超激短小説126「ninja」

壁の角を使って
裸足で壁を登り
落ちない様に両手両足を広げ
身体を天井に張り付かせ
1センチの扉の枠で待ち伏せる

家具の上や押し入れの
布団の間に身を潜め

部屋の扉には
開けるとビュンと飛んで行く
糸で吊るした四角い消しゴム

足音立てずに家を歩き
あらゆる所に身を隠し
ソッと大人の会話を聞く

手裏剣の代わりに
ダーツで遊び
泥団子の煙玉は
ボコッと割れて終わり

幼い僕は忍者

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