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映画 夜明けのすべて③


◉声と俳優さんについて


コメンタリーで北斗さんが萌音ちゃんのプラネタリウムでのナレを絶賛していて、三宅監督があえて、その場面の音を波の音と萌音ちゃんの声だけにした(正確じゃないかも)と。萌音ちゃんの声はそれだけで画を成り立たせられるのだよなぁ素敵。
夜明けのすべての光石さんや渋川さんも声が素敵。
その役の人生が映し出されるような声。
栗田科学の皆さんの声は日常を描く声。

勿論北斗さんの声も大好きで、2月の映画ファーストキス関連で脚本の坂元さんが配役に声は重要(こちらも正確じゃないかも)的なことを言ってて、大きく頷いてる。
松たか子さんの声も好き。
高橋一生さん松田龍平さん満島ひかりさん(カルテットじゃ)岡田将生さん(大豆田じゃ)豊川悦司さん(地面師みた)市川実日子さん、古川琴音さん
鈴木京香さん松雪泰子さん小林聡美さん深津絵里さん(きらきらひかるじゃ)

我儘な意見だけど私にとって声は重要で、いくら内容や演技が素晴らしくても受け付けない声の方が何人かいる。ごめんなさい。声って重要だよな。

◉スタッフさんたち

私が映画を好きな理由は、違う世界に連れていってくれるからだった。
でもこの映画は完全に私の人生に食い込んできた。監督演者スタッフが同じ方向を向いて、話し合い、こだわり、この映画を届けたい気持ちが伝わってくる。栗田科学の温かさは三宅組の温かさなんだ。

▪️照明部さんのお仕事。
髪を切るシーン、夜に撮影したのに映像は昼のような窓からの光。山添くんが部屋で暗闇を見ながら薬を飲むシーンの車のライト。(このシーン好き)
夜の住宅街の場面。実際にバランスとしてあかりが欲しいお宅には電気をつけてもらえるかのお願いをしに行った。

→メイキングにもあったけど照明部さんのお力がなければ、成り立たないほど重要なお仕事でした。とても大変だったと思われます…

▪️美術さんのお仕事。栗田科学の乱雑さ。それぞれの机の小物たち。倉庫の段ボール内の小道具。メモ帳、観察記録、写真。季節の変化を表すためのエンドロールのたんぽぽ

→何もない建物に栗田科学がつくられていく。演者さんがそこに入るともう昔からあったかのような会社。社長室(ほぼ給湯室扱い)が少し上にある構造は演劇舞台のセットにも見えた。丁寧に作られた資料たちは圧巻です。

▪️監督の采配。この場面には必ず光が必要だからそれまで待つ。
フリスビーの場面。
山添くんが自転車を漕ぎ始める場面。
坂の登り下りで二人の病状やメンタルの上下とリンクさせる。富士山は想定外。
プラネタリウム内の藤沢さんのナレが漏れ聞こえている場面。北斗さんの横顔に光が当たる。(鼻筋キレイ)
聞いてるうちに陽がだんだんと沈む。
夜明けの一場面。何とも言えない色合いの空

→何と言っても監督の光へのこだわり。
天候に左右される撮影で譲れない部分はベストなタイミングを待つ。街並みはただの背景ではなくて、二人の心情や体調を表現する演者にもなり得る。夜明けの空の色のカットは忘れない。

浜口監督との鼎談とメイキング、コメンタリーより抜粋し、感想を添えました。書いてるだけで全ての場面思い浮かぶ。公開当時のインタビュー探して読みたい。

何度でも観たくなる映画。
観るたびに何かを得られる映画。
違った視点からも観ることのできる映画。

この映画に関わってくれた方全員にありがとう。
(ただの一視聴者です)

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