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【”魚”のタンパク質変性】41℃/63℃/70℃度の”魔法の加熱温度”の使い方/理論的に魚を攻略する
魚の火入れについては何度も説明してきましたが、多くの人が肉と比べて難しいと感じるようです。これは、魚の繊維の構造が理解しにくく、思い通りに調理するのが難しい性質を持つためです。また、魚のタンパク質が変性する温度が、肉や野菜とは異なるため、さらに調理が難しくなります。
まず理解すべき重要な事実の一つとして、野菜、肉、魚のそれぞれでタンパク質の変性温度が異なるという点があります。これらの食材を扱う際は、それぞれの温度を正確に把握し、区別して考えることが重要です。
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野菜のタンパク質の変性においても、根菜、葉物、その他の野菜で異なる温度帯が必要です。たとえば、一般的に根菜は90℃以上で加熱するとされていますが、この認識を他の食材に誤って応用してしまうと、間違いや誤解が生じやすくなります。これが調理が難しいと感じる一因です。
また、肉の場合は中心温度を56℃~58℃程度に保つことが一般的です。しかし、魚の場合は中心温度を48℃~50℃に保つことが望ましいですし、63℃の変性という値も適正温度として挙がります。魚のコンフィーでは約41℃前後の温度が適切です。これらの温度設定は肉や他の野菜には適用されない点を理解することが重要です。
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また、中心温度の概念は煮込み料理には適用されません。煮込み料理では、特定のタンパク質を意図的に破壊することや、筋肉繊維へのアプローチが主目的ですので、中心温度という考え方はほとんど意味をなしません。煮込み料理では、温度と時間の関係が重要となり、これが料理の質を決定する主要な要素です。
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