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#16 2千年前”そこにいた”~ポンペイ展@九州国立博物館~

今月頭頃、Twitterでたまたま回ってきた「ポンペイ展開催」の文字。自宅からもほど近い九州国立博物館で開催されているというので、先日行ってまいりました。

実は2017年にも就活の合間を縫って福岡市博物館で開催された「ポンペイ壁画展」に行ったことがあるのですが、今回は展示物が異なるようだったのでとても楽しみにしていました。

前提として、ポンペイという都市については(多分)人より少しだけ知識がありました。高校生の頃、世界史で軽く触れられた「火砕流で埋まった都市」というワード。埋まったままの人のかたちをした石膏像の写真。2千年という途方もない時を経ても、美しく残る町そのもの。めちゃくちゃに惹かれるものがあったのに、本当に触れる程度の情報のみしか授業では得られず、「え、この話もう終わり!?」となったのを覚えています。偶然か運命か、同時期くらいに、好きな漫画家さんの作品でポンペイを舞台に描かれたものがあると知り、一気に読みました。そこから本を読んでみたり映画をみたり。もう完全にポンペイの虜。「何がそんな魅力的なのか」と聞かれると難しいんですが、今回のポンペイ展のテーマがそれを代弁してくれていました。

「そこにいた。」

これを感じられること。”生々しさ”とも言えるかもしれません。それがまさに最大の魅力です。(現地に行ったことはないので説得力はないかもしれませんが、、、)

さて、前置きはこれくらいにして。
今回わたしは音声ガイドをつけました。なんと小野賢章さんと小野友樹さんという超豪華声優陣が当時のキャラになりきって展示品を解説してくれるというので、つけざるを得ませんでした。(ドラマ仕立てで分かりやすく解説してくれるので、ポンペイをあまり知らない人にはとてもおすすめです!)

中に入ると早速、ヴェスヴィオ山が噴火しポンペイが濁流に飲み込まれていく様子が映像で映し出されており、一気にその世界に入り込めました。

https://www.culture.city.taito.lg.jp/ja/reports/23863(写真撮るのを忘れていたので引用しました)

そして数歩歩くと、生き埋めになったであろう女性の石膏像。写真では見たことがありましたが、間近でみるとやはり衝撃的。

食堂に飾られていたというモザイク画
「猛犬注意」のモザイク画

モザイク画はどれも鮮やかで細かくて素晴らしかったです。2枚目の犬のモザイク画は、床のタイルに施されていて、訪問者に番犬がいることを知らせていたようです。個人的には、この頃から首輪にリードをつないで「犬を飼う」という風習があったことに驚きです。

モザイク天板テーブル

つい足のライオンに目がいってしまうんですが、天板のモザイクも美しかったです…

炭化した食糧

炭化して黒(茶色?)くなった穀物やイチジクなどが並べられていました。

炭化したパン

これ、パンなんですって。下の絵画を見ると、本当にそのままの形をしています。ちなみにこれ、クッションとしてグッズ化され販売されていました(笑)

パンを売る様子
アクセサリー
アクセサリー②
パレード用の兜

アクセサリーや兜はどれもつくりや装飾が精巧で、2千年前のものとは到底思えませんでした。イタリアでこういったものが作られているとき、日本は弥生時代。ようやく稲作を始めた、くらいですよね、多分。文明の違いに驚愕です。
この時代奴隷制度はあったものの、解放され成り上がったり、女性でも活躍できる場があったりと、文明以外でも先進的な部分があったようです。

酒の神ディオニュソス

最後、出口直前に置かれていたこの像。多分この作品の前に一番長いこといた気がします。子ヒョウを抱きブドウの房を持って立つ神様、ものすごく雰囲気ありませんか?なんというか、ありきたりなんですが「神聖さ」みたいなものを感じて見惚れてしまいました…

と、このような感じでポンペイ展を大満喫しました。
2千年前の姿のまま、そこにいる。なんとも不思議な空間でした。
正直、実際に見てみないと伝わらない部分がいっぱいあるので、興味がある方は是非行ってみてほしいです!(12月4日まで開催しているようです)

ポンペイは世界遺産になっているものの、現地の管理がずさんで劣化が進んでいると聞いたことがあります。風化してしまう前に、実際にこの足で現地に降り立ってみたいものです。

それでは。

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