盛田諭史インタビュー by VB CONTENPORARY(アメリカ)
米国ワシントンDCを拠点とするVB CONTEMPORARYは、カルチャー・プラットフォームであり、現代的な3Dバーチャル・オンラインギャラリーを運営しています。
同団体のキュレーター、Vian Borchert氏による盛田諭史へのインタビューが、先日公開されました。インタビューは英語版で公開されておりますが、本記事では盛田自身の言葉による、日本語版を公開させていただきます。
Q1
どのようにしてアーティストの道を歩み始めましたか? あなたの子供時代は、あなたのクリエイティブなキャリアにどのような影響を与えましたか? また、あなたのアーティストとしての始まりや子ども時代は、あなたの作品にどのように「反映」されていますか?
息子と遊びで絵を描いていたことがキッカケです。元々、絵を描くことは好きだったのですが、その時は夢中になって描き続けていました。氣づけば、息子はほったらかしていました。笑
どんどん描いていたら、ある日、まだ知り合って間もない方に絵を見せることになりました。すると一枚の絵を見たときに、突如「あなたは絵を描く人です。私はこの絵を買います」と言われました。正直ビックリしましたが思いきって、長いキャリアの仕事を手放し、絵を描く人生を選び、新しい道へと歩み始めました。
幼少期は大自然の中で育ったので山や川、うつくしい空、さまざまな動植物とたくさん触れ合うことができました。
“何か“が見える。“何か“に見える。“何か“がいる。
そういった感性を大自然の中で育むことができたと思います。それが、私が絵を描く時に無意識に働いて、作品の中に“何か“を生み出すことが出来ている。そんな氣がします。
Q2
朝起きてから夜まで、どんな1日を過ごしていますか?あなたの創作プロセスとともに教えてください。 盛田諭史の一日はどのようなものですか? あなたの住んでいる地域のどこにインスピレーションを感じますか? また、あなたにとって「夏」とは? あなたは夏にどんなことをやるのが好きですか?
朝は娘に起こされることが多いです。大抵は、まだ眠たいのですが(笑)。無邪気でありのままで日々を目一杯生きている姿を見て、自分もそうあろうと思えます。このスタンスは、私の創造において、とても大切なことです。
ゆったりと海沿いの道をドライブしてアトリエに向かい、コーヒーを飲みながら大きな窓からの景色をしばらく眺めています。
無理に描こうとはせず、体が勝手に動き出すまでリラックスしています。始まってしまえば、氣づけば真夜中です。行方不明にでもなっている感覚です。
私の住むエリアは、日本でも夏のイメージがつよいエリアです。小高い山の上にあるアトリエから見える海と富士山、目の前に生い茂る緑、刻々と移りゆく空の色、鳥たちの鳴き声、あらゆるものが私にインスピレーションをもたらしてくれます。
私にとって夏は、大好きな季節です。子どもの頃の走り回っていた記憶が、いつもありありと思い出されます。どこか過去、現在、未来が交差しやすい、そんな印象です。好きなアクティビティは、海と清流でのんびりすること、そして花火です。
Q3
アーティストになってから、ここまでのキャリアで直面した最大の試練は何でしたか? また、個人的にでも仕事上でも、あなたの最高の功績は何でしたか? 好きなアーティストと、そのアートに魅了される理由を教えてください。
直面した最大の課題が出るほどのキャリアは、まだ経ていません。何せ、今年の4月からなので。あえて挙げるとすると、海外発送です。あとは専門用語もわからないので、ひとつずつが大変でした。
最高の成果は、先ほどの解答と矛盾しますが、たくさんの展示のお話を頂き、世界各地で絵を飾っていただいていることです。どれか一つと選ぶことは難しいのですが、始めたことで、こんなにも多くの機会を得ることが出来てとても嬉しいです。
好きなアーティストはレオナルド・ダ・ヴィンチと葛飾北斎です。
レオナルドは、絵だけではなく、ジャンルを飛び越えすべてにおいて、ケタ違いのクオリティで自らの道を切り拓いているところに魅力を感じます。
北斎は、狂気を感じるほどの絵に対しての気迫と遊び心、とにかく清々しいほど狂っている、そういったところに魅力を感じます。
“何か“を見ている。そういうミステリアスなところが共通して、惹かれる所以かと思います。
※本記事は、2024年6月28日に公開された記事を、加筆修正して再掲しております。
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