猫の譲渡条件が厳しい件
近年、猫の譲渡条件が厳しくなっているという声が多く聞かれます。保護団体や里親募集の条件が厳格化している背景と解決策について考えてみました。
主な譲渡条件
譲渡会や保護団体が設ける主な条件には、以下のようなものが挙げられます。
完全室内飼育の徹底
猫の安全を守るため、外に出さない飼育が必須とされるケースが多いです。脱走防止対策の確認
脱走防止柵や網戸のロックなど、物理的な対策が求められます。経済的な安定
餌代、医療費、避妊・去勢手術費用を負担できるか、収入面での審査がある場合があります。家族全員の同意
ペットとの暮らしに家族全員が賛成していることが条件です。定期的な報告義務
譲渡後に、猫の様子を写真付きで報告することを求められることがあります。単身者や高齢者への譲渡の制限
万が一のことを考慮し、保証人や後継人の有無が問われることがあります。
私は今回顔見知りになった方からの譲渡でしたので何の確認もなくお迎えすることができましたが、これだけ確認されたら「もういいです」ってなりそうですよね。また、「絶対に脱走させません!」とも言い切れないのでおそらく審査が通らないと思います…。
実際に私の周りでも最近、猫をお迎えしたいから保護されている所へ行ったら、あまりにも条件が厳しすぎて「もういいです」となった話を聞きました。
せっかく「飼いたい!」という方がいるのに残念ですよね。
譲渡条件が厳しくなっている背景
飼育放棄や虐待の防止
無責任な飼い主による「飼えなくなった」「面倒だから」といった理由での飼育放棄が後を絶ちません。譲渡条件を厳しくすることで、猫の命が危険にさらされるリスクを減らしています。脱走や事故のリスク軽減
外に出すことで、交通事故や感染症、他の動物とのケンカ、迷子などのリスクが高まります。完全室内飼育は猫の安全を確保するための方針です。高齢猫や病気の猫への理解不足
「かわいいから」と子猫を安易に迎え、成長後や病気になった際に手放すケースもあります。終生飼育の責任を確認するため、条件が厳しくなっています。保護猫の数が増加
野良猫や飼育放棄猫の増加により、保護団体の負担が大きくなっている現状があります。確実に安心できる里親に託すため、審査基準が上がっています。
一度悲しい思いをした子たちなので、もう二度と悲しませたくないという気持ちから厳しくなるのでしょう。
譲渡条件の厳しさをどう考えるか
譲渡の「なぜ?」を理解する
条件の背景にある理由を知ることで、譲渡側の意図に共感しやすくなります。「なぜ完全室内飼育が必要か?」を理解し、納得することが第一歩です。柔軟な対応とサポート体制の整備
単身者や高齢者にも、信頼できる後継人やサポートプランがあれば譲渡できる仕組みが広がるとよいでしょう。譲渡前の相談会や教育の強化
飼育経験が少ない人でも安心して迎えられるよう、事前の相談会や飼育講習を充実させることが解決策のひとつです。地域や団体ごとのルールの見直し
条件が厳しすぎることで猫の譲渡が進まないケースもあるため、地域ごとの実情に合わせた柔軟な譲渡基準の見直しが求められます。受け入れ側の努力と姿勢
猫を迎える側も、環境を整えたり、譲渡条件をクリアする努力が大切です。家族として迎える覚悟を示すことが、信頼へとつながります。
イギリスでは国を挙げて保護活動を行い、飼い主が高齢になったりやむを得ず飼えなくなったらまた引き取るような仕組みになっているそうです。なので、いくつになっても安心してペットを飼えるようです。素敵ですよね。
あまり詳しくないのですが、イギリス以外でも、ペットのことを家族と考えて様々な取り組みをされている国があるようです。今度調べてみます。
日本ではそういった仕組みがないために、譲渡する側とされる側の個々の想いがぶつかり合い、ギスギスが加速している気がします。
まとめ
譲渡条件が厳しいのは、猫の命を守り、飼い主としての責任を確認するためです。しかし、厳しすぎる基準がハードルとなる場合もあるため、譲渡団体と受け入れ側が互いに理解し合い、柔軟な対応をすることが理想です。条件に対して不安や疑問があれば、譲渡団体に相談しながら、一緒に猫との新しい生活を築いていく姿勢が大切です。
どちらも猫を助けたいという想いは同じなので、お互いの理解と協力で、救われる命が増えることを願います。