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#107 誕生日の誓い

年に一度の、自分が生まれた日。
自分で自分を祝うことに対して、かつて抵抗があった。
いや、今でも大いに抵抗がある。

自分の誕生日を祝うなんて恥ずかしい。
自分で祝うなんて、変な目で見られるかもしれない。

と、自分の頭の中にいる「誰か」がそう蔑むからである。

しかし冷静に考えたら、今こうしてnoteを書いているのも、本が読めるのも、音楽が聴けるのも……
全て誕生日があったからに他ならない。

そして何よりいつ何が起こるかわからない昨今。
こうして誕生日を迎えられることって本当に有難いことなんだと、最近はそう思えている。

何より、こうして文章を書く人間として誕生日を迎えられてよかった。
ここまでよく生き延びてくれたと、自分を褒めてあげたい。

自分の名前を決めた日

10月2日は間違いなく僕が生まれた日でもあるのだが、
この「立竹落花」という名前を考えた日でもある。

noterの皆さんは、自分の名前をどのようにつけたのだろうか。
本名の方もいらっしゃるし、本名にひっかけた名前の方もいらっしゃるだろうし、全然本名と関係のない名前の方もいらっしゃると思う。

それでいうと僕の場合、苗字だけは本名にひっかけている。
「立竹」という苗字については、僕にとってとても大事な意味を持っているので、それは後に書くとしよう。

「落花」の由来

「立竹」の苗字だけは決まっていたのだが、なかなか下の名前が決まらなかったことをよく覚えている。
いくつもの案が出てきたわけでもなく、本当に何も出てこなかった。

だとしたら、もう何らかの作品から引用するしかないか。
つまりは、パクるしかないか、と思ったのである。

大好きな小説、大好きな漫画、大好きなアニメ――
そんなものは挙げてもキリがないのだが、一番しっくり来たのが、とあるアニメの主人公の名前だった。

「灰羽連盟」というアニメがそれである。
ちなみに友達や同僚、多くの知り合いにこのアニメのことを話したが、誰一人として知っている人はいなかった。
今から20年以上前の作品だし、今のように深夜アニメがメジャーでない中で放送されていたので無理もないかもしれない。

だがこの作品は、「生きづらい」と思っている人には刺さる作品だと思う。
そして僕にとっては、僕が触れてきた創作作品の中で5本の指に入るくらいの素晴らしい作品だと思っている。

このアニメの主人公の名前が「ラッカ」なので、そこからとった。
「たつたけらっか」……ええやん。
という、ある種のノリでこの名前に決まったのである。

作中の「ラッカ」を漢字にすると「落下」なのだが、あえて「花」の漢字をあてたのは、少しでも明るさを持たせたかったからである。

「立竹」の由来

この苗字については、二つの意味がある。

一つは、自分の本名からとった。
僕の本名には「笠」の字が入っている。
この漢字を分解して、「立竹」とした。

もう一つは、僕の大切な友人の名前からいただいた
その友人の苗字には「竹」が入っているので、この漢字だけは絶対に名前に入れたいと思ったのである。

というのも、その友人はもうこの世にはいない。

中学入学の頃からよく遊ぶ仲で、彼のおかげで辛い学校生活も少しは楽しかったことを覚えている。
しかし、2年生に上がったときに難病にかかり、徐々に学校で会えなくなってしまい、3年生の11月に旅立ってしまった。

今でも思う。
彼は可能性の塊だった。
勉強もできたし、話は面白いし、友達も多かった。
それなのに、なんでこんなに早く旅立たなければならなかったのか。
本人だって、もっとやりたいことがあったろうし、もっともっと遊びたかっただろうに。

もう彼と離れて20年近く経つけれど、未だに代わってあげたいと思う。
けれど、それが叶わないのなら、せめて自分の力で生かしてあげたい。

僕は、彼のことを「竹」と呼んでいた。
なので、この漢字一字を自分のペンネームに乗せたのである。

地元の文芸誌にこの名前が載ったとき、本当に嬉しかった。
もちろん自分の小説が認められたからというのもある。
しかし、もう一つ。
自分の力で「竹」を文章の世界で生かすことができたからだ。

だからnoteで「立竹落花」を名乗れることも、とても嬉しい。
この名前でいる限り、僕は彼と一緒に執筆ができるからである。

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立竹落花、誕生日おめでとう。
自分で自分の誕生日を祝うのも、最大限の自己肯定だと思っている。
せっかくこうして日々書き続けられているのだから、細く長くこれを続けていく1年にしたい。

あとは何をしたいだろう。
今パッと思い浮かんだのは、ケンタッキーが食べたい。
たまにはハメを外して、揚げ物を頬張るとしようか。

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立竹落花
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