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社会的に生きる
読書感想文です。一応ネタバレ避けたい人はお気をつけて。
今回読んだ作品は 汝、星のごとく という作品です。
全体的な印象としては、お話の滝のような流れの中で、自分の心がぐわんぐわん動かされていたなという感じでした。ページ数としてはとても長いわけではなかったと思うのですが、出来事一つ一つのタイミング・感情の機微・それを受け取る自分の反応の総合的なエネルギーが終始高めだったように思います。
いつも基本的に100ページくらい通しで読んで休憩して〜という流れで読むのですが、今回は50数ページで休憩挟まないと心が追いつかない場面が多かったです笑。
場面を切り取ればたくさん書けると思うのですが、自分の読み方も期間を空けながら読んでいたこともあり、
また、直近に読んだ部分が頭に残っているし、今の自分の立場的にも年齢重ねてからのお話は共感しやすいので、その部分の感想が多めかと思います。
まずそもそも1人で生きていくのは大事だなってめちゃ思いました。
性別関係なく、1人で生きていける状態であることってやっぱり最低条件だと思うし、その上で仲良くなれて良かったねとか、籍入れたいねとかそうなるのがいいよな〜と思っています。
人間みんな強いわけじゃないっていう考えも本の中に書いてあるんですが、強い弱いと1人で生きていけないって別ベクトルだと思うんです。
全員がこれに当てはまるわけでないことはもちろん承知の上なんですが、かけたくない迷惑をかけて生きていていいのか?とは思います。
これは自分自身の経験もあって、より強く思います。
なんか書き方すごいきついんだけど、これは個人的な事情による部分が大きいので、違う意見があっても全然いいんです。ただ個人的にはこの作品を読んでこの部分を色濃く解釈したよっていう感じですね。
それと別の作品で、時間が解決してくれているのは日常を生きているから。というのがあって、この作品でも奇しくもそれが起こっているな〜と思いました。
櫂たちの連載が止まった時、小説とか自分の仕事を続けていればまた違っていたんだろうなと思います。
こうして文章で書くことは簡単ですけど、これってめちゃめちゃしんどいですよね。だから日常ってしんどいし、生きてるだけで偉い(諸説あり)になるのかなと。
あとここは本当に個人的な事情なんですが、親って基本的に子に幸せになってほしいと思ってる。っていうのが心臓にクリティカルヒットしましたね・・・
主人公の母が回復の兆しを見せた時に、"幸せになって欲しかったのに、日に日に怖くなっていく娘の顔を見るのが辛かった"(うろ覚え)的なニュアンスのことを話していて、もしかしたら全国の親子の問題のほとんどってこれで説明がつくのかもなと思うととても衝撃的でした。
それと同時に過去に親を亡くしている身としては非常に申し訳なかったなと、改めてすごく後悔しました。我が家の構造上騒がしい日々も多かったですが、根底にあるそれを理解していたらまた違ったのかもと思っています。
もちろん幼い自分がそれを理解できるわけないですけど。
少し脱線してしまいますが、帰省の時に愚痴をたくさん聞いたよってことについて、正直半分は聞き流していました。それをしないと自分の心が流されるし、そもそも自分が深入りしたとて解決できることではないからです。
おそらくこの立ち振る舞いを見た人は、ドライな人だなという印象を受けると思いますし、自分でもそう思います。
でも"そもそも愚痴を聞いてくれる人がいるだけで嬉しいと思うし、ドライかもしれないけどそのくらいでちょうどいいんだよ"って言ってもらえたこともまた嬉しかったなと思います。
何が言いたいかというと、ドライな人間も人によって受け取り方が違うよってことですね。
思い返せば、基本的に他人と仲良くなりにくいんだよねって言っていた人に自分は割と心をゆるしていたこともあったのでそんなものなのかもしれないです。
炎炎ノ消防隊で、99%の人から見たら最悪の組み合わせでも、1%の当人たちにとっては最善の組み合わせである。みたいなお話があったように思います。
話を本題に戻して、そういう見えにくい愛情をつくってしまうのって不本意だったりするし、なんせこの世の人間のほとんどは子育てというイベントを初めて経験するんですから。
だからより多くの手で助け合う必要があるんですけど、そういう時に距離感とかってすごく大事。そう距離感大事。
そういう意味で出会うコミュニティは大事。どうしようもない要素ではあるけどね。でも狭い中でも小さな世界でほどほどに幸せに暮らすのもいいんじゃないかなって読んでいて思いました。
自分自身がどうしたいかはさておき、というかそもそも決まってないけどね。
あとはですね、北原先生みたいな大人好きなんですよ・・・笑
北原先生が言ったのか瞳子さんが言ったのか覚えてないんですけど、個人的に刺さった言葉たちを紹介していきます。
自分を繋ぐ鎖は自分で選ぶ。
これねーめちゃめちゃブッ刺さった。
結婚に対してマイナスになるとか、そういう意味ではなくて、デメリットもメリットも全部含めて目の前の状況を受け入れていこうみたいな時にすごく助けてくれるだろうなって思います。
結婚に対して夢を見たい人はそのままでいていいと思うけど、現実的な思考を持つ人には救いなんじゃないかなと思います。
最後になんとかするための正論。
正論に対して自分は割と肯定的です。だって正しいし。
それを受け入れられないのは自分の未熟さか、環境が許さないか、私情かみたいな感じだと思うんです。
でも正論だけじゃ生きていけないのも事実としてあるし、正論を受け付けない人もいるのは知ってます。
そもそも正論使うなよ論調もある中で、この言葉はとてもいいと思います。
0or100が全部じゃないけど、振り切らないといけない時の最後の一押しとしてはいいのかなと思います。
その選択が正解かどうかっていうのはまた別ですけど、そういう間違いって一生やっていくしそういうものなんだろうなと、この本を読んでいて思いました。
みんなそれぞれの時間で間違って、正解にして、時に上書きできずに後悔して、それを繰り返していくんだと思います。
最後に、言語化しにくいんですが、個人的にこの本にぴったりの音楽だと思ったので共有したいと思います。