交糸
前野勉さんの刺繍作品を初めて見た時の衝撃は、
自分の中にあった思いや理想のぼんやりとした部分を
かめはめ波のごとく見事に吹き飛ばした。
鹿児島県にあるしょうぶ学園でゆっくりと作られておられて、
優しく力強く、糸をいれる。
ずっと眺めていられる刺繍。
しょうぶ学園を知り、
そこで作られる色んな作品はどれも心を揺さぶられ
いつか手にとって実際にみてみたいと恋い焦がれているのです。
その施設長である福森伸さんが書かれた
『ありのままがあるところ』
を読んで
目から鱗がぼろぼろと落ちまくり、
自分の余計な思い込みを剥がしまくり、
叫びたくなるほど晴れやかになった。
やりたいからやる
というシンプルな気持ちだけ。
それだけでいいのだ。
そんな思いの丈をこめてできた
交わり
織りと刺繍と古い板。
糸も色も交わる。
そして生まれる、