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【サバイバル🐟】 IIT Institute of Design(ID)の学校生活ってこんなかんじです

こんにちは👋
先日初めてnoteを投稿させていただき、たくさんの方にご覧いただきました!とても嬉しいです!ありがとうございます!🐕
まだだよ、という方は以下のリンクからご覧いただけますので何卒…!

前回の記事では私が何者でなぜシカゴに来たのか、なぜInstitute of Designを選んだかについてお話しています。今回は、学期中の大学院生活がどんなもんか、ご紹介できたらなと思います◎

Institute of Designってどんなところ?

Institute of DesignはKaplan Instituteという建物内の2階になります◎

IDはシカゴの中心街(大体Millennium Parkを大体中心街だとします)から電車で25分くらい(電車が時間どおりに来る場合に限る笑)離れたところにあります。シカゴは一般的に南に行けば行くほど治安が悪くなると言われているので、まぁまぁ怪しいエリアにあります。森林とイリノイ工科大の他キャンパスと住宅くらいしかないです。あとはバーやレストランがちらほら。

Institute of Designは別名New Bauhausと呼ばれており、1937年にMoholy-Nagyによって設立されました。彼はもともとBauhausの教授だったのですが、第二次世界大戦時にナチスによってBauhausが閉鎖されてしまったことを受け、生まれ故郷のシカゴにInstitute of Designを設立しました。実験的(Experimental)な側面と学術的(Theoretical)な側面両方にフォーカスを当てた授業構成になっており、まずは技術の基礎固め(Foundation)をおこなって、それから専門分野(Specialization)に注力するという、Bauhausのカリキュラムに強く影響を受けていることから、New Bauhausと呼ばれています。
特にUser Research、Strategic Designなど、ビジネス寄りのデザインの授業を得意としている印象ですが、前回の記事にも記載させていただいた通り、さまざまなデザイン授業を(Interaction Design, Product Design, Co-design, Service Design, User Research, Diagramingなど)幅広く提供しています。
学生のニーズによってフレキシブルにプログラム構成を変えている所もIDの特徴であり、2000年代にはMBAとのDual Degree Programが、ここ数年ではMPPA(Master of Public Policy Administration)とのDual Degreeが始まりました。(IDがMBA/MPPAの授業を提供するわけではなく、イリノイ工科大系列のStuart School of Businessによって提供されています。)
現在提供されているプログラムは以下の通りです。日本人は大半がMDM、たまにFoundation+MDes(+MBA)に入学しています。

  • Master of Design(MDes) - 2年のコース。基本的にデザイン系/情報系の学部を卒業していないとApplyできない。

  • Foundation+MDes - 半年でデザインのスキルセットを一通り詰め込むコース。デザイン系の学部を卒業していない学生はこれを終了してからMDesに進むため、卒業まで2.5年かかる。*MDMの学生はFoundation履修不可

  • MBA(Dual Degree) - Stuart School of Businessにて提供されているビジネスのプログラム。MDesの学生であればApply可能。*MPPAとの併願は不可

  • MPPA(Dual Degree) - Stuart School of Businessにて提供されている行政系のプログラム。MDesの学生であればApply可能。*MBAとの併願は不可

  • English + MDes - 出願時に所定の英語のスコアを持っていない学生(且つデザイン系学部卒業)が入るプログラム。最初の1年目にガッツリ英語の授業を取るので、卒業までに2.5年かかる。*たぶんFoundationとの併願はスケジュール的に不可 or 3年で卒業ペースになるはず。 。。

  • Master of Design Methods(MDM) - 1年のコース。デザインの実務経験は問わないが、ある程度の実務経験が必須だということがMDesとの大きな違い。ただ、取れる授業はMDesと変わらない。*MDMだけ学校から奨学金が出ないので要注意

どんな学生がいるの?

私が入学前に伺っていた話より全体的に生徒の年齢が若年化しているという印象を受けました。私が入学前にリサーチをしていた時点では、一度社会人経験を持った20代後半〜30代前半が特に多いと伺っていたのですが、私が入学した2021年は2020年からのコロナの経済的な打撃が影響したのか、学部卒生や20代前半が多いという印象でした。(MDMはそもそも社会人向けのコースになるので30代半ばが平均的なラインだと思います)ただ、みんな一生懸命で、向上心があり、年齢の差をあまり感じたことはありません。28歳の時に入学した私はFoundationの中でもかなり年上の方でしたがみんなに仲良くしてもらっています◎バックグラウンドは様々ですが、非デザイン系であればエンジニアリング、教育が多いような印象です。
学生は全体で120人前後なので、毎年60人前後が入学します。2021年の実績ですと、60人のうち20人程度がMDM、30人程度がFoundation+MDesです。MDes+MBAは5人、Foundation+MDes+MBAは7人、MDes+MPPAはたぶん0人で、Foundation+MDes+MPPAは5人いるというかんじです。Foundationはコロナの影響で2020年が9人しか入学せず(フルリモートだったこともあり)、その反動で2021年は30人という過去最多の生徒数だったそうです。当初は、その分教授から丁寧なフィードバックが得られないのでは?危惧する生徒も多く、私もそう思っていたのですが、自分から積極的に先生に質問したりフィードバックをもらいに行けばよいのと、30人いれば30人通りのアウトプットのバラエティが見れるので、ある種良いクラス構成だったように思います。
みんながIDに来た理由もバラバラです。私のようにビジネスとデザインを融合させた問題解決を学びたい人もいれば、デザイン思考を学びたいという人もいれば、システム思考やサステナビリティに関心を持つ人もいれば、今後2年-2年半かけて何をやりたいか見つけたいという人もいます。ただ、個人的にUI/UXを極めたいからIDに来たという人は会ったことがないです。🤔 学校で最年少の21歳の天才女子はインスタで見た卒業式のガウンが可愛かったからIDに来たと言っていました。爆
生徒の人種は体感6割インド、2割アメリカ、2割が日本、韓国、中国、インドネシアなどその他諸国、という印象です。インドの方は英語ペラペラなので、どの授業に行っても自分が非ネイティブであることをひしひしと感じるハードな環境です。🥺笑 別の記事で私が受験に際してどのようにスコアを獲得していったか、勉強方法など今後紹介しようとは思いますが、IDはかなり英語のレベルが高い気がしています。。。英語の授業についていくのは大変ですが、前提みんな優しくて、不完全な英語でも傾聴してくれるので、助けられています。🥺

卒業生はどんな仕事をしているの?

大学の壁にプリントされてあるダイアグラム

卒業生は半分くらいコンサル、半分くらいインハウスデザイナーになると聞いたことがあります。たぶんIndustriesのTechnologyはIT企業のインハウスデザイナーということなのではと推測しています。RoleはDesign Strategist, Product manager, UX Designer, Researcherが多いでようです。やはり案件の上流でコンセプトを考えたり、ユーザーのユーズを深堀りしたり、それを元に要件を定義したり、といった仕事が責任範囲になってくるのでしょう。
ただ、このダイアグラムはおそらく最新版ではないので今後変化が起こりうる領域でいくとIndustryではNPO、Job RoleではStrategic Designerの中でもSustainabilityやCircular Economy、都市計画に専門性をもつ卒業生が増えてくるのではという所感です。

学校どれくらい忙しい?

よくアメリカの大学院は入るまでではなく、入ってからが大変、と言いますがまさにそのとおり。。。特にFoundationコースの1学期目は深夜3時まで半泣きで宿題してる日々が多々ありました。

単位の上限が18単位で2セッション制(前半7週間をAセッション、1週間休みを挟んで後半7週間をBセッションと呼ぶ)になります。MBAはAセッションに3単位、Bセッションに3単位、合計2科目を土曜日に毎学期履修します。
一方でIDのクラス構成はこんなかんじです。

  • Seminar(座学) - 1.5単位、3h/週、Aセッション or Bセッション(7週間完結)

  • 集中ものづくり系Studio - 4単位。丸1日ぶっ通し6h/週、Aセッション&Bセッション(14週間)

  • 半分座学、半分実践Studio - 3単位。3h/週、Aセッション&Bセッション(14週間)

  • Workshop(クライアントワーク) - 3単位。3h/週、Aセッション&Bセッション(14週間)

そしてFoundation+MDes+MBAは以下のとおり、毎学期ほぼフル単(18単位)、そして夏の間もMBAのクラスを取ることになります。

MBAとのDual Degreeの学生が毎学期履修する単位数。基本フル単。(18単位)

ここでポイントなのはIDの授業は単位数×3hが自習時間(授業の時間を含まない)の目安とされているというところです。例えば3単位の授業をとった場合、宿題を終わらせるために毎週授業時間とは別に9時間を見積もる必要があるということです。
ここで私の1学期目(Foundation, 16.5単位)の時間割を見てみましょう。

  • Introduction to Interaction 4単位、月曜9:00-17:00(賞味6h)

  • Introduction to Photography 1.5単位 火曜9:00-12:00 - Aセッションだけ

  • Introduction to Visual Communication 4単位 、水曜9:00-17:00(6h)

  • Objects and Artifacts 4単位、金曜9:00-17:00(6h)

  • MBA - Fundamentals of Innovation Strategies 3単位、土曜9:00-13:00(4h) - Aセッションだけ 

Dual Degreeじゃない人は火曜6:00-9:00に3単位のDesign PracticeというFoundationの必修授業を取ります。私はそれも取ると19.5単位になって死んでしまうので2学期目に持ち越しました。

16.5単位*3h = 49.5h/週 (Aセッションのみ)
つまり49.5÷7=1日に7時間強の自習時間をねじ込まないといけないわけです。。。私は特に時間で区切って作業する(この日のこの時間までにできたものを提出しよう的な)のが苦手で、自分が納得するまでとことん試行錯誤したい派なので、49.5h以上自習していた週もザラにあった気がします。1日だいたい4-5時間睡眠だったような。大変でしたがなかなかに贅沢な時間だったように思います。
ちなみに以下が2学期目(MDes 1学期目)の時間割です。18単位すべて必修で、1学期目よりも単位数が多いのですが、ものづくり系の授業がほぼなかったので授業の拘束時間も短かったですし、この学期は毎日7時間程度は寝れて、人間らしい文化的な最低限度の生活ができていた気がします。ただ、宿題が、Foundation時代はものづくりが主だったので言語の壁を感じることが少なかったのですが、2学期目からは論文(英文50-100ページなど)を読んでエッセイにまとめる系の宿題が多かったり、ほぼすべてグループワークだったので非ネイティブの私はFoundationとは違う大変さを感じました。Aセッションが終わることには軽い燃え尽き症候群になっていました。😂
他の学校はわかりませんが、以外にIDは必修が多くて、私はあと必修が8.5単位分くらい残っています。フル単18単位の中に毎学期6単位のMBAが含まれてくるので、それを考慮するとMBAデュアルディグリー生が本当に興味がある授業を自由に取れるのは4学期以降になります。(※必修はいつ履修してもよいのですが、他の授業の基礎になる内容なので早めに取りきることがおすすめされています)

夜の授業は6:00pm-9:00pmです。火曜日のDesign Practice(3単位)はFoundationの持ち越しです。

別の記事でID、MBAのカリキュラムに関しては別途ご説明しようと思いますが、取り急ぎIDの授業概要を見られるページは以下になります!

日々のスケジュールってどんなかんじ?

土日昼夜問わず、学校にいて宿題してます🙃Nerdです🙃
前述した通り宿題の量がエグいので、あまり一息つく暇がなく、夕飯作ってる時くらいがリフレッシュできる唯一の時間のような気がします。
まず朝7時くらいに起きたら身支度朝ごはんして、パートナーと1hくらいFacetimeして(大事)、学校に行きます。リーディングやらグループミーティングやら制作やら課題をやって、暗くなる前に家に帰ってきます。(治安悪いので🔪)シャワーを浴びて、サクッと夕飯を済ませて、家で引き続き宿題します。寝ます。その繰り返しです。😂 授業の有無に関わらず学校に来るのは、純粋に学校が近いのと、学校のほうが家より環境がいいのと(一人ひとりにデスクがアサインされていたり、工作するための一式の道具が揃っていたり)、友達に会えたりするとリフレッシュにもなるからです。
こんなかんじなので家事をする時間を捻出するのも大変で、毎週金曜日か土曜日、1週間に1度、覚悟を決めて食料品を買いに行ったり洗濯機を回したりしています。絶対に今日家事するぞ、という強い気持ちがないと、難しいです。😂 (平気で2週間くらい洗濯するタイミング逃したりするので🙈)そんなかんじで寝てる/料理している以外の時間を大体学校で過ごしています🤓 月1-2くらいで遊びにいったり飲みに行ったりもしています🍕
私はクラスメートからも"You are too ambitious😒" "You are such a perfectionist. Chill. 😂"とよく揶揄されており、多分頑張り過ぎている部類なのであんまり参考にならないかもしれませんが…苦笑 すべては優先順位で、授業に全力かける人もいれば、自分の人脈を広げるために授業はそこそこにいろんな飲み会に繰り出す人もいて、何が正解かは人それぞれだと思います。

今は夏休みなので、よく友達とご飯を食べに遠出したりできていて、やっと学生らしい生活をしていますヨ🍤

今(2022年夏休み)何してるの?

アメリカはめちゃめちゃ夏休みが長いです。5月中旬〜8月中旬まで夏休みで、その間MDesの学生は普通は企業でインターンシップをすることになります。
ただ私はMBAを2クラス(6単位)取らないといけないのと、引っ越し、ポートフォリオ作成などやりたいこともたくさんあり、あまりスケジュール詰め込みたくないなぁと思っていたのですが、ご縁がありWeslynne Ashton先生(IDとStuart School of Business両方で教えている先生)のResearch AssistantをPart timeで担当させていただくことになりました🕊20h/週なので、ちょうどよいワークロードで嬉しいです🙌

WeslynneはFood Waste/Food Loss問題の専門家で、シカゴの関連NPOや他の大学と連携しながら食料問題を取り巻く環境やステークホルダーを調べて可視化する活動をすることになりそうです◎ システム思考やサステナビリティを学ぶことができるよい機会だと思っており、これこそ一般企業ではなかなか学べないことだと思うので楽しみです〜!
最近学校が開いた就活イベントでも数々の企業が「システム思考ができるデザイナーを求めている」と言っていたので今後のキャリアにとってもプラスに働けばいいなと思っています◎この研究に関してもシェアできることがあれば今後ご紹介したいと思います🥕

終わりに

今回はIDでの学生生活についてご紹介しました。まとめると、宿題大変、ということですね😂 でも自分に投資したお金と時間を考えると、大変ながらも充実した日々を過ごせています◎ 海外大学院出願を検討されている皆様には、英語力より、志望動機の明確さより、何よりメンタルの強さと体力と免疫力が一番大事な資質だということを声を大にしてお伝えしたいと思います。笑 次回はシカゴの治安、生活環境についてご紹介したいと思います〜!

この記事がお気に召したら是非スキしてくださると嬉しいです〜!投稿はかなり不定期になりますのでフォローも是非!🐕


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古仲 蘭🇺🇸🍕@Institute of Design
いただいたサポートは怒涛のインフレ&円安で圧迫されつつある留学軍資金の足しにさせていただきます…!😂