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人事を尽くして天命を待たない

人事の仕事は、ただ人材を管理するだけではありません。

私は「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を胸に、テクノロジーと人間性の調和を追求し、個人と組織の持続的な成長を実現する世界をデザインすることを目指しています。

人事の本質は、管理ではなく「触媒」である

16年の人事経験を通じて、私は人事の役割を「組織と個人の成長を促進する触媒」と捉えるようになりました。
給与計算や労務管理といった定型業務はAIやシステムが担い、人事は以下の3つの領域に集中すべきです。

  1. データドリブン戦略
    AIが提供する人事データの分析結果を基に、組織の強み・弱みを可視化し、経営戦略と連動した人材戦略を構築

  2. 人間らしさのデザイン
    従業員のエンゲージメント調査や1on1を通じて「数字に表れない本音」を汲み取り、組織文化を形成

  3. 未来への投資
    AI時代を見据えたリスキルプログラムや、多様な働き方を支える制度を設計

テクノロジーと人間性の調和とは、AI時代の人事像

私が提唱する「AI時代の人間中心型組織コンサルタント」像は、次の5つの要素で構成されます。

1. AI×人間の最適分業モデル

  • 定型業務の95%をRPAで自動化し、残り5%のクリエイティブ業務に人的リソースを集中

  • 採用選考ではAI面接で基礎能力を測定し、最終判断は人間の直感で行うハイブリッド方式

2. データと直感の融合評価システム

  • 従業員のパフォーマンスを「定量データ(生産性数値)」と「定性データ(同僚評価)」で多面的に分析

  • 昇進判断ではAIの予測モデルと経営陣の経験値を組み合わせ

3. 自律型学習エコシステム

  • 個々人の学習履歴をAIが分析し、最適な研修プログラムを自動提案

  • 社内SNSでナレッジ共有を促進し、組織全体の知見を可視化

持続的成長のための3つの実践

  1. マイクロチャレンジ制度
    毎月「給与計算の効率化」や「採用プロセス改善」など小さな課題を設定し、成功報酬として研修予算を付与

  2. 逆メンター制度
    Z世代社員が管理職にテクノロジー活用を指導し、世代間のギャップを解消

  3. 家族参画型福利厚生
    子どもの授業参観日を有給扱いにし、配偶者向けキャリア相談窓口を設置

私の失敗から学んだ人事哲学

過去に「完璧な制度設計」に固執し、現場の声を軽視した結果、離職率が上昇した経験があります。
この失敗から得た教訓は、「制度は70点で導入し、現場のフィードバックで育てる」という姿勢です。
人事の仕事は「完成品」を届けることではなく、「進化する仕組み」を共に作ることだと気付きました。

今後のビジョン:5年後の人事部像

  • AI倫理委員会の設置:AIの判断基準を人間の倫理観で検証

  • 社員健康予測モデルの導入:健康データから3年後の離職リスクを予測

  • メタバース研修センター:VR空間で危機管理訓練を実施

人事は「天命を待つ」受け身の存在ではありません。
テクノロジーを駆使しつつ人間の可能性を最大限引き出す「能動的なデザイナー」として、これからも組織革新に挑戦し続けます。
結局、人事の最高の成果とは「この会社で働いて良かった」と従業員が心から思える瞬間の積み重ねではないでしょうか。

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