勤続30周年でパナソニックを去り、スタートアップ・ビザスクで働くことにしたド中年のポジティブなCommencement speech
転職1週間目が目まぐるしいスピードで終わりました。初心忘るべからずという意味も含めて、以下2023年9月29日金曜日、勤続30周年目(29年と半年)に退職することとした、パナソニックグループでの最後の挨拶内容を、自分自身へのCommencement speechとして残しておきます。
感謝
勤続30周年目にして、会社を退職することにした岸原です。ご指名により、ポジティブトークとして、自分自身へのCommencement speech もかねて、3点お話しさせていただきます。
1つめは「感謝」です。
就活当時、某ビールメーカーに内定したものの、漫然とした不安を感じ、リクルーター活動では一切コンタクトしていなかった当時の松下電器に、説明会からエントリーし直しました。今はグループ内事業会社で、同じく広報をしているI君と共に800分の3で内定を頂き、採用部長だった鍛治舎さんが創業者にしてもらったように、「握手しようか」と言われ握手して入社しました。
いわゆる体力採用組?として、「パチンコの景品として、業界専門卸法人に電池を売る」という社内では稀な仕事でキャリアを始めた私は、逆にそこで商売の基本を学ぶことができ、それをベースに以降15年間で国内外10数か国、様々な営業&マーケティングを経験することができました。
その後Eチャレンジ(社内公募型の職場異動)して、これまた鍛治舎さんにお世話になり、コーポレートコミュニケーション部門に異動。その後米国赴任する機会もいただき、3年間CESのリエゾンとしての表仕事と、日本には報告していない米国人との現地での裏仕事を、楽しんでしていました。
その後、本社経営企画部門に今度はEアピール(社員が希望職場への異動をリクエストする仕組み、社内リファラルといったところ)的に異動してからは、海外企画担当として当時社長特命だった現在の上司とともに、世界中のエグゼクティブとのミーティングを企画し、その場に同席する機会をいただきました。
かつてパナソニックマーケティング本部の牛丸さんが「パナソニックのおかげで僕はとても幸せな人生だった」とおっしゃっていましたが、私もその思いです。TOEIC450点で入社した体力採用の私に、世界を見る機会をくれた会社に感謝しております。
絶対悲観主義であれ
2つめは「絶対悲観主義であれ」ということです
僕は「ストーリーとしての競争戦略」の楠木健教授が大好きで、講座をお金を払ってよく受講していましたが、その楠木さんが唱えるのが、「絶対悲観主義」です。
ようは、「心配するな、きっとうまくいかないから」――。そのような前提のもとに生きていくべき、というものです。
こう構えると、失敗が気にならなくなり、何事にも気楽に向き合えます。たまにうまくいったときに、幸せな気持ちになれるのもメリットです。
これを逆に「あるべき未来からバックキャスティング」なんてやると、うまくいかないと、過剰に体と心が反応します。48歳くらいまで、結構私自身が「あるべき未来からバックキャスティング」し,希望したようにキャリア形成できていたため、全社体制変更に過剰に反応し、「会社の進む方向に適応しないと」と思いました。失敗を恐れました。それで一時期心病みました…。
でも失敗を恐れたらリーンスタートアップも、アジャイル開発も、オープンイノベーションも何もできません。それだったら、絶対悲観主義で、どうせうまくいかないからやるだけやってみるという方がいいと、今は思います。
「こけたら立ちなはれ、立ったら歩きなはれ」
3つめは、「こけたら立ちなはれ、立ったら歩きなはれ」です。
ご存じの通り創業者の言葉ですが、30年間「松下電器」にいた中で、この言葉が一番ピンときてます。無理に今風に英語にする必要はなく、新たに系統立てることなく、素直に創業者の言葉そのままに、自分がピンとくるものを見つければいいと思います
失敗したら、また取り組めばいい。そして前に進む。
営業でも新規事業でもデジマでも広報でも、成功「率」はおよそ一定なので、成功件数を増やすには挑戦する「件数」を増やすのが大事です。僕自身は、旧デジタルマーケティング推進室時代はそれがすごく出来たので、社内のひとは知らない小さい案件かもしれませんが、多数のQuick Hitsをチームで生み出すことができました。
ご参考:社内複業で社員の働き方を10倍アップデート。合言葉は「#10PER4D」at WORKSTORYAWARD2020
クロージング
ということで。
どうせそんなにうまくはいかないので、自分が好きそうな仕事をしている、平均年齢30.5歳の会社に最年長51歳で飛び込みます。失敗しても、死ぬわけではないのは誰よりも体験したので、大丈夫だと思います。
皆さんも、あまり難しく考えずに、自分の好きなことに挑戦する回数を増やせるよう、絶対悲観主義で「こけたら立ちなはれ、立ったら歩きなはれ」で行くことを、勤続30周年で退職するド中年からのメッセージとしてお伝えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
追記:複業(ノーギャラ → むしろ資金支援者)の地域総合スポーツクラブにおける「10万人の市民チーム」=アメリカンフットボール運営も、追加ご紹介します。