映画『マダム・ウェブ』感想
予告編
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最近サボってたけど久しぶりにまとめて映画感想文投稿しようかと①
未来
なんか……公開前にも関わらず前評判があまりよろしくなかった本作w。どうやら本国での評価が芳しくなかったんだとか。しかし「アメコミ映画の最新作なので、観ないワケにもいかない!」。そんなボンヤリした義務感に後押しされはしたものの、特別、アメコミに詳しいわけじゃありません。
どうやらスパイダーマン的なキャラクターみたいじゃないですか。今後のスパイダーマン系の映画と繋がってくるかもしれない。前評判の低さ故の懸念がどーのこーの、なんやかんや宣いてしまいましたが、結局はワクワクしながら観に行ってきました。
そして上映開始。本編に入る前、冒頭に流れる各配給会社の名前やロゴが映し出される映像の数々。コロムビアピクチャーズが100周年だかなんだかで、普段目にしていた映像と少し違っていたのですが、途中、急に少しおかしなことになる。
生死の境をさまようほどの事故に巻き込まれてしまった主人公・キャシー(ダコタ・ジョンソン)。その事故をきっかけに予知能力に目覚めた彼女のスーパーパワーをイメージさせるような工夫が施されていました。
こういった演出が分かりやすいのはスパイダーマン系の映画(というかアメコミ映画の多く?)では割とお馴染みの遊び心なんじゃないかと。むしろ予告編等々で「本格ミステリーサスペンス」なんて謳い文句が飾られていた本作を、いつも通りのアメコミ映画鑑賞のごとく「固くならずにライトに楽しんでね」と教えてもらったようにも感じました。
映像的なことで言えば、エゼキエル(タハール・ラヒム)が壁を這い回っている時なんかは如実でしたが、それ以外にもスーツを着ていないシーン等々、画角が縦横無尽に変化したり傾いたりするカットが度々見受けられていたのも面白いポイントだったと思います。まるで上も下もお構いなしのクモ人間らしさというか、超人的能力のメタファーにも見えてきます。
とはいえ、先述の懸念はやはりあちこちに笑。シリアスになりそうなところで度々出てくる説明的、或いは内声的とも呼べるセリフは、たしかに気になってしまいました。特に自宅の窓ガラスに鳩がぶつかるくだり。「死なずに済んだ」と口にするハッキリとした独り言などは、折角冒頭から工夫が盛り込まれ、「映像で楽しませてくれるんだ」と期待させられていたからこそ、ちょっぴり残念。
その他、物語の展開に関しても気になるところはありましたが、切りが無さそうなので割愛。
キャシーが目覚めた “予知” という能力は、ある種、未来を決定づけるもの。幸か不幸か目覚めてしまったその予知能力に振り回される彼女ですが、とても簡潔に言ってしまえば本作の物語は、キャシーが予知してしまった未来を彼女自身が現実に起こさせまいと奮闘するというあらすじ。
今思えば、序盤で描かれていた他愛のない会話の中で、いみじくも彼女が口にしていた「スケジュールを立てない」という発言、はたまた、同僚に勧められたフォーチュンクッキーを食べようとしなかったシーン等々。キャシーの言動の数々からは、彼女自身が「未来や行く末を決定付けられたくない」と主張しているかのようにも思えてきます。或いは、「未来は決まりきっていない、一つ一つの行動や選択で未来は大きく変わり得るのだ」という、本作のテーマを示していたかのよう。
本項の冒頭で「今後のスパイダーマン系の映画と繋がってくるかもしれない」だなんて述べてしまいましたが、実のところ、その展望についてはどうやら脈無し。
劇中、キャシーらを狙うエゼキエルがスパイダーマンを彷彿とさせるスーツを身に纏っていたものの、「クモ人間(スパイダー・パーソン)」と称されていた辺り、どうやらこの世界線にはスパイダーマンは存在しないのでしょうか。
……ベン・パーカーさんはいらっしゃいましたけど笑。というか、彼の義理の妹さんが妊娠しているってことだったんでね、スパイディについては後々の話なんでしょう。とはいえ、最期の最後まで、続編を匂わす描写は(見逃していなければ)ありませんでした。
現時点(2月25日時点)では続編の話も聞かないし、スパイダーマン不在故にクロスオーバーも無さそうな本作ですが、「未来は決まり切っていない」あるいは「行く末を決め付けない」というテーマが窺い知れる本作らしいかもしれません。「本国での評価が振るわなかったから~」なんて悲しい理由ではなく、そういう捉え方の方が本作を良い想い出として心にしまえる気がします笑。
親の勝手な都合で居場所を失った少女たち。キャシーも同様……と思いきや、終盤で明らかになった(これってネタバレなのかな? 一応ご注意ください→)のは、知る機会がなかっただけで実は母親に愛されていたという事実。そんな彼女が3人の少女たちを守ることになり、相対するヴィランは自身の勝手な都合で母親を殺害した男……。
原作こそ未読ですが、各キャラクターの生い立ちを含めた関係性や構図から浮かび上がる対比みたいなものを意識させられる物語でした。そしてクライマックスには、“繋がりの大切さ” を象徴するかのようなバトル展開。
能力の際限が不明瞭だったり、前評判が云々だったり、余計な先入観が邪魔をしてしまっていたせいもあるかもしれませんが、なんだかんだで楽しめるアメコミヒーロー映画だったんじゃないかな?。
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