マガジンのカバー画像

創作作品集

52
自作の小説や詩など、創作文芸の作品を集めてあります。
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

わたしの好きなもの

わたしの好きなもの 雨降りの日 赤いレインコート 水たまりの落ち葉 赤と黄色と そのあいだ…

涼雨 零音
4年前
34

[東京90's 吉祥寺編]銀の象に乗って

 なにがなんでも終わり。井の頭線の吉祥寺駅は引き込み線も何もなく、どうあってもここで線路…

涼雨 零音
4年前
13

[東京90's 都心編]ミッドナイト・ラン

 都心の月極駐車場の月額は神奈川の家賃に匹敵する。あまりにも高い。六本木でディアブロが止…

涼雨 零音
4年前
13

神様のついた嘘

 気心の知れた仲間たちと挑んだ勝負だった。制限時間ギリギリで仲間たちも疲弊していた。 「…

涼雨 零音
4年前
14

半熟

 末っ子の豚が建てた家のように頑丈そうなレンガ造りの階段を降りて行くと朝早くからやってい…

涼雨 零音
4年前
22

二十八の罠

 ところどころ塗りそこなったように青が漏れている煮え切らない曇り空を見上げながら電子たば…

涼雨 零音
4年前
12

リボルバー・マン

 目が覚めた。薄っぺらいカーテンごしに入ってきた光がおれの股間を照らしていた。太陽は一億五千万キロも離れたところから八分あまりもかけて手をつっこんできて、おれの股間を温める。おかげでそこだけホカホカだ。ぶしつけなやつめ。  立ち上がると死にかけたベッドのスプリングがきしんで安っぽい音を立てる。その音がからっぽの頭の中でこだまする。いやな気分だ。おれはこの気分を知っている。デジャヴとかいうやつだ。ベッドのわきに置かれたキャビネット。その上から二段目の抽斗でなにが起きているのか

困乱する言場と世壊

 目覚めると俺はベッドの上に横たわっていた。ベッドは床の上にあった。      俺俺俺俺…

涼雨 零音
4年前
78

ウロボロスの鱗

 地下街のすみっこにあるトンマをどうにかしたような名前の中国料理屋で、おれは昼飯を食って…

涼雨 零音
4年前
41

雨音と傘のメヌエット

傘を広げたのは、ぽたぽた、と雨の音が聞こえたからだ。  雨粒は傘に「と」と言ってぶつかり…

涼雨 零音
4年前
21