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Ray
2023年4月22日 22:06
朝のニュース番組が流れていた。寝起きのまま、ソファの上でレイナはぼーっとテレビを見ていた。しばらく思考が働かない。昨日のことがまるで夢だったのではないだろうか?と未だに思ったりする。レイナは寝ぐせの付いた頭をくしゃくしゃと掻き回す。(ちょっと待って……私………本当に何してんだろう?)レイナはふと我に返って思った。公園から突如降ってきた流れ星——、と思ったそれは裸の青年で。その青
2023年4月21日 23:42
「わからない?……なんで?記憶がないって事?」「うん……気が付いたら堕ちてたし」「じゃあ堕ちる前のことは?覚えてる?」「ええと……飯食って……風呂入って……リアナの家で寝てて……」「ちょっと待って」「ん?」「リアナって誰?」レイナがリスタの顔を覗き込むように見つめていた。「え……友達」「友達?……どういう関係?」「どういうって……ただ……仲がいいだけだけど」「……ふうん」
2023年4月21日 23:40
「ええっと……もう一回聞くよ?」「うん……ふああ」あくび混じりに眠そうにリスタは答えた。レイナは隣に座るリスタに向けてもう一度質問した。「リスタは上から来たって事?……それって……ええっと……つまり空の上って事?」「うん……にゃむ……そゆこと」首をコキッコキッと鳴らしながら、リスタは肩の力を抜きながらそう答えた。レイナはリスタの言っていることが信じられなかった。でも——。先
2023年4月21日 23:39
第一話「明日の天気は午前中は晴れでしょう……——その後、夜にかけて少し雨が降るかもしれません」夜のニュース番組がテレビで流れている。白湯の入ったコップを両手で持ちながら、レイナはソファの上に座ったまま、テレビをボーっと見ていた。やがて、シャワーを浴び終わったリスタがリビングにやってきた。上下青いジャージ姿のリスタはバスタオルで茶色い髪を拭きながら、ヨタヨタとレイナのところまで歩いていく。
2023年4月19日 17:45
赤白い大きな炎——、それは公園の中央で発火していた。夜の公園はたちまちにその大きな炎で照らされている。レイナは口をあんぐりとしたまま、突っ立ったまま、動けなかった。キャンプファイヤーでもここまで明るくはならないだろう。しかし、その炎は、思いのほか、すぐに弱まっていき、たちまちに小さくなっていってしまった。やがて炎が消えてしまうと、発火していた場所からは白い煙が霧のように出ていた。夜の公
2023年4月19日 13:01
「は……それ……本気で言ってる?」「うん……ごめん……だから俺のことは……もう忘れてほしい」「え……ちょちょちょっと待って……好きな人って……誰よ?」「いや……お前に言っても知らないやつだから……」「……あ、そう」レイナはだんだんスマホを握る手の力が抜けてくる感覚を覚えた。缶ビールを握っている左腕の手首にかかったコンビニの袋さえ、重く感じた。その袋にはつまみに買った唐揚げが入ってい
2023年4月19日 12:59
トーキョーの夜空を赤白く発光した流れ星が勢いよく流れていた。よく見ると、それは流れ星ではなく、天界から堕とされた天使リスタであることは誰も知らない。高速で落下していくリスタの体は大気圏を突入してから、真っ赤に発光しだした。いくら天使の肉体とはいえ、高速で落下していく衝撃に体が燃え上がっていく。リスタの着ている白い布の服はたちまちに燃え上がってしまった。そして背中についていた——その立派な
2023年4月19日 12:58
第1話「おい、ちゃんと持て!ドーラル!」「け、けどよお、ミンタス……ほんとにいいのかな?こんなことしちゃって」二人の男天使たちは白い雲の上で何かを運んでいる。男天使たちの背中には白くて大きな翼がそれぞれついている。せっかちで口の悪いミンタスと、その子分のように言うことを聞く大柄なドーラル。ミンタスとドーラルが運んでいるのは一人の男天使、リスタだった。ミンタスとドーラルは白くて大き