サクラ大戦新作から考える、推定年商100億円以上を捨てたセガの男気と経営センス
先日、セガが持つ人気IPの1つサクラ大戦新作の情報が解禁されました。
サクラ大戦新作はPS4で発売するという発表でした。
そのニュースを見たときに男気はあるけど儲ける気はない所がセガらしい!と思いましたね。
ツイッターに添付されたプロモーション動画は100万再生超えとファンからの注目度の高さがわかります。
こちらがセガ公式のプロモーションムービーです。
そしてこちらがファンの方がアレンジしたムービーです。こちらは100万再生超えと公式よりも再生されています。
まず、プロモーションムービーを見ていただければわかりますが、
キャラクターデザインが素晴らしいです。
サクラ大戦らしさは残しつつ、現代風にアレンジされています。
流石超絶大ヒット作のBLEACHの作者
久保帯人先生だなと思いました。
多くのファンが待ち望んだ新作なのでそれなりにヒットする事は間違いないでしょう。
しかし、私はセガが儲ける気がないなと思ったのは据え置きでサクラ大戦の新作を出すと決断した事です。
スクエニの大人気IPのキングダムハーツⅢの売上本数が全世界500万本突破と話題になりました。
超ざっくり計算で
5000円×500万本で
250億円以上の売上を叩き出した事になります。
しかし、売る為に莫大な開発費と宣伝費を注ぎ込んだ超大作と
そこまで開発費と宣伝費はかけられないサクラ大戦では同じ販売本数は見込めません。
正直サクラ大戦はキングダムハーツよりもコアなファンに長く支えられてきたシリーズなので
新作がどんなに大ヒットしても50万本ぐらいでしょう。
50万本でもめちゃくちゃ凄い売上げです。
超ざっくり計算の5000円×50万本で
25億円の売上です。
しかし、ソシャゲでサクラ大戦をリリースしていた場合、
月商10億円以上、つまり、年商120億円以上は狙えたIPだったなあと感じています。
しかもソシャゲならば1年では終わりません。数年間は月商で何億円と稼ぐポテンシャルがあるIPだったと私は思っています。
サクラ大戦のファンはコアユーザーです。
そして金銭的にも余裕のある世代です。
そんなファンから一人あたり、5000円から1万円の売上で楽しんでもらおうとする
セガの男気にセガらしいと感心する一方、
コアなファンならばサクラ大戦をソシャゲ展開した場合に3ヶ月に一回、一万円程度の課金、
年間数万円の課金で楽しむファンの数はそれなりに確保できるだろうと思っていましたし、
ある程度ゲームが面白く、運営が上手くいき、ライトユーザーを取り込めば月商10億円以上は固いと思っていました。
ライトユーザーの取り込みには久保帯人先生のキャラクターデザインは大活躍だったでしょう。
古いブランドで知る人ぞ知るラングリッサーのIPを使用したソシャゲが人気をはくしてブランド価値を高めている事
アカツキのロマサガRS のようにソシャゲで展開する事でコアユーザー以外にライトユーザーにも受け入れられた事等
過去に人気があったIPのブランドの命が吹き替えした成功例もあります。
セガのIPはソシャゲでは苦戦する事が多かった事は事実ですが、何故そのIPをソシャゲにしたのか理解が難しいソシャゲ適正の低いIPが多かったからだと思います。
サクラ大戦のようなコアなファンが長く根強く応援してくれるゲームこそ、ソシャゲ適性は最高に高いのです。
過去の人気IPがソシャゲで人気を博しており、オリジナルゲームのソシャゲのリスクが高まっている今こそ、
据え置きでゲーマーだけ相手に商売をするのではく、
ソシャゲでコアユーザーが喜ぶ作りをしつつ、ライトユーザーも取り込むやり方の方が大成功の確率は高かったと私は思っています。
まとめ
サクラ大戦の新作の音楽、キャラクターデザイン、世界観は素晴らしい
ロボット×美少女の設定も素晴らしい
プレイヤーはイケメン主人公に気持ちを移しながら美少女達と共に苦難を乗り越えていく設定も素晴らしい
だからこそ、コアユーザー向けに作る事も可能でありながら、ライトユーザーも取り込んでブランド価値をさらに押し上げることのできるソシャゲで展開していればとんでもない売上を記録していたかもしれない
だけれども据え置きで新作を発表した。
そこが男気溢れるセガらしいという考察でした。