4月に読んだ本、13冊
韓国文学をはじめて読んでその世界観にどっぷりハマったり、一気読みしたくなる小説が多かった傾向。日々が彩られていく。
最後の物たちの国で(ポール・オースター)
人々は死を待つだけの崩壊した国。暴力や犯罪が蔓延している国。毎日がサバイバルで、救いようのない環境で絶望しかないけれど、その中で希望はあるのか?
とてもすごい話でした。ネタバレになるので書けないけれども、この小説の終わり方は好きです。
追撃の森(ジェフリー・ディーヴァー)
殺し屋に追われ、森の中をひたすら逃げる警察官の話。400ページくらいは逃げるくだりで、よくこんなに書けるものだと驚きました。
序盤で逃げるシーンや殺し屋との攻防にハラハラして疲れるものの、中盤からの展開にひきこまれ最後は驚きの展開で面白い。
傲慢と善良(辻村深月)
辻村深月氏ってすごい。恋愛や婚活におけるなんとも言えない感情をここまで詳細に繊細に言語化するとは・・・
読みながら己の傲慢さにもハッとしました。浅井リョウ氏のあとがきも面白かったです。
ピンとくるとか、こないとか、そういうものがあったなぁと、過去の恋愛や結婚に至るまでについて振り返ってしまいました。映画キャストも発表されて楽しみです。
保健室のアン・ウニョン先生(チョン・セラン)
私にとってはじめての韓国文学。
保健教師のウニョン先生は普通の人には見えないものがみえる。学校では不穏なできごとが多くて周囲の先生や生徒はなかなかくせもの揃い。
いろんな事件が起きるのだけど、すべてファンタジー要素でポップに描かれる。登場人物がみんな愛くるしいし、ウニョンの言動がいちいち面白いし、心の底からこの本に出会えてよかったです。
耳をすませば(チョ・ナムジュ)
普段の生活環境が全く違う3組の人生が交錯していく話。
読みながらずっと頭の中で映像が流れるほど想像力が掻き立てられます。特に最後のシーンが鮮やかで読後の余韻もよかった。
はじめて読んだ作家さんで有名な作品がいろいろあるので他も読んでみないと!
ひとまず上出来(ジェーン・スー)
はじめて読んだジェーン・スー氏のエッセイ。歯に衣きせない発言や自身の恋愛の話などをあっけらかんと書かれていて驚きました。女性の支持が多いのも納得。
筋トレの話からハッとした文章があったのでご紹介。私も気をつけないと・・・
小福ときどき災難(群ようこ)
久々に読んだ、群ようこさんのエッセイ。ちょうどコロナ禍に執筆されていて、当時のマスク不足のこととか、いろいろ思い出します。
猫との会話の様子にくすっとしたり、なにかと「前期高齢者」と自分のことを言うので、群先生はそういうご年齢なのかとハッとした。
日本の政治のいけてなさなど、頷くところも多く、サクッと読めます。
汝、星のごとく(凪良ゆう)
読みながらウイスキーが飲みたくなり、ちびちび飲みつつ読書時間を過ごしました。主人公ふたりのいきさつに色んな感情が呼び起こされます。
涙を流しながら読後感に浸りました。愛は、深い。
正しい女たち(千早茜)
「海辺の先生」はちょうど併読中の「汝、星のごとく」と重なるものがあります。
爽やかな話、どろっとした話、いろいろ混ざっているけど女ならではの沸々とする感情に溢れている。
登場人物が繋がっているのも面白いです。
リバース(湊かなえ)
最後の3ページでビックリして危うく電車を乗り過ごすところでした。笑
いろんなドキドキが混ざったままの読後感がすごかったです。心を落ち着けて読んだあとがきも秀悦。
電車の中で夢中になって読書するのは危険ですね。
この本を読むとコーヒーが飲みたくなるので、ぜひコーヒーと共にお楽しみください。
ペイント(イ・ヒヨン)
近未来の韓国で、子供が親を選ぶシステムがあって、そのシステムがある施設で暮らす子どもたちの話。
発想がおもしろくて一気に読みました。とてもクリエイティブな単語が多くて素敵な作家さんだなぁと惚れ惚れ。
悪いものが、来ませんように(芦沢央)
徐々に沸き立つ違和感。後半のとある一言で、まんまと騙されたなぁと、苦笑しながら読みました。
芦沢央さんの本をはじめて読んだので他も読んでみないと。読みたい本リストが増える一方で、幸せな悩みです。
白ゆき姫殺人事件(湊かなえ)
つい話を盛ってしまう人、憶測で話す人。
当事者にしかわからないことを人は噂立ててしまったり、自分に良いように解釈してしまう。
人間の自己中心的なところを垣間見る話ですがサクっと読めます。さすが湊かなえ氏。
残りのGW期間も読書に励む予定なので楽しみです。
過去の記事もお時間ありましたらぜひに。