映画『ダンボ(2019)』感想
予告編
↓
先日、初期のミッキーマウス(蒸気船ウィリー)がパブリックドメインになったそうですけど、本作のダンボも半世紀以上前に生まれたキャラクター。
とはいえ、本日投稿するのはリメイク版の映画『ダンボ』の感想文です。
公開当時(5年くらい前)の感想文ですが、よければどうぞー
ダンボの可愛さたるや♡
ダンボのCGの担当は誰だろう……? 調べても細かくは名前が出てこなかったのでわかりませんが、まぁ多分一人だけではないはず。そしてもっと言えば、きっとその人たちは物凄い苦労や葛藤があったにような気がしてなりません。『プーと大人になった僕』(感想文リンク)や『ジャングル・ブック』、あとはまだ予告編しか見れていないけど『ライオン・キング』(感想文リンク)とか……、CG技術の向上に裏打ちされたかのような近年の実写化ブームからすれば、ダンボの実写化は有り得ない話ではなかったもの。
でも、“リアルなゾウとディズニーアニメのダンボのどちらに寄せるべきか” という問題もあったと思うんです。それはビジュアル的にも、動き的にも。そう考えると本作は、動くダンボが実写と見事な融合を果たし、同じ画面の中で共存しているだけでマンキンの拍手を送りたくなります。
そもそも原作のアニメだって、あれ、何十年前でしょうか? ディズニー作品の根本を詰め込んだような小難しさゼロの漫画映画らしさというか、昔のアニメーション特有の動きだからこそ違和感なく楽しめた “ゾウが空を飛ぶ” という異常事態を実写化するとなれば、アニメ版のようにエンジン音を入れるなど冗談めいた演出はできない。
なんかネットには「モーションキャプチャで撮影してどーのこーの……」と書いてありましたが、いまいちピンと来ない。どんな試行錯誤があったのかとても気にな ります。これはDVD、Blu-Rayの特典映像なりに期待するしかなさそうです笑。
原作の物語をベースに設定を少し変えつつ、原作のその後の物語を描いた本作。勇気や友情、家族愛、そして皆が特別というか、人それぞれの個性を肯定してくれる明るさを持ったアニメ版のシンプルさを崩すことなく、その上で勧善懲悪的要素やアドベンチャー感が加わ っていてより面白い。
ドラマ部分も、登場人物の主軸の一部を人間に置き換えることで感情移入し易くなるし、そのせいかダンボ親子と主人公親子の境遇の重なりを見ることで、ダンボとジャンボへの想いがより強くなっていくような気がします。
そういえば僕は、アニメ版に出てくるネズミのティモシーというキャラが個人的に好きでして、動物が喋らない本作にはそれに代わる人間版のキャラクターは存在しないものの、赤い衣装を身にまとった白ネズミが登場します。特に物語に影響を与えたりはしないんですけど、小さいながらもアニメ版のオマージュというか色味を残してくれるのは嬉しい。「あれ、コイツもしかしてティモシーかも……いや絶対そうだわ♡」という喜びもあるしね。
あとはやっぱり、ティム・バートン様様です。初っ端からなんとなく暗いというか笑。でもダンボの可愛さがそれを癒してくれるから、ティム・バートン色が苦手な人にも是非お勧めしたい内容でした。