融資相談の仕方。【資金使途】【返済原資】
銀行融資では、お金を借りることができます。
そのお金は元々、預金した人のお金です。
「隣町のAさんの事業が上手くいかなくて、
融資を返してもらえなかったので、
あなたの預金はもう引き出せなくなりました。すみません!」
これでは、困りますよね。
銀行融資の審査が厳しい理由はずばり、この点にあります。
銀行融資の大原則は、
確実に返済してもらうことです。
「安全性の原則」とも呼ばれています。
融資を相談する際には、
この「安全性の原則」を充たしているとわかってもらえるように、
説明することが第一歩になります!
「安全性の原則」は以下の3つに大分されます。
①何に使うのか。~資金使途~
②どうやって返済するのか?~返済原資~
③返済できなくなったら、どうするのか?~保全~
今回は、①と②の解説をしていきます。
銀行担当者も「安全性の原則」を満たした稟議を書くために色々と質問してくれますが、
是非、融資相談の際にはこのポイントを抑えて、相談してみてください!
①何に使うのか。~資金使途~
「資金使途は何ですか?」
借入の相談に行くと、必ず聞かれるワードだと思います。
具体的には、
「何の支払に充てるのか」
「どうしてその分のお金が足りないのか」
このようになります。
もちろん、社長の趣味に使うお金を貸すわけにはいきません。
(個人ローンで借りることはできますが)
今後の利益に繋がるお金の使いみちであることが求められます。
例えば、
新たな機械を購入し、生産性を上げることができる。
これにより、売上も利益も増加する。
融資の返済もできる。
これまで賃借していた事務所だったが、
自前で簡単な事務所を建てる。
これまで支払っていた賃料がなくなるため、利益が増える。
融資の返済もできる。
このような、
回収見込みの極めて高い、
“投資”的な資金使途
であることが、望ましいです!
②どうやって返済するのか?~返済原資~
2つ目は返済原資です。
1つ目の資金使途と密接に関わってきます。
今後、どのように収入を増やして(支出を減らして)、
返済していくのかということです。
当然ですが、
社長の趣味に借入金を投じても、
収入は増えませんので、返済原資は生まれてきません。
機械導入により売上・利益が増えるとか
賃料が減って、利益が増えるとかですと、
わかりやすく、返済原資を確認することができます。
返済原資がすんなり腹落ちすれば、
意外なほど簡単に融資を受けることができるでしょう。
独立したばかりで、受注がどんどん増えているときなど、
簡単に融資を受けることができた
という経験のある方もいるのではないのでしょうか。
一方で、
こんな場合は融資を受けるのが難しくなります。
事業が上手くいってなくて、赤字が続いている。
従業員の給料は払わなければいけないし、
社会保険も引き落とされる。
業者の支払も遅らせる訳にいかない。
このような状況で融資を受けたい事業者も多いと思います。
この場合は、このような説得になります。
「“将来”売上を伸ばして(経費を削減して)、返済原資を生み出す。」
返済原資の説得力が弱いですね。
売上を伸ばすことや、経費を削減することに具体性がありません。
そのため、
銀行は会社に事業計画を作らせたり、
今後の事業の見通しを聞いたりします。
このように、
お金がどうしても必要なことはわかった【資金使途】。
しかし、収入が増えたり、経費が減る未来が見えない【返済原資】。
↑↑こんな状況に陥って、悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。
それでも融資を受けて、会社を立て直したい!
【返済原資】はすぐに説得力あるものにできないけど、
【保全】を主張することができます。
次回は、
【保全】の考え方をご説明したいと思います!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?