【ギフテッドの本質】刺激増幅受容性(OE)
熊です。
今回はギフテッドの人格発達理論である
「積極的分離理論」における重要な役割を持つ
「刺激増幅受容性(OE)」を紹介する。
積極的分離理論に登場する各要素は、
このように予め別コーナーとして紹介する。
でないと、
どの記事に何の要素が入っているかが分からないと思う。
刺激増幅受容性(OE)とは
Wikiの行動に対する説明は大体合っているので、
一旦の載せておく。
なげえー
しかもピンと来ないところもあるかと思うので、
タイトルの図を参考にすればイメージしやすいと思う。
それぞれのOEをパソコンの部分に例えたので、
どのOEが強い場合にどんな効果があるかは、
該当するパソコンの部分と照らし合わせれば、
想像しやすいと思う。
一般人はOEを持っているのか?
5つのOEの説明を見たら、
「これは一般人も持っているのでは?」と思うよね。
確かにOEの5つの能力は人類全員が持っている。
しかし、
OEが強調しているのは
能力の「増幅」、「興奮」、「過度」のような状態である。
つまり、
能力を「持っているかどうか」という視点ではなく、
能力が「暴走しやすいかどうか」という視点である。
OEは測定可能か?
残念ながら、OEを測定する方法はない。
そのため、
WikiのOEに関する説明を言葉で理解したとしても、
OEが指している状態が目の前に起きても、
一般の方は基本的に気づかない。
むしろ、
別のよく知られている概念に置き換えられる場合が多いため、
OE発動時のギフテッドは、
一般人にネガティブな印象を与えてしまいやすい。
感情性OE、精神性OEに対する一般人の印象
前述の
「よく知られている概念に置き換えられる場合」
とは何かを説明していく。
まず、
一般社会は5つのOEの中で、どれが一番馴染みがあると思う?
それは感情性OEだと思う。
この感情性OEを
「増幅」、「興奮」、「過度」と連想してみよう。
どんなイメージがする?
「怒り狂っている人?」
「泣き喚いている人?」
「しゃがみこんで頭を抱えている人?」
「布団に隠れて震えが止まらない人?」
これはね。大体合ってる。
実際、
感情性OEが起きた場合、
確かに皆さんの想像通りの状況は起こりえる。
今度は「精神性OE」を
「増幅」、「興奮」、「過度」と連想してみよう。
何となく、
先ほどの「感情性OE」と同じようなイメージが湧いてくるでしょう。
ここで、
精神性OEのWikiの定義をもう一度振り返ってみたら、
感情性OEから来たイメージは一旦消えるが、
ただ、もう一度「精神性OE」を
「増幅」、「興奮」、「過度」と連想してみたら、
やはり「感情性OE」のイメージが出てくると思う。
ギフテッドの一番の特徴は知性OEと思われがちだが、
実は精神性OEこそが一番の特徴である。
言い換えれば、
一般人は精神性OEをほとんど持っていないとのことである。
つまり、一般人からすると一番理解しづらいOEである。
脳の性能が変わると感じたことはないでしょう。
そして、
人間の脳は、理解できない言葉に対して、
近い概念を探して補完する習性がある。
「精神」の話をするとき、
「感情」や「気分」などの言葉が一緒に登場する場合が多いため、
脳は「精神性OE」を「感情性OE」として理解しようとする。
※以前別の記事で話した発散思考はここで発動された。
これは全員が持っている思考特性でもある。
また、
「増幅」、「興奮」、「過度」などの言葉は、
「通常ではない」ことを意味する。
人間の脳は異なる素質を持つ人間を警戒する傾向がある。
なぜかというと、
自分と違う素質を持つ人間を理解するのに膨大なエネルギーを要するうえ、相手が自分の生存上の脅威にもなりえるからである。
※対抗できない可能性があるからね
これの具体的な例として、
同調圧力の学校教育と社会に対してほとんどの日本人は不満を持っているが、何十年が経っても未だに状況は大して変わらない。
不思議と思わない?
多数派が圧倒的な主導権を持っているこの社会を、
多数派が本当に変えようとしたら一瞬のはずだったでしょう。
実は、
創造性や自由などの概念は、「不確実性」という側面を持つ。
生存において「不確実性」より厄介なものはない。
だから、
人々は同調圧力云々といつもブーブー言っているけど、
実は深層心理では「縛られるほうが良い」と思っている。
なぜかというと、「他の人も縛られている」からである。
自分が自由になれば、同様に自由になった無数の人、
つまり無数の不確実性とともに生きていくことを意味する。
そんなの嫌でしょう?
話を一度まとめてみよう。
人々は精神性OEというイメージできない言葉を、
よく「精神」という言葉と同時に登場する「感情」に置き換える。
そして、
「増幅」、「興奮」、「過度」などの言葉は、
「通常ではない」ことを意味するため、
人々の深層心理はそれを警戒する。
つまり、
感情性OEも、精神性OEも、人々の脳内では、
「精神的に異質的な存在」と見做している。
まだ本人を見ていないのに、
実際のOEの発揮場面を見ていないのに、
OEに対する偏見は既に決まっている。
実際に見たら、
「精神的に異質的な存在」という偏見がなければ生まれるし、
既に偏見があればさらに深まる。
過去の記事で説明したギフテッドの生存資源を振り返ってみると、
・活発な神経(こいつがOEの正体ね)は
高速かつ大量に情報を収集と処理する。
・潜在抑制機能が発動しないため、
一般人の数倍に及ぶ情報を認知する。
・発散思考のため、無限に思考を広げていく。
上記の生存資源が同時に発動している場合、
特に、全種類のOEを持っている場合、
ギフテッドは「情報のスーパーノヴァ」に見える。
遠くで見ると美しく感じるかもしれないが、
近くに居る人間、もしくは近づこうとする人間は、
スーパーノヴァに巻き込まれて
塵になった小惑星の気分を味わうでしょう。
その他のOE
感覚性OEと想像性OEは比較的にイメージしやすいと思う。
知的OEは叩くので、少し触れてみよう。
感覚性OE
感覚性OEは感覚過敏と考えてもらえばよいと思う。
想像性OE
一般人の場合、
想像性OEは一番人間の年齢とともに劣化するOEである。
人間は5~7歳以降にシナプスの作成速度が急激に落ちていくため、子供の頃の豊かな想像力を失ってしまう。
ギフテッドは元々神経が早すぎたため、
落ちてもある程度子供と同等な想像力を保てる。
知的OE
知的OEの正体は「生存資源」である。
生存資源は生き物が生き残るために持っている
「特性」、「武器」の意味である。
これは物理的なものと精神的なものと両方を含む。
生存資源とギフテッドの関連性はこちら。
また、
タイトルの図に記載されている二種類の共感力は、
上記の記事(生存戦略)にも詳しく説明してあるため、
興味あればご覧ください。
共感力に関連するOE
簡単に言うと、
・感情の共感力=感覚性OE
感情の共感力は外部情報を収集する感覚性OEが司る。
「外部感情を収集する感覚」と考えるほうが理解しやすいと思う。
・認知の共感力=感情性OE + 想像性OE
認知の共感力は
「内部から感情を作る能力である」感情性OEと
「内部の精神世界を模索する」想像性OEと関連している。
つまり、
感情性OEと想像性OEは、
芸術と哲学を生み出す力である。
まあ、現代医学では、
肩書き(賞や資格、他の肩書のある人の紹介等)があれば、
芸術家、哲学者と呼ばれるが、
そうでなければ、
妄想性障害や解離性障害、統合失調症等、
色んなレッテルを貼られる可能性があるから、気を付けてね。
怠惰な医者の場合、
患者の行動しか見ていないし、
自分が見えないものを否定するからね。
今回の記事はここまで。