スキーマ療法① スキーマ療法について自分なりに説明してみた
スキーマ療法とは
スキーマ療法(schema therapy)とは、米国の心理学者であるジェフリー・ヤングが、1990年代に提唱した心理療法であり、認知行動療法(CBT)のなかの発展型のひとつです。
現在(2020年)日本では、公認心理師&臨床心理士である伊藤絵美がスキーマ療法に関する書籍を多く出版しています。彼女はスキーマ療法のことを「ニキビを治すのではなく、ニキビのできる体質を改善する療法」と述べています。
従来の認知行動療法は、「ニキビを治す」心理療法です。ヤングは、
認知行動療法は、その時起きている困りごと(ニキビ)を改善することはできるが、その時起きていなくても、将来同様のパターンで繰り返してしまう困りごとや、生きづらさ(ニキビのできる体質)を改善するには不十分である
と考えました。そこで考案されたのが、「ニキビのできる体質を改善する」スキーマ療法です。
スキーマ療法は、「スキーマ」にアプローチすることで、同様のパターンで繰り返す困り事や、慢性的な生きづらさを改善することを目指します。
「スキーマ」とは
では、「スキーマ」とはなんなのでしょうか。
スキーマは、日本語に訳すと「物の見方」「価値観」「信念」「思いこみ」等が当てはまると言われています。個人的には、「考え方の癖」なども当てはまるのではないかと考えています。
スキーマは、後天的に様々な経験をすることで形成されていきます。
スキーマには、良いスキーマと、不適応スキーマといわれる、生きていく上で持っていると大変なスキーマがあります。
不適応スキーマのなかでも、人生の早期に形成された不適応スキーマを、「早期不適応スキーマ」といいます。早期不適応スキーマは、子供なら当然持っている欲求である、中核的感情欲求が満たされなかったことで形成されるとされています。人生の早期に中核的感情欲求が満たされないという過酷な状況で生きていくために身につけた、その当時はその状況に対して適応的であったスキーマです。しかし、成長し、環境(状況)が変わると不適応スキーマとなります。
まとめ
以上が、スキーマ療法と、スキーマについて個人的に噛み砕いた説明です。
スキーマ療法は不適応スキーマ、早期不適応スキーマなどの、生きていく上で持っていると大変なスキーマを解消、緩和し、新たに良いスキーマを身に付けることで困り事を少なくしていく心理療法です。
満たされなかった中核的感情欲求によって形成された不適応的スキーマを、セラピストとクライアントが対等な家族のようになって、本来満たされるべきだった中核的感情欲求を満たしていくことで手放すことを目指します。(これを治療的再養育関係といいます。セラピストが「よき親」となって、クライアントに接します)
私は、スキーマ療法を知ってから現時点で半年ほど経過していますが、確かな効果を感じています。
私は現在、発達障害者まりんのスキーマ療法体験記(https://note.com/marin20190308)さんが創設したスキーマ療法のピアグループに所属し、スキーマ療法の学習と実践を行っています。
今後、そのグループでの活動や体験談なども、記事にしていこうと思っています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事は、以下のnoteの記事と、書籍を参考にしています。
スキーマ療法入門 理論と事例で学ぶスキーマ療法の基礎と応用
https://www.amazon.co.jp/dp/479110854X/ref=cm_sw_r_cp_api_i_jwkLCbKMMVGDE