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ボクは浦島太郎/15年クスリに支配されて失われた時間は戻らない絶望を味わう/終

はからずしも、断薬生活におちいったボク。

長い間、クスリに依存してきた。快楽だけのためのクスリではないと断言はできない。

ここでの快楽というのは、主に寝るという目的だ。しかしながら、少ないとはいえ、食欲はあった。

一番肝心な生物として種を残す本能はなかった。

これをどうして言い切れるのか?
これを読んだ人は疑問に思うだろう。

それは、精神安定剤や睡眠薬を疑念もなく服用してたボクだからこそ断言できる。

一言で言えば、そういったクスリを服用しているのは、ヒトとして、あるいは生き物として不完全だから。

もちろん、クスリは効用があるからこそ、国の認可がおりて流通してるし、服用もできる。

ここで、注目してほしいのは、ヒトに効用があるクスリが認可性ということだ。その裏側にあるのは、効用はあるけど、副作用があるという事実。

考えてみてほしい、副作用がなければ認可性にする必要はない。

だから、動物実験、治験とか、さまざまなデータを収縮する必要がある。

ここでマニアックな例をあげさせてもらう。

攻殻機動隊というアニメはご存知?

その中で、劇場版ではない笑い男時間をテーマに話は進むんやけど。

簡単にあらすじを要約すると、電脳マイクロマシンから派生して、村井ワクチンに関しての話題になってくる。

とりあえず、理屈は分からんけど、効くのは効く。

ボクが考えるクスリとして、この村井ワクチンが理想である。あらゆることを想定の上をいき、副作用が見当たらない。

裏づけができないからこそ、可能性を見出してしまう。

現実は副作用があるからクスリですよと提供されてる。その副作用を、真に理解してるかはどうかは別として。

ハッキリ言うけど、躁うつ病だったり、抑うつ状態がひどかったり、あるいは、それ以上の症状がある人にたいして、副作用の危険性を言われても…

実際に、ボクには届かなかった。

このクスリには、グレープフルーツやグレープジュースはダメですよとは聞くけど、実際に、どんな副作用があるのか?

はたまた、ボクは、このクスリを服用したら飲酒はダメですと言われながらでも飲んでいた。

そうしながらでもクスリに依存してたことは事実。

そうなると、クスリを服用できないという精神的なストレス、及び、身体に残ってた、微かなクスリ。

そういうのがかさなると、ホントに禁断症状が出てくる。普段以上にのどか渇いたり、それこそ、攻撃性は強くなる。

自分ではわかってるつもりと言いたいところだけど、まるで、幽体離脱したみたいで、自分の身体が自分のものではなく、意識も不明瞭だ。

そういう状態から、抜け出せたと実感できたのは、今年に入ってから。

今、ボクは、誰も知り合いがいない地域で暮らしてる。それでも、会話のテンポもそうだし、何しろ、冗談も言えるし、何なら、辛辣なツッコミもできる。

こういう感覚は、抑うつ状態になる前である。以前の自分に戻れたとは思わない。

そこには、大切だと思ってた身内、親友、友達、何より、心から愛してた息子がいないから。

ホントに、ボクは、玉手箱をあけた浦島太郎のように心細い。

53年生きてきた。

こうした現状を、高校を卒業した時点で想像できただろうか?

答えは否。

のたうちまわるほど苦しんだ。

後悔していないとは死んでも言えないし言いたくもない。

変えられない過去を嘆くよりも、変えられる未来を構築するために、現在を大切にしていく。

これからは、失われた時間を取り戻すというより、それ以上の対価を得るために、ボクは、夢を見て語り、ボクがボクでいられるために生きてく。

それが、浦島太郎となったボクの生きる道だから。

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