でもあるんだとか。
というわけで本日投稿するのは、『リトルプリンス 星の王子さまと私』という映画の感想文です。
もう何年前に観たかも覚えてないくらい前(多分、学生の頃かな?)の感想文ですが、よければ読んでくださいー。
……なんか本文中で「観てからのお楽しみ~」みたいなこと述べちゃってますけど、僕自身、もうなんのこっちゃ覚えてない笑。これを機に観直してみようかしら。
原作を知っていた方が楽しめるかも
タイトルからお察しの通り、サン・テグジュペリの小説『星の王子さま』を核とした物語。最初に小説を読んだのはいつの頃だったか……。今思えば子供にはピンと来ないような比喩というか表現がいくつもありましたが、それでもとても面白かった記憶があります。そんな小説の内容を映像化した作品なのかな、と思っていましたが、実際は “『星の王子さま』のその後” みたいな感じの話でした。その発想も面白いのですが、原作の小説作品としての魅力を伝えつつ、それ自体をメタフィクション的に用いているのが面白かったと思います。そうすることで、原作を知っている人も知らない人も楽しめるようになっていた印象です。
まぁ僕自身は根強い原作ファンではないですが、CGアニメ作品であるこの映画の中で時折出てくるストップモーションのクレイアニメが、原作を知っている人からするととても嬉しい。まるで原作の挿絵に描かれている温かみのある絵がそのまま動き出したようなアニメーション。
それに、物語の良さを伝えようとするおじいさんの気持ちだとか、子供ながらに『星の王子さま』の中にある、なんていうか納得できないような部分にモヤモヤしてしまう主人公の気持ちだとかを理解出来てしまうのも、また良い。
そんな物語が終盤、また一つ驚きを与えてくれます。それは観てからのお楽しみ、ってことにしようかと思うのですが、ここからの表現がまたさらに面白かったです。今まで『星の王子さま』をメタ的に描いていた物語を、さらにもう一つメタ的に描いているかのような展開……。
マーク・オズボーン監督のインタビュー記事(ネットに載っています)に書いてあったのですが、監督は日本の作品でも特にジブリアニメに影響を受けていたらしく、先述の急な展開も、どことなくですが『となりのトトロ』での展開を彷彿とさせられました。
終盤に近付けば近付く程〈大人〉というものが随分と単純な悪として描かれ過ぎているようにも見えましたが、こういう意図があったのかな、と思えば多少納得です。
津川雅彦さんが日本語版の声優をやっているだとか、ユーミンが日本語版のテーマ曲を歌っているという理由だけで観ましたが、観て驚き、実はとても斬新な作品なのかもしれません。
最期の最後に気付きましたが、キャラクターたちに名前が無いというのも、原作小説のまんまって感じで良かったと思います。寓話っぽいと言いますか、名前が無い方が自分のことに当て嵌めやすいのかもしれません。