女の朝、パート14
5月22日水曜日。
時刻は10時45分。
ここは八王子駅の駅ビルOPA3階に入っている、
3月19日にオープンしたばかりのスタバである。
来る予定がなかったものだから、
自分が今、ここの椅子に座って、ここの珈琲を飲んでいる事が不思議だった。
不思議と言う言葉では少々足りないけれど、
スタバの椅子に腰を降ろした瞬間、
ワタシの心臓はぎゅっと縮み上がって仕舞われたようだ。
果たしてこの椅子に座っているのは、
本当に自分なのかどうか?
夢を見ているのか、幻を見ているのかはわからないけれど、
この時ばかりは恐怖に似た感情が沸きあがり、
次第にワタシの心に暗い影を射していった。
いつの時代も、
恐怖と言う感情は自分が壊れた事に気がついた時かもしれない。
とりあえず悲しいかな。それが年齢によるものなのか、
それとも過去の経験によるものなのかは、今、判断がつかない。
でもどうでも良かった。
ここに来たら、周りの皆がそうするように、
スタバの珈琲を飲んで、
いつものようにボケッとし、写メをして、
現抜かしてさえいれば良いのだから。。
ほ~ら、これを見て⤴️
実を言うと、先日ネイルチェンジをしていたの。
キラキラしたゴールドのラメのベースの上に、
スタバカラーであるグリーンの石を一粒ずつ爪に乗せて貰ったのよ。
ここだけの秘密だし本日御披露目なり!
暗転
大きなガラス張りの窓の外では、
五月晴れと言う言葉が相応しい青い空が遠くまで拡がっている。
昨日とは違い、
傘もぶっ壊れるような横殴りの雨の荒れた天気だった事が思い出されるも、
その翌日の空は濃い色の青空が拡がるのだ。
それは大気中に浮遊している微細な粒子達が洗い流された結果である。
要するにデトックスされたから空が綺麗になった訳だ。
そうなると以前の空が綺麗でないと言うとそうでもないのが不思議だ。
ただ、その粒子達がいくら汚れたものだったとしても、
いくら身体に対して有害物質になったとしても、
決して彼らだけが悪者ではないと思う。
彼らはきっと、
行き場を無くしてしまい寂しかったと思う。
寂しさゆえの結果なのよ。。。割愛。
それはそうと、
地球の温暖化、文明利器の発達、それに溢れる情報など。
様々な要素が合わさって起きた代償なの。
ワタシ達の生活は以前に比べると、善し悪し含め著しく変化してしまった。
それなのに追い討ちをかけるかのように、
肉体の老朽化はあり、重力なんかも合わさる。
だから、、、、、、、
そんな事を想っていたその時だった。
一人の女がスタバにやってきた。
女はそのまはまレジへ向かうと、
ショートサイズの紙のカップを手に持ちこちらへ戻ってきた。
椅子に腰をおろした女は、今しがた買ってきばかりのそれにスマフォを向けた。
パシャりとはならなかったけれど、
変わりに女の声が聞こえてきた気がした。
『ワタシは大丈夫よ。雨上がりの空が特別に美しく、濃い青をした空だったとしても、
今のワタシは全然淋しくなんてないの。
だって今日の空を一緒に見上げる人がここにはいないのだから、、、、』
暗転
わ~いわ~い。
思いがけず来れたスタバの後は、
デトックス効果のあるホットピラティスのレッスンだわ~い。
ピラティスで自分を知ると、本当の自分を知れて、
健康や美容、病気の予防やダイエットの効果が期待でき、
更にはなりたい自分にもなれるのだわ~い!
完