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9年目を迎えた「LITALICOアドベントカレンダー」を語る
この記事は、LITALICO Advent Calendar 2024 1日目の記事です。
毎年1年の振り返りがてら書いているアドベントカレンダー。
2021年は四半期ごとに行っている全体会の企画と設計について、2022年は中途入社のオンボーディングの考え方と作り方について、2023年は社内ラジオのリニューアルについて書きました。
今年はこの「アドベントカレンダー」という取り組みについて、LITALICOのエンジニア組織としてどんな考え方で取り組んでいるか、裏側でどんな運用をしているか、ひとりでも多くの人に参加してもらうために工夫していることについて書いてみたいと思います。
LITALICOのエンジニア組織に興味をもってくださった方や、アドベントカレンダーやってみたいなと思っている方の参考になればうれしいです。
いくつかの前提
会社と組織について
LITALICOは「障害のない社会をつくる」をビジョンに、教育や障害福祉・介護福祉領域で事業展開をしている会社です
![](https://assets.st-note.com/img/1732942908-FsI3cvypuE2zmqhVeQJKRNG5.png?width=1200)
事業部門と機能横断部門のマトリクス型組織となっており、今回の記事の対象は、エンジニア/社内ITのメンバーが所属している機能横断組織であるエンジニアリング統括部となります
エンジニアリング統括部は現在約200名の組織で、2021年5月に複数の部が集まって組成されました
私自身について
私自身は、組織組成と同時に設立されたエンジニアリング統括部専任のHRを担当しています。動き方としてはいわゆるHRBPやDevHRのようなイメージです
(これまでもゆるやかに関わっていましたが)今年のアドベントカレンダーの担当をしています
アドベントカレンダーとは?
クリスマスまでの日数をカウントダウンするカレンダーであるアドベントカレンダーの慣習(日付の小窓を開けるとお菓子が入っているアレです)にもとづいて、12/1から12/25まで毎日記事を投稿する、記事投稿型のイベントです
LITALICOエンジニアとしては現在の組織ができる前の2016年からエンジニアの有志メンバーでQiitaのアドベントカレンダーに参加しています
LITALICOのアドベントカレンダーは、エンジニアリング統括部を中心にエンジニアや社内ITだけでなく、PdMやデザイナーなどにも声をかけてプロダクト部門をまたいで記事を投稿しています
なぜアドベントカレンダーの取り組みをするのか?
会社やコミュニティによって目的ややり方は異なると思いますが、LITALICOではどんな風に考えてやっているのか紹介します。
目的と効果
LITALICOでは個人の学習や発信の文化づくりを1番の目的に置いています
サブの目的としては以下です
社内の組織理解/事業理解/ナレッジ共有の促進
部署をまたぐコミュニケーション機会
結果として、採用シーンで候補者の方から「記事を読んだ」という声をいただくことも多いです
方針
上記の目的のため、各自が任意で参加してワイワイ楽しめるようにすることが第一の方針です
そのため「目標は設定しない」というのが大きな特徴で、何本公開する、何いいねやランキングを目指す、全員書かなければいけない、ということはやらないということを明確に決めています
その上で、記事を書いてみたいけれどハードルが高く感じるという方も多いのでハードルを下げる工夫をしたり執筆へのチャレンジするサポートをしたり、ひとりでも多くの人が参加できるように心がけています
アドベントカレンダー2024の流れ
全体としてはざっとこんな感じで進めています。
①アドベントカレンダーの目的の再確認/方針などをまとめてチーム内で確認
なにか新しい取り組みをはじめるときには目的を言語化して確認すること、目的やゴールにあわせた運用方針や体験設計を考えて文章にするようにしています
最初にこれをやっておくことで、途中で迷ったときに立ち戻ったり、適切な意思決定がしやすくなります
②アドベントカレンダーの説明や参加方法などをまとめた資料の作成
毎年新しいメンバーが増えていて初めて参加する人もいますし、そもそもみなさん業務が忙しいので、参加を検討したり参加するときに必要な情報が1カ所にまとまるようにしています
③アドベントカレンダー用のslackチャンネルの作成
主な用途としては記事の相談や事前レビューです
記事を書くか迷った人がとりあえずチャンネルに入ってみることができるようにしています
④アドベントカレンダーを立ち上げ、参加者の募集をスタート
できるだけ参加のハードルをさげるため、アドベントカレンダーのslackチャンネルに入る/Qiitaのアカウントをつくる/執筆する日を決めてカレンダー登録するなど、アクションが小さくなるように設定しています
⑤ひとりでも多くの人に参加してもらうためにいろいろやる(くわしくは後述)
⑥公開前の記事について、CTO/VPoEと事前レビューをする
基本的には自由に記事を書いてもらっていますが、社名が出る発信であること、事前に組織としてレビューをいれることで記事を書いた人が安心して記事を公開できるようにしています
細かなチェック項目は決めていませんが以下のような観点でみています
IR(決算資料等の情報)で公開済みであるなど、社外に発信して問題がない内容であること
社外の不特定多数の方が見ることを意識して書かれていること
以下はアドベントカレンダーが始まったら/終了したらやる予定です
⑦アドベントカレンダーが公開されたら社内のslackチャンネルでお知らせする
⑧CTO/VPoEのアドベントカレンダーの感想トークを社内ラジオで行う
⑨チームとして取り組み全体の振り返りをする
ひとりでも多くの人に参加してもらうために
「個人の学習や発信の文化づくり」が1番の目的なので、記事を書いてみたいけど…と思う人が、書いてみようと思えること、実際に書きはじめられるように背中を押したり、サポートしていくことが大切だと考えています。
そのため「たくさんの人に書いてもらう」というよりも、「書いてみようかな、書いてみたいな」と思う人が1人でも多く記事を書くことにチャレンジできたらいいなと思って準備をしてきました。
書ける範囲でやったことや工夫したことをまとめます。
1ヶ月前から募集スタート
記事を書くのが得意だったり経験が多い人ばかりではないですし、とくに記事を書いたことがないけど書いてみたいという人がチャレンジしやすくしたかったので、記事執筆期間を長くとれるように1ヶ月前からアドベントカレンダーの参加を募りはじめました
社内ラジオでアドベントカレンダーを取り上げる
毎週木曜日にCTOとVPoEをMCに社内ラジオを放送しているので、11月の社内ラジオではアドベントカレンダーをテーマに取り上げました
過去のアドベントカレンダーの記事を紹介しながら、どんなテーマがあるか紹介しています
なんでも相談会
今年はじめてアドベントカレンダーに参加する人も多く、迷っている人が多い雰囲気があったのでmeetで「アドカレなんでも相談会」を開きました
書きたいけど仕事が忙しい、ネタがないという相談から、参加方法やQiitaのアカウント作成のルールの質問など、興味はあるけど…という方が集まってくれました
記事のネタの壁打ち会
やっぱり参加の1番のハードルは記事のネタがない/決まらないということなので、ドタ参、耳参加歓迎、途中の入退室自由の形式で3回実施しました
その場で参加してくれた人の記事のネタを参加者みんなで壁打ちして、「これは書きたいかも」「それなら書けそう!」という言葉がもらえると私もうれしかったです
記事のネタを考えるヒント集
ゼロから記事のネタを考えるのは難しかったり、どうしても”すごい”記事を書かないといけないと考えてしまいがちなので、そのハードルをさげるための工夫として、「記事テーマ」と「記事の宛先」の2つの切り口から記事のネタを考えるヒントを整理しました
「記事テーマ」は、過去8年分のアドベントカレンダーの記事をベースに8つのカテゴリに整理しました
記事のテーマから考えるのが難しい場合もあるので、「記事の宛先」として誰に向けて書くか6つのパターンに整理しました
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個別の声かけ
組織が大きくなると、情報が届きにくくなったり、興味があっても参加ハードルが高くなってしまうので、めちゃくちゃ地味ですが個別に声をかけるというのも大切です
個人的にはほぼ在宅勤務&育休から復帰した直後だったのでアドカレを言い訳に連絡をとってやりとりができるとみなさんの近況や組織の状態なども知ることができてよかったです
運用面の改善
アドベントカレンダーは楽しい雰囲気で進めたい一方で、みなさんが時間をつかって記事を書いてくれるのでその中での効果はしっかりと担保できるようにしたいと考え、裏側でやっていたこともいくつか紹介します
社外の方向けの情報導線の設計
アドベントカレンダーをきっかけにLITALICOを知ってくださったり、興味をもってくれた方が、必要な情報にたどりつきやすいようにしておきたいと思いました
具体的にはQiitaのrganizationには「about」という機能に会社情報/社員インタビュー/採用情報/過去のアドベントカレンダーリンクなど会社や組織を知ってもらえる情報を集約
アドベントカレンダーのトップページから「about」へ遷移ができるようにしました
![](https://assets.st-note.com/img/1732942655-ZNRguEBS64hWY38HdDpwxOJn.png?width=1200)
適切にモニタリング/振り返りができるための集計基盤づくり
毎年の記事数と参加人数の推移は見れるようになっていましたが、毎年組織が拡大しているのでその情報だけでは参加状況の判断がむずかしく、振り返りもしにくく感じました
目的を考えたときに、大切なポイントは参加率とユニークの参加人数だと考え、同時に適切に動いたり振り返るために、部単位の参加率や個人ごとの毎年の参加状況が見えるといいなと思いました
そのため、過去8年分の記事データ(記事タイトル/URL/ユーザー名)をスクレイピングで取得し、ユーザー名と社員データを紐づける作業などを行い、必要な集計ができるような状態をつくることにしました
アドベントカレンダーをやってみて
結果と振り返り
11/30時点では55人がエントリ、73記事が公開予定となっており、9年目にして最大の参加者&記事が公開されそうで、今からどんな記事が読めるか楽しみです
今年のアドベントカレンダーは始まったばかりなので終わったら結果とともに振り返りをして、追記できるとよいなと思います
個人的な思い
壁打ち会や個別のやりとりなどの中で書きたいけど迷ってるという方に「書きましょう!」「書けます!」「読みたいです」そんな言葉をかけることがありました。適当なこと言ってんなーって思われた方もいるかもしれないけど、実のところけっこう本気で言ってます。
エンジニアリング統括部のHRに異動する前、WEBメディアの編集者としてライターさんの「書きたい」と「書いて届ける」に伴走する中で実感したことの1つがその人の中には必ず書けるテーマがあり、書くことを通しての発見や喜びがあるということでした。
成果や成長はわかりやすいものばかりではなく、目に見えにくいものもあります。個人的には目に見えにくい人の変化や成長、その中にある小さくてもたしかなこだわりや工夫を知ることが好きです。
「そのとき」にしか書けない記事があるし、「その人」にしか書けない記事がある。だから、1つ1つの記事に価値があると思っています。
アドベントカレンダーはそんな記事が毎日公開される、まさにお祭り。今日からはじまるLITALICOアドベントカレンダー、ぜひ読んでみてください。
LITALICO Advent Calendar 2024 明日は、@yuichirofujitaさんの「マネージャを引き継いだら最初の3ヶ月くらいでやること」、@t-kontaさんの「面談について」「エラーメッセージネタ」の3本が公開されます!
その他、2024年に書いたアドカレの記事はこちら
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