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【連載小説】インスピレーション  ~執事―ロダンのしつらえ~

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執事―ロダンとその仲間たちとの日々の営み。主人のセル氏の生活を見事なまでに、そして軽やかに支える様は見ていても頼もしく楽しい。舞台はイギリスの片田舎。そこで繰り広げられる何気ない…
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目次

 1 プロローグ  2 バーンズ邸  3 セル氏の朝食 4 使用人達の時間割り

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6 使用人達の私生活 (6)

執事―ロダンは、セル氏と同じく42歳であるが、未だ独身。 使用人の仲間内では、彼が結婚す…

6

6 使用人達の私生活 (5)

担当編集者―マカトは35歳で、これまた独身である。 バーンズ家にかかわる人々の独身率の高…

9

6 使用人達の私生活 (4)

調理師―ポルカは45歳にして未だ独身である。 屋敷で住み込みで働いている為、どうしても外…

5

6 使用人達の私生活 (3)

運転手―ネルも通いのメンバーの一人である。 38歳のネルには3歳年下の妻エミリーとの間に…

5

6 使用人達の私生活 (2)

家政婦―ミズリは、屋敷から歩いて10分程の所にある長屋に住んでいる。 この長屋は、家族用…

5

6 使用人達の私生活 (1)

バーンズ家の使用人達は、通いと住み込みが半々の割合となっている。 庭師―バンサは徒歩で7~8分の所にある小さな一軒家に、妻のシェリーと2人で暮らしている。 息子2人長男と次男、そして末娘の長女の3人の子供達はそれぞれ結婚し、独立して暮らしている。 以前はもう少し離れた土地に広い一軒家を構えていたが、子供たちが独立をし、近い処で居を構えた時点で、屋敷に近い今の土地を購入し、夫婦2人が快適に過ごせる家をと、新たに建てたのが5年前である。 妻のシェリーもガーデニングが趣味で、庭

5 セル氏の仕事 (5)

「どうぞ」 と言う編集担当者―マカトの合図と共に、セル氏が空で文章を読み上げ始めた。 そ…

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5 セル氏の仕事 (4)

編集担当者―マカトが屋敷にやって来ると、軽く2ヶ月ほどは滞在する。 その間屋根裏の空き部…

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5 セル氏の仕事 (3)

編集担当者―マカトが一気に地下まで駆け下りていくと、2つのティーカップをのせたトレイを持…

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5 セル氏の仕事 (2)

編集担当者―マカトが現れたのは、ある5月晴れの朝10時頃であった。 屋敷の玄関に荷物をド…

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5 セル氏の仕事 (1)

ある日、バーンズ邸へ編集担当者―マカトが、スーツケースを引き摺りながらやって来た。 セル…

6

4 使用人達の時間割り (6)

家政婦―ミズリは一足早く午後5時に助手を見送り、残りの1時間を使用人ホールで過ごす事とな…

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4 使用人達の時間割り (5)

ポルカはティータイム用の軽食を作りながら、夕食の下ごしらえを始めだす。 ミズリは助手と二人でランドリーから取り出した洗濯物のアイロン掛けや、1階部分の各部屋の掃除に取り掛かる。 ネルは玄関周りの清掃を中心に、所構わず手伝いに入る。 ロダンは屋敷を出て、庭師―バンサの元へ行き、今決めたことを伝える。 バンサは愛妻シェリーの作る弁当を持参して来ていて、庭の端にある作業部屋兼休憩室にいる。 以前は使用人ホールまで来て、愛妻弁当を冷やかされながら食べていたが、最近はホールまで