マッチングアプリで知り合った元カレはとんでもないゲーマーではなくとんでもないいい男だった件について。
10月。
彼と再会して1ヶ月が経った。相変わらず、僕よりもゲームをするが、別れる前とは違って、ゲーマーくんから声をかけてくることが多かった。ずっと、僕から声かけることが多かったから、こんな感覚は初めてだった。電話も頻繁にかけてくることがあって、これはもしかして?と勘違いしてしまうほどに。
ちょうど、僕がアルバイトを初めて2ヶ月以上が経ったころ、彼は「よかったら、話がある」とLINEがあったので梅田の近くの居酒屋でご飯を食べることにした。2ヶ月後の彼は、ちょっと太った気がする。そんなこともないか。
「よっ。」
「ゲーマーくん、久しぶりね。」
とりあえず1杯の酒、僕はファジーネーブル。相手はコークハイ。付け沿いにフライドポテトと鶏皮ポン酢。乾杯ともに、口にお酒をいれる。甘いジュースを飲んでいるような口触りで、どんどん飲めちゃうと思って一気飲み。
「最近どうなの?」
「え、変わりないで。ひかりは?」
「そうやね、変わったっていったら体重くらいかな?ゲーマーくんはガリガリやん。』
ゲーマーくんは相変わらずの笑顔だった。手はカリカリだったけど、手を一瞬だけ触れた時で変わってないねって思った。匂いもすべて一緒で、喋るテンポも変わりない。
『さて、話ってなんやろか?』
僕は、ケータイを置いて彼の目を見た。モジモジしながら目を逸らして喋る彼はしばらく黙った後に口を開いた。
『ひかりが、落ち着いたらって言ってたやつあるやん?ひかりがね、もし…もし、ひかりがこれからも一緒にいたいなって言ってくれるなら…もう1回、やり直そう?俺、こんなやけどもう離れたりは一生しないから。あかんかな?』
涙がでた。
ゲーマーくんははずかしそうに言ってくれた言葉は今この記事を書いている自分も涙が出そうなくらいにおぼえている。
『あほやな。もう…あほやん!私ゆーたやろ?一緒におるよーって』
僕は涙ぐみながら、笑った。ゲーマーくんは、僕を見て、笑いながら言った。
『やっぱ、光は笑うとかわいいな。』
こうしてまたもやマッチングアプリで、知り合ったとんでもないゲーマーはいい男になって帰ってきた。今でも、喧嘩をする時、『ゲーマーくんも離れたんやから、私も離れる!』というと、首を振って『ガタガタ抜かすなぁ!』と照れる。大体、それで仲直りするけどね。
あとがき
この記事はここで終了致します。
自身の経験から、人の優しさ、懐の暖かさを知ることができ、みなさんもそんな経験をしてほしいなと思いました。ヤリ目、勧誘だけがマッチングアプリではないと思います。出会いは様々ですが、どうか、パートナーがいらっしゃる方と一緒にこれを読んでほしいです。
全4部まで読んでいただきありがとうございました。
愛を込めて。
遠隔vibration。