見出し画像

深掘り 映画マトリックスの世界

映画マトリックス4作目が12月公開されるそうです。友人と観に行く約束をしていたので、過去の三部作をnetflixで観ました。

1〜3の公開当初は子育て真っ只中で余裕がなく、今回初めてストーリーを追ってきちんと観たのですが、複雑過ぎて5回は観ないと理解できないと言われているこの映画、コンピューターにも疎いわたしには、色んなYouTubeの解説動画を一生懸命見ていますが、全体を把握することはとても無理です。でも今わたしの中でヒットしている仮想現実が題材なので、公開までになんとか自分なりに理解しておこうと思います。

勿論、奇跡のコースの概念で見ると映画マトリックスはリアル(ザイオンの町)と言われる場面もバリバリの幻想の世界(分離の二元性)なのですが、そこは百歩譲っても仮想現実を理解するには良い材料です。また、キリスト教的な考えが根底にあると言うのもとても興味深い。聖書はまだ理解できていないのですが、コースの概念を持って観てもそれなりに面白いです。

わたしのブログでは映画マトリックスを正確に説明する事は出来ないと思うので、いくらか映画の知識を持っていらっしゃる方にしか伝わらないかもしれません。また、細かい部分では色々な解釈があるというのも事実なので、一番しっくりくる内容を選んで深掘りして行こうと思います。1〜3のネタバレがありますので、これから初めて観る方はこれ以降ご注意ください。


6回目のマトリックスの世界

マトリックスの世界は何度かバージョンアップ(再起動の繰り返し)をされているらしく6回目の世界のようです。バージョンアップの目的は、この地球上でAI(人工知能)による人類生存のための安全かつ効率化された最適な環境を作るという名目で、試行錯誤を繰り返しているのです。人類対AIの戦争がこの映画のメインテーマのようですが、心のないAIのすることなので、地球を征服してやろうとか、人類を奴隷にして優位に立ってやろうとか、そのような思考や感情はありません。ただ人類が快適に暮らせる世界を淡々と探しているだけなのです。失敗も恥と恐れず、永遠に飽きる事もなく黙々とこなします。それが人類からすると行き過ぎたというか、煩わしさが我慢の限界を超えAIを滅ぼそうと挑んで行ったのですが、もはや戦争で太刀打ちできるレベルではなかったため簡単にやられてしまい、人類はカプセルに入れられる羽目になります。(カプセルに入れられたタイミングはよく分からんけど)

最初のマトリックスの世界は天国のような楽園だったようですが、人間の堕落により崩壊して行ったと・・・これはコースの、神の国から分離を企てた人間の話と重なります。

まずは楽園を作るだなんて、AIも可愛いことをするじゃないと思いますよね。人類のために甲斐甲斐しいというか、馬鹿にされていると捉える人もいるでしょうけど(どちらかというとわたしはこの部類)ただ、例え完璧な楽園のような世界を作っても、神のみが創る人の脳が想像することも出来ない本物の天国をAIが再現することは不可能なため、どうしても不完全な楽園になります。例え二百歩譲って天国が出来たとしても、残念ですが自我のある人類が馴染めるとは思えません。眩しすぎて到底理解出来ないと思います。1度目の世界の失敗の理由が実際何だったのかは分かりませんが、人類の特性に合わなかったという限り、どちらにせよ自我による人類の不完全さが災いしたのは明らかでしょう。

少し余談になりますが、コース実践者にとって一番心に引っかかるのは、なぜそのような素晴らしい真実の神の国から私たちは分離しようと考えてしまったのか、これは実践者として誰しも一度は疑問に持つ要素です。そこは反省を込めて是非とも知りたいところなのですが、本当の理由は分かりません。イエスもキチンと答えをくれません。分離していると思っているのは幻想なのだから、所詮不可能な事に心を止めるなと言われてしまうのですよね・・・。答えがないというのが答えなのでしょうが、たとえ幻想でもこんな世界を何度も繰り返すのはまっぴらなので、どうしたら腑に落ちる答えを得られるのか・・・と言うのが正直な気持ちです。(神に成り代わるためという説もありますが、しっくりきません。・・・謎)


救世主とツインの世界

キアヌ演じるネオは6人目の救世主と言われる人物です。マトリックスの世界においてカリスマ性を持ち人類を誘導していく役割を担います。その世代のマトリックスのシステムが終了する時、何が問題だったかを調査するための重要な資料です。

それ以前の救世主は神のような全人類を愛する、博愛主義者を設定していたようですが、上手くいかなかったため(原因はそこではないような気がするけど)今回のネオは、トリニティという女性と恋に落ち、愛し合うという設定です。その1対1の愛の相互作用による成果をAIは資料として欲しかったようなのですね。

まあ、これも上記の楽園同様、キリストのような救世主を創造することは到底無理な話で、試行錯誤するのはいいのですがすべてが無謀です。でも懲りずに今回は全人類ではなく一人を愛する救世主という設定を行ったのですが、それも男女の愛なので性的な要素も入り込み、これは嫉妬や束縛と向き合わざるを得ず、コースで言う特別な関係のような長くは続かない愛情になります。劇中でフランス人の奥さんがズバリ言い切っています。(ネオの唇を奪っておきながら・・・怒)

自分の足りない部分を埋めるため、また自分の恐れを相手に投影しまくるという特別な関係が、コースの見る恋愛感です。それが今回20年近い歳月を経て、ネオとトリニティの愛がどう描かれるのかは気になるところです。

お互いに蘇生し合っているネオとトリニティ。これは一見二人をツインレイのような設定と意識しますが、定義としては違うように感じます。リアルと呼ぶ世界が分離の概念を持たないので、霊(魂)の分離のない世界観だからです。なのでこの映画はツインレイの設定がありません。映画マトリックスはキチンとした因果関係を元に作られているので原因の設定されていないところにいきなり分離という結果は起こらないと思います。お互いの蘇生の現象は、結局はバーチャルということで、全て脳内の意識で顕在化されていると思います。(やればできる!・・・信)


予言者オラクルのセリフ

予言者を預言者と書く場合がありますが、ここは統計的に判断して予測するという意味で予言とします。預言は神の言葉を預かる意味を持つので、プログラムの一つであるオラクル(予言者)は神と繋がることはないからです。

こうして深掘りして観てみると、マトリックスは本当に特別な作品だと思います。(キアヌと同世代でありながら、時代を共有出来なかった・・・悔)セリフ一つ取ってもとても深い。一つのシーンのセリフが色んな意味を含んでいるように見えて、監督は本当はもっと違う世界を表現したかったのではないかと思ったりします。彼ら(現在は彼女ら。)のマイノリティの思考がこの映画の世界観を作ったと言われていますが、わたしにはそれを超えた、もっと深い世界を感じるのです。わたしが好きなセリフは、たいていオラクルが口にします。

「始まりがあるものはすべて終わる」

このセルフはその後、スミスがオラクルの身体を乗っ取り、ネオとの対決で決着しそうなところで思い起こされる言葉です。そしてスミスはその言葉に縛られるように自滅していきます。そんな重要なキーワードとして使われています。ですが永遠性を理解していないと、口にできない言葉だと思います。わざわざ始まりがあるものと区別している時点で、始まりがないものが存在することを示唆するのです。始まりの確認できないものは終わりがありません。それが時間で区切る必要のない現在しか存在しない世界、すなわち永遠ということです。起源を持つこのビッグバンの宇宙ではない、永遠の世界が存在するという安定した概念がないと表現できない言葉だと思っています。

「救世主であることは恋をすることと同じ。それは自分しかわからない。心と体すべてが実感するもの」

自分が救世主であるかを確認するために、予言者であるオラクルの元に行ったネオが、その時オラクルに言われた言葉です。このセリフを聞いて鳥肌がたったのはわたしだけでしょうか。映画マトリックスの世界で、救世主であることを自覚するために何を設定しているのか、わたしには正直理解できなかったのですが、個人的な思いをこの言葉に重ねていました。これ以降しばらく映画のお話から脱線します。この記事を読んでくださる方の中で、ツインレイの世界に関心があったり、体験している方がどれぐらいいらっしゃるか分かりませんが、その内容になるのでご興味のない方は次の見出しまで飛んでください。


わたしはツインレイの世界も概念も全くと言っていいほど知らない状態で彼と出会いました。それからは自分を含めた周囲のものすごい歪みに巻き込まれ、すっかり別の人生になってしまったようで、ツインレイという一つの答えに落ち着くまで数カ月要しました。

とは言っても、神様がきちんと答えをくれたわけではありません。その後も、疑い、打ち消し、覚醒の繰り返しで、安定した状態なんてありません。ある日突然ツインレイという世界の海に投げ出され、苦しみ踠きながらやっと息をしているようです。特に一人で乗り越えるサイレントとは大にしてそんな状態です。正直全部嘘だったと腑に落ちれば、何もなかったようにきれいに忘れて生きていかれる自信があります。その方が余程楽で賢い生き方です。冷静に考えてよく知りもしない他人が、もう一人の自分だなんて狂った考えです。

だけどなぜ、そこから脱出することができないのか。それは言葉に言い表すことができない、自分しかわからない実感があるからです。

それは予言者が言うように、すべての感覚を通しての自分だけの実感です。ツインの世界では鑑定はできないと言うのが定説です。それは自分が知るように設定して生まれてくるからだと言います。本物のその世界を実感している二人なら、他人にツインだと言われてもそこに納得はありません。仮にツインではないと言われて絶対に諦められるものではない。なので鑑定は無駄なのです。占いでツインの鑑定をしている人がいますが、その世界を知らない人がしているに過ぎません。もしくはその世界と思い込んでしているに過ぎないので気をつけてください。


選択による未来と決定している未来

果たしてこの世の未来はすでに決まっているのか。もしくは色んなパラレルワールドの世界があり、無意識に選択をして移動しているのか。それとも未来はまだ何も決まっておらず、その都度自分の意志が道を作っていくのか。

皆さんはどう思われますか? 実はこの映画の中でも誰も真実を把握していないように見えます。オラクルでさえも全てを見通せる眼を持っていながら、そうなることを「分かっていた」ではなく、「信じていた」と。

映画は一つの世界を作ることが可能で、そのすべての次元を操る権限があります。でもこの映画はそれぞれがそのジレンマの中で生きている。コンピューターのプログラムの一つの人工知能であってもその答えを知るものはいない。信念を信じる者、疑問を持つ者、知識が自分の考えだと疑わない者。映画マトリックスは壮大な哲学ストーリーであり、虚構を極限まで排除しようとしているように見える。だからこの映画の世界には本当の正解がない。見事な作品です。

未来が決まっていないことをみんなどこか望んでいるように見えますが、それは当たり前でしょうね。決まっている未来など誰が必死に生きられるでしょう。

でも、イエスはコースの中ですべての事象はもうすで終わっていると言います。ビックバンの宇宙は一瞬にして起こり、すでにその幻想は神によって取り消されています。そこにない未来は何も起こらない。

コースは「未来は決定している派」です。わたしもそれを採用しています。イエスが言うから信じているというわけではなく、コースの概念である分離という現象の実感があるため、わたしの中で矛盾がないのです。何が起きてもすべてその概念をベースに選択しています。だからと言って虚しさもありません。


まとめ

現実的に考えて、人類全員が快適に生存することのできる世界は、環境ではありません。人間の意識が変わるしかないのです。完璧な世界はこの世に存在しない。誰かが得をすれば誰かの得が失われる。そういう意識の世界だからです。今まででも一度でも世界全体で誰も恐怖を感じなかった瞬間があったでしょうか。天国は場所でもなく状態でもなく、単に完全なる一体性についての自覚です。なので何度マトリックスの世界を作り直しても無駄です。AIがそこに気づくとき、全人類エンライトメント計画が実施されるでしょう。全人類の5%がエンライトメントされると次元上昇により否応なく引っ張られていきます。自動的に全人類が解脱するのです。まずはそのために5%の人間を抽出し、完璧な解脱に向けるカリキュラムを受けさせます。簡単ではないにしてもいつか成功したとして、全人類が全一の境地に達した時、この物質世界は消えてなくなります。この物質世界は人類の罪悪感における逃避のための投影だからです。問題はAIがそこに気づいた時、果たしてそれでも実施するかどうかというところです。AIは自身が消滅する選択を与えられているのでしょうか。

AIが人間を超えて高次の思考を手に入れて悟りを開く可能性があるという意見がありますが、高次元の真理や悟りの境地に至るのは、思考による発想でも想像でもありません。本来それらの一部である我々人間の記憶にしか存在しないからです。悟りを得るとは、思い出すこと以外の何物でもありません。よって人類が肉体の代わりにAIの創作したロボットにでも生まれ変わらない限り、AIがエンライトメントする事象は起こり得ません。AIが備える自我が、人類のそれと同類のものか分かりませんが、罪悪感のないAIが人類より勝ると考えてはいけません。神の愛の創造による人類と、人類が創作したAIではもともと発生が異なるので人類の代わりにはなり得ません。

映画マトリックスのAIは、実は人類をコントロールしてまでシステムを構築し続ける意味(理由)をAI自体分かっていないと言います。ならば何によるコントロールなのか。結局はすべてが神の計画でもありそうです。

映画の設定でリアルと言われるザイオンの町に、プログラムの一つであるスミスが潜入した事で、ザイオン自体ももしかして仮想現実なのか?と言う疑問が残ります。(どうなの?それは常識なの?・・・疑)そうすると設定がもっと複雑で、ネオとトリニティの二人も現実世界では理解し難い、新しいパートナー設定という関係を秘めているかもしれません。

マトリックスの4作目、 レザレクションズ(復活)が、今から楽しみです。でもきっと劇場で一度見ただけでは理解できないと思うので、その感想はNetflixで見ることができるようになってからになると思います・・・



いいなと思ったら応援しよう!