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ラノブロです! ライトノベルを上げていきます! 是非読んで下さると嬉しいです。 よろしくお願いしますm(_ _)m

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最近の記事

キックボクシング 11章~何も聞いていない~

 ブーブー またスマホが鳴ったので佐藤の方を見ると、佐藤は校長に滅されてはいない唯一の在校生のようだった。大翔は携帯を取り出し、メッセージを見た。 『大翔バカすぎ。来ないならお詫びに何か奢って?』  なぜ行かないだけでお詫びしないといけないんだろう。まあ、何かって言ってるし、奢る物は何でもいいんだろうけど。 『水道水とかで良いなら全然奢るよ』 『また足踏まれたくなったのかしら? どうなのかしら?』 『ですよね。ダメですよね』  そう言えばさっきの自己紹介の時助けられたっけ。い

    • キックボクシング10章 ~入学式~

       大翔はボケッとしながら国歌斉唱をし、それが終わると、椅子に座ってボケッとしながら黙って前を見ていた。しかし、大翔はこういう場に慣れていなく、徐々に睡魔が襲ってきてあまりの眠さに目を擦った。ハッとして目を開けると、何となく辺りをチラッと横目で見た。皆眠いのか殆どの人の目が半開き状態で、無表情のまま固まっている。中には力尽きて寝てしまっている人もいた。  何だろうこの空気感。中学の授業でこんなに眠くなることって無かったんだよな。こういう体育館でやる行事の時だけ睡魔がもの凄く襲っ

      • キックボクシング 9章 ~中学時代に方にぶつかっただけで泣き出してしまった女の子~

        「大翔くん、男子たちの誤解も解いた方が良いんじゃない? 女子は殴らないって事が分かっても男子は怖いんじゃないかな?」田中がそう言ったので、大翔は、教室の隅で固まっていた男子にこう言った。 「俺さ、高校入ったら喧嘩しないって決めてたから。あと、自分の学校の生徒を殴ったことは無いんだよね」それを聞いたクラスの男子生徒もドッと集まってきた。 「大翔くんの噂聞いてたよ! ここら辺じゃ蓮介ってやつと肩を並べられるのは大翔くんしかいないって」 「俺もどんな人か気になってて、大翔くんと蓮介

        • キックボクシング 8章~高校での自己紹介~

          「兄ちゃん、あたし今日は先に学校行くから」 「ん? 送って行かなくていいのか?」 「いい、今日は平気なの」 「そうか。・・・・・・何でだ?」 「何ででも! それじゃ、行ってきま~す!」  千夏はそう言うと、先に家を出て行ってしまった。恐らく大翔が足を怪我しているので、千夏は自分を中学まで送ってから、大翔が高校まで通うのは大変だろうと、気を使ってくれたのだろう。  千夏のやつ、俺が高校に行くために向かう最寄り駅が千夏の中学校のすぐ横だって事、ド忘れしてるんだろうな。  大翔は怪

          キックボクシング7章~妹は~

          「気にしないでください、逆恨みです」 「気になるんだけど、まあいいけどさ」 「因みにどこの大学ですか?」 「慶応大学よ。ここから電車で1時間くらいね」 「さっきも思ったんですけど、美奈さんスペック高くないですか?」 「でしょ? あたし中学、高校生の時とかは、誰かより劣っていると思われるのが嫌だったの。だから勉強も運動も誰にも負けないようにしていたの。でも第一志望の東京大学に落ちて、泣いてたら、ある人にね、『もう充分頑張ったんじゃい? 高校三年間気を張り詰めすぎだったと思うよ。

          キックボクシング7章~妹は~

          キックボクシング6章 ~美奈さんに誘われて~

          「ダメじゃ!」 「ダメだから!」 「・・・・・・はい」二人にそう言われ、仕方がないので大翔は帰ることにした。 更衣室で着替え、シャワーを浴び、帰る支度が終わるとエレベーターで下に降りた。エレベーターから出ると、美奈が居て俺のことを待ってくれていたようだった。 「お疲れ。大翔くん」 「お疲れさまです。包帯ありがとうございます」 「いいよ。あたし医学部だし。これくらいできて当然よ」  医学部⁉ 美奈さんって超ハイスペックだったのか。どおりで包帯の撒き方が上手いわけだ。 「穂香さ

          キックボクシング6章 ~美奈さんに誘われて~

          キックボクシング 5章 ~初めてのジムでのトレーニングで~

          「フェザー級ですか⁉ 今までライト級でやってきて、無敗なんですよ。体重を二階級も落として階級を変える必要ないと思いますが」 「そう言うと思ったのじゃが、プロになると大翔くんはまだ経験したことが無いと言っていた減量があるのじゃ。体重維持をやっていたことは素晴らしいことじゃが、階級を落とせば今とは比べ物にならないくらい戦いやすくなるじゃろう。体脂肪率も減量すればあと5~8%は落とせる。水も常に2キロ抜いているならあと2.5キロは減らせる。これでギリギリフェザー級になれば、大翔くん

          キックボクシング 5章 ~初めてのジムでのトレーニングで~

          キックボクシング 4章 ~宏さんとのスパーリングと会長からの一言~

           宏(ひろし)さんがゴングの音と同時にローキックを打ってきたので、大翔も打ち返した。すかさず大翔は前蹴りで宏さんを押し込み、一歩踏み込むともう一度ローキックを打ち込んだ。  宏さんのローキック結構強いな。脛当て無しだったらかなりの破壊力だった。  宏さんが、左ジャブを打ってきたので、右手でいなすと、今度は右脚でハイキックを打ってきたので、グローブで受けた。  なるほど、キッズたちが強いとは言っていたが、スピードはそれほど無いな。俺が初入会って事で、そこまで全力じゃないんだろう

          キックボクシング 4章 ~宏さんとのスパーリングと会長からの一言~

          キックボクシング3章~初めてのジムへの入会~

           卒業から一週間、二週間と月日は流れ、高校の入学式が迫ってくる。大翔の侍刀会ジムへの入会予定日は、高校の入学式の前日。なぜ『高校受験が終わった直後から入会しなかったのか』についてなのだが、卒業式後でも三月の間はまだ中学生なので、柚奈先生がまだ大翔のキックボクシング部の顧問だ。  今まで散々お世話になっていて、自分の進路が決まった途端に、柚奈先生とは別の人から教えてもらう。というのは、何だか柚奈先生を見捨てているような気がして、何と言うか、こう・・・・・・違和感があった。それで

          キックボクシング3章~初めてのジムへの入会~

          キックボクシング 2章 ~夢の始まり~

           月曜日、二日ぶりの登校日だったが、大翔からしたら随分と早い登校日な気がしていた。二階にある自分に部屋の姿見の前で制服に着替えていたが、体が重く、全身のだるさがまだ残っていた。 「くそっ、もう月曜かよ。蓮介からやられた怪我がまだ治んねぇ。せっかくの土日の休みも変な熱が出て体が全然休まってねぇよ」 「兄ちゃん遅~い!」妹の千夏(ちなつ)がランドセルを背負って玄関で文句を言っている。  千夏の小学校は大翔の中学校の隣にあって、朝は大翔が千夏を小学校の前まで送って行くことが日

          キックボクシング 2章 ~夢の始まり~

          キックボクシング 1章 ~二人の絆~ 

           第一中学卒業間近、中学三年生の黒川(くろかわ)大翔(はると)は、同じ学年、同じ中学、同じキックボクシング部の柏(かしわ)木(ぎ)蓮介(れんすけ)と河川敷で空を眺めながらのんびりしていた。 「なぁ大翔」 「何だ蓮介」 「俺さ、高校入学したらもう喧嘩するの辞めようと思ってるんだ」  二人で町にいると、いつも誰かヤンキーに喧嘩を売られて、その度に二人で返り討ちにしていた。蓮介と大翔で中学三年間の間、数多くのヤンキーたちを返り討ちにしているのだが、蓮介が喧嘩を辞める。と、言

          キックボクシング 1章 ~二人の絆~