国宝のそばで浸る温泉・富貴寺大堂と蕗の薹(大分県豊後高田市田染蕗)
連れ合いからの「GWに大分の石仏や摩崖仏を見たい」という思いつきにはじまり、いろいろと調べあげて宿泊できる宿を探して、たどりついたのが「蕗の薹」さん。大分に4つある国宝のひとつ=富貴寺大堂のすぐ横で、富貴寺が営む温泉宿。奇跡的に2日の夜だけが空いていたので、午前半休にして夕方に大分空港へとたどり着きました。空港から豊後高田へ向かうバス=ノースライナーの16時40分空港発に乗れれば、田染中村の停留所近くにある元宮摩崖仏を見学しながら、お宿の方にここまで迎えに来ていただける予定でした。がしかし、GW中のことでもあり飛行機が遅れて、バスは乗り逃してしまいタクシーを飛ばす結果に。(バスだと19時前空港発)
お宿のお迎えを待ちながら、早速国東の摩崖仏を堪能させていただきました。
おしゃれな和風建築の「蕗の薹」。右奥に宿泊棟があって、その一階部分に温泉もあります。布団は自分で敷くことになっていますが、アメニティはそろっており、朝夕の料理もとてもおいしくて分量も適度なものが用意されていました。これで2名2万6千円はコストパフォーマンスが良すぎます。
国宝=富貴寺大堂を間近に感じながら、温泉に浸れる贅沢。このあたりの温泉=くにさき六郷温泉は塩類泉と言われる泉質だそうです。
目覚めの一風呂のあと、朝食をいただくと、朝の8時30分には山門とお堂が入場できるので、ほぼ宿泊客独占で見せていただけるという贅沢さ。
900年の時を超えてたたずむ、国宝=富貴寺大堂。大分市立美術館にこの写真とほぼ同じ構図で描かれた平山郁夫の絵もありました。九州最古の木造建築として、大友氏の仏教弾圧や二次大戦の空襲での一部損壊などくぐり抜けて、平安時代の建築物が残されていることに感動します。
内陣の壁面や柱に残された壁画も、貴重な国指定重要文化財です。内部は撮影禁止なので日本遺産サイトの写真をお借りして…雰囲気を感じていただきたい。阿弥陀仏も美しい造型でした。我々がお邪魔したときは、本堂の改装中だったので、写真と違って両脇に観音様がご出張されておりました。
お堂の美しさと内陣の壁画をたっぷりと堪能しました。国宝の美に浸かりきった一時。このあたり、田染の蕗という地名で富貴寺ももとは蕗寺だったようですが、朝の散歩で美しい里山の景色やミニ摩崖仏の地蔵堂摩崖仏も堪能し、すっかり心の洗濯ができた朝となりました。其田板碑や熊野神社の仁王も含めて散歩するのも楽しいエリアです。