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筋トレもビジネスも「目標設定が9割」! 間違ったKPIが成果を妨げる理由

フィットネスジムに通っていると、次のような光景を目にしませんか?

  • 「これって正しいトレーニングなのかな?」と悩む人

  • 長いことジムに来ているのに、体がほとんど変わっていない人

筋トレの成果は個人差がありますが、そもそもの目標設定(KPI/KGI)が適切ではないために結果が出ていないケースも多いように感じます。

この問題はビジネスの世界でも同様。

「売上件数ばかり追いかけていたら、逆に利益が出なくなった…」という話は、筋トレの失敗例と根本的には同じ構造なのです。


筋トレのKPI/KGI:正しい指標は何か?

間違った指標を追うと成果が出ない

筋肥大を目指しているのに、「誤った重視点」を優先してしまう人がいます。

今古賀翔さんのYoutube動画で、Dr. ブレット コントレラスのツイートを引用する形で、「筋肥大において過大評価されていること」として以下が紹介されていました。

  • 疲労感を得る

  • 汗をかく

  • パンプ感を得る

  • バーンを感じる

  • 筋肉痛になる

  • 上級者の方法で鍛える

  • いろんな種目をやる

  • 過剰に効かせようとする

これらを追い求めることは必ずしも悪いことではありませんが、「筋肥大」というゴール(KGI)に直接的には結びつかない可能性がある点に注意が必要です。

もしKGIを「筋肥大」とするなら…

「筋肥大」をゴールに据えるなら、実際に筋肉が大きくなっているかを定期的に把握できる指標(KPI)を設定しましょう。

たとえば、

  • 除脂肪体重(体脂肪以外の重量)の推移を定期的に測定する

  • インボディなどで筋肉量の変化を記録する

  • 二の腕や太ももなど部位別のサイズ計測を写真と合わせて定期的に管理する

こうしたデータがあれば、表面的な「疲労感・筋肉痛」だけに左右されず、実際に筋肉が成長しているかどうかを客観的に判断できます。

パワーリフティングを例にした私のKPI/KGI

私はパワーリフティング競技でのパフォーマンス向上を目標(KGI)にしています。そのために、次のようにして(KPI)を管理しています。

  • 日々のトップセットから算出した推定1RMをApp Sheetに入力

  • プログラムの進捗状況や自覚負荷(RIR)

  • 定期的にベスト更新挑戦

こうすることで、いわゆる「エゴリフティング(見栄リフティング)」に陥ることなく、本当に伸ばすべき数値(1RM)だけを追うようにしています。結果として、ケガのリスクを抑えつつ着実に記録を伸ばせるようになりました。

私はこの管理に自作のApp Sheetを使っています。

毎回のトップセットの重量と回数、RIRを記録することで、そのセットから推定される1RMを算出し、グラフはその日までの最高の値が表示されるようにしています。

App Sheetの公開について:個人用に作成していますが、要望があれば一般公開用に開発し直すことも検討しています。興味があればぜひコメントください!

ビジネスでも同じ? KGI/KPIを間違えると「コブラ効果」に陥る

筋トレで「汗をかいた=成果」「筋肉痛がある=効果的なトレーニング」と思い込むのと同じように、ビジネスでも間違ったKPIを設定すると、意図しない悪影響を生むことがあります。

目標設定の失敗例

ある企業が「売上件数」をKGIに設定したとします。
すると、営業担当者は「とにかく契約件数を増やせば評価される」と考え、リベートや大幅値引きを使ってでも契約を獲得しようとするようになります。

  • 契約件数(KPI)は増える

  • 利益率は下がり、会社の収益は悪化

  • 無理な営業で顧客満足度が低下し、リピーターが減る

このように、「売上件数」という表面的な指標を追うあまり、会社の本来の目的(利益を最大化すること)とズレてしまうのです。

コブラ効果の由来

こうした、設定した指標が逆効果をもたらすことを「コブラ効果」と呼びます。

イギリス政府は、インドの野生コブラの数を減らそうと考え、「捕獲したコブラ1匹ごとに報奨金を支払う」制度を導入した。
しかし、人々はコブラを繁殖させて捕まえ、報奨金を得るビジネスを始めてしまった。
政府が異変に気づき、この制度を廃止。すると、養殖されたコブラが不要になり、大量に野に放たれた。
結果として、当初よりもコブラの数が増えてしまった。

このように、「本来の目的(コブラの減少)」とは逆に、「コブラを増やす」という事態を招いたのです。

ビジネスにおける「コブラ効果」の具体例

売上件数をKPIにする
リベート・値引きを乱発 → 利益率低下、顧客の質が悪化

WebサイトのPV数をKPIにする
クリック数を稼ぐために誇大広告や釣りタイトルを乱発し、ユーザー離脱

カスタマーサポートの「対応件数」をKPIにする
1件あたりの対応を短縮しようとしてしまい、 顧客満足度が低下

このように、「数値を増やせば成果が上がる」と思い込むと、むしろ逆効果になってしまうことがあります。

コブラ効果を回避するための正しいKPI設定

では、どうすればコブラ効果を回避し、本当に成果につながるKPIを設定できるでしょうか?

KGI(最終目標)を正しく設定する
「売上件数」ではなく、「利益額」や「利益率」など、ビジネスの最終成果に直結する指標をKGIにする

KGIに正しく貢献するKPIを設定する
KPIとして「リベート率を抑えた売上額」「粗利益率」などを設け、短絡的な件数増加を防ぐ

KPIがKGIと強い相関を持っているか定期的に見直す
もしKPIを追いかけることで「本来の目標に悪影響を与えていないか?」をチェックし続ける

筋トレ × ビジネス:どちらも「データドリブン思考」が鍵

筋トレでもビジネスでも、目標(KGI)と指標(KPI)を正しく設定し、データを元に検証・改善することが大切です。

  • 筋トレ

    • ゴール:筋肥大、パワーリフティングの記録向上など

    • KPI:筋肉量・除脂肪体重・推定1RMなど

  • ビジネス

    • ゴール:最終的な利益額、顧客満足度など

    • KPI:利益率、リベート率、リピート購入率など

どちらも「疲れた気がするからOK」「件数が増えたからOK」といった曖昧な感覚ではなく、数値による客観的な指標を基に行動を調整していくのがポイントです。

成果を最大化するためのアクション

  1. KGI(最終目標)を明確に設定する

    • 筋トレなら筋肥大や大会記録、ビジネスなら利益額や顧客満足度など

  2. そのKGIに直結するKPIを定める

    • 筋トレ:各部位のサイズ、除脂肪体重、推定1RMなど

    • ビジネス:利益率、リベート率、顧客リピート率など

  3. 定期的にデータを記録・分析し、修正を加える

    • 筋トレ:体組成計やトレーニングログアプリなど

    • ビジネス:売上・利益管理ツール、顧客満足度調査など

  4. コブラ効果を防ぐため、指標と行動を見直す

    • 「本当に目的に合った数字を追っているか?」を問い続ける

  5. 継続的にPDCAサイクルを実施し、指標をアップデートする

これらを意識するだけでも、筋トレの成果やビジネスの成果が大きく変わってきます。私自身、パワーリフティングの記録管理をしっかり始めたことで、余計な疲労やケガを減らしながら着実に重量を伸ばせるようになりました。

もし「筋トレのデータ管理をもっとやってみたい」という方がいれば、App Sheetの公開に興味があるかコメントなどでぜひお知らせください!

おわりに

筋トレとビジネスで成果を出せる人は正しいKGI/KPIの設定とデータ管理」をしています。

もし今、

  • 「筋トレの成果が思うように出ない」

  • 「ビジネスで売上件数は伸びても、利益が伸びない」

と感じている方は、ぜひ一度自分のKGIとKPIが直結しているかを見直してみてください。そこを改善するだけで、次のステップが見えてくるかもしれません。


これまでにEC・BtoB・スタートアップなど、さまざまな企業のデータ分析・可視化を支援してきました。

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